児童ポルノ規制法違反・児童買春で逮捕されてしまったら?

児童ポルノ

児童ポルノ規制法違反で逮捕されてしまったら?要件・罰則を解説!

1.児童ポルノ規制法の概要

みなさんは「児童ポルノ規制法」(もしくは「児童ポルノ禁止法」とも言います。)という法律はご存知でしょうか。正式名称は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」といいます。

18歳に満たない子供に対して性的虐待や性的搾取が行われてしまったような場合、その被害を受けた児童に与える悪影響(権利の侵害)というのは想像を絶するほど大きいと考えられます。そこで、その影響の重大性から、この法律は以下の2つの大きな目的をもって制定されました。

  1. 児童に対する性的虐待や性的搾取が行われないよう、児童買春や児童ポルノに係る行為を規制・禁止して厳しく処罰する
  2. これらの行為等によって心身に悪影響(権利の侵害)を受けてしまった児童を守るための措置などを定める

この法律は平成26年6月18日に改正され、自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノが含まれる画像などを単純に所持する行為についても、罰則の対象に加えられたことで、大きくニュースにもなりました。

2.児童ポルノ規制法の要件、罰則

それではまず「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」について、その内容を説明していきましょう。

(1) 「児童」とは?

児童ポルノ規制法では、18歳に満たない者を「児童」と定義しています。

(2) 「児童ポルノ」とは?

児童ポルノ規制法では以下のものを「児童ポルノ」と定義しています。

  1. 児童の性交又は性交類似行為が記録されているもの
  2. 児童の性器等を触る、または児童が他人の性器等を触る行為が記録されているもので、性欲を興奮・刺激させるもの
  3. 衣服の全部又は一部を着けない児童が記録されているもので、「殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているもの」かつ「性欲を興奮させ又は刺激」するもの

(3) どのような行為が罪になるの?

児童ポルノ規制法では、以下に挙げるような行為が処罰の対象となると明記されていますので、順に「処罰される行為」および「その罰則」について説明していきましょう。

①児童買春

児童買春とは、児童に対し、対価を渡したうえで

  • 性交を行う
  • 性交に類似する行為を行う
  • 児童の性器などを触る
  • 自身の性器などを触らせる

ことを言います。

児童ポルノ規制法によると、この児童買春を行なうと、「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」に処せられることとなります。

②児童買春周旋・勧誘

自分自身が児童買春をしていなくとも、児童買春を周旋したり、勧誘したりした場合でも、児童ポルノ規制法は処罰の対象としています。刑罰の内容としては、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金」が科せられます。なお、懲役刑(「5年以下の懲役」の部分)と罰金刑(500万円以下の罰金)が、併せて(同時に)科される場合もあります。

さらに、この児童買春の周旋・勧誘を、業務として行っていたような場合には、さらに重い「7年以下の懲役及び1000万円以下の罰金」が科せられることになります。

③児童ポルノ所持、提供等

前述のとおり、児童ポルノ規制法は、平成26年6月18日に改正され、児童ポルノに該当する性的な画像や映像などを、自己の性的好奇心を満たす目的で所持しているだけでも罪に問われるようになりました。罰則としては、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっています。

卒業アルバムに水着の写真がある場合などは、「殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているもの」とも「性欲を興奮させ又は刺激するもの」ともいえないでしょうから、罰せられる対象には基本的にはなりません。また、親が幼いころの入浴時の写真を保存しているような場合も、「自己の性的好奇心を満足させる目的」での所持とは言えないことから処罰の対象にはなりません。

恋人関係でも問題になる

他方で、18歳未満の恋人関係にある男女で男性が女性の裸体をスマートフォンで撮影してそのまま所持していた場合に、警察が児童ポルノ製造、所持として立件して少年事件になったことがありますので、恋人関係だからと言って問題ならないと考えない方がいいと思います。

児童ポルノの画像や映像などを他人にたいして提供したり製造したりしたような場合にも、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科されることになります。児童ポルノの画像や映像などを不特定多数の人に提供したり、不特定多数の人がみられるような場所(たとえば掲示板へのアップロードなど)に公然と陳列させたりした場合は、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金」に処されます。これも前述の「児童買春周旋・勧誘」と同様に、懲役刑と罰金刑を併せて科すことができます。

④児童買春等目的人身売買等

児童買春を目的として、また児童ポルノの画像や映像などを製造する目的で、児童を売買したような場合、「1年以上10年以下の懲役」が科されます。

3.児童ポルノ規制法違反・児童買春で逮捕・起訴

(1) どのような案件で逮捕されてしまうのか

児童ポルノ規制法違反(児童買春など)により逮捕されてしまうような事態はありうるのでしょうか。たとえば大量の児童ポルノの画像を所持していたり、またこれを誰でも見られる掲示板に大量に掲載していたりすれば、当然に逮捕の可能性はあります。

また、よくある事案として、18歳に満たない女子といわゆる「援助交際」をしてしまったところ、その性交渉の際に写真を撮っており、これをパソコンなどに保存時していた、というような場合、児童買春罪と合わせて児童ポルノ製造罪が適用されることになり、逮捕されてしまうということもあります。

さらに、18歳に満たない女子と交際していたが、その性交渉等の際に写真を撮っていたところ、破局した際にいわゆる復縁を求めて「リベンジポルノ」を行ってしまい、強要罪(被害者に対して、脅して義務のないことをさせること)と併せて児童ポルノ製造罪が適用され、逮捕されてしまうという可能性もあります。

(2) 警察の捜査は非常に厳しい

近年、警察も違法行為がないかインターネット上を巡回する「サイバーパトロール」などを行い、児童ポルノについての取り締まりを強化しています。児童ポルノを配布している違法サイトから画像などをダウンロードすることにより、発覚・逮捕となってしまう可能性も否定できません。

(3) もし逮捕されてしまったら

児童買春を例にとって説明しますと、児童買春の場合には任意の取り調べもありますが、今までの児童買春の刑事弁護経験上は令状逮捕されることが多いと思います。

逮捕されると警察の留置場に身体拘束されて取り調べを受けます。その間、家族は面会できません。弁護士だけが被疑者に接見し、詳しい事情を聞き取ったうえで今後の流れ、注意事項、弁護方針を協議できます。

48時間以内に検察庁に送検されて、検察官が取り調べの上で10日間の勾留請求を裁判所にするかどうか判断します。多くの場合裁判所に勾留請求します。

当所で最近弁護を担当した児童買春の事案で身元引受書や勾留をしないように工夫した弁護士意見書を提出して検察官に働きかけて釈放となった場合もありますので、刑事弁護経験豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。

さて、検察官が勾留請求をしますと、裁判官が被疑者に勾留質問をして、勾留決定するかどうか判断することになります。通常裁判官が勾留決定しますが、刑事弁護経験豊富な弁護士に依頼することで勾留決定を阻止することもできることがあります。

被害者との示談が重要

勾留されてしまった場合で、とくに被害者がいる犯罪の場合には、やはりその方との示談交渉が最重要となってきます。逮捕されてしまった場合、警察署にいなければならない日数について、被害者との示談状況は大きく影響を与える一要素になります。

また、勾留された場合には勾留満期で検察官の処分、不起訴か罰金刑かが決まりますので、不起訴を勝ち取るには示談は不可欠です。もっとも示談がとれたから必ず不起訴になるとは限りません。

しかし、被害者は未成年であることから、示談の相手方は基本的に18歳に満たない被害者のご両親となることが多く、なかなか加害者本人で話を進めるのは困難かと思われます(そもそも加害者本人には被害者側の個人情報は一切開示できないという場合も多いです。)。

参考:児童買春事件における示談の位置づけ—示談したから安心ではない!?

刑事弁護経験のある弁護士に相談

そこで、弁護士が加害者の刑事弁護人として代わりに示談交渉を行い、無事にまとまったことから早期の身柄解放につながったという事例は少なくありません。逮捕後の身柄拘束には10日間の勾留、勾留延長があって20日間のタイムリミット(この期間満了までに検察官が処分を下します)もありますので、なるべく早く刑事弁護経験豊富な弁護士、特に児童買春、児童ポルノの刑事弁護経験のある弁護士に依頼することをお勧めします。

示談交渉以外でも、逮捕されてしまった人にとって、弁護士をつけるメリットはあります。例えば、取り調べのアドバイスができるということ、検察官に対して不起訴に向けての意見書を提出できること、直接話をすることで不起訴に向けて(意見書提出以外に)どういう活動をすればいいのか、検察官から何等かの示唆を受けて実施することで不起訴を勝ち取れる可能性が上がること、などです。

4.必ず前科がついてしまうのか?

弁護士が被害者との示談をまとめ、被害者自身に前科前歴がなく、きちんと反省の弁を述べているような場合には、最終的な処分としても「不起訴」となり前科がつかないという可能性もあります。この面からも、示談交渉が重要だということがわかると思います。

ただし、事案の内容やその軽重によって、必ずしも示談ができたからと言って不起訴になるとは限らないことはご留意ください。

5.児童ポルノ規制法違反に関するご相談なら泉総合へ

当弁護士法人では、様々な性犯罪の刑事事件に取り組んでおります。非常に多くのケースで示談もいただき不起訴処分を勝ち取っていますので、万が一事件を起こしてしまった場合にはご相談ください。相談は無料となっております。

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