万引きしたらどのような罪に問われる?万引きの実態と刑罰。

窃盗・万引き

万引きをしたらどうなるか2

万引きは突発的に行うことが容易で、罪悪感も低いため、発生件数もかなり多いのが実態です。

万引きは窃盗の一種ですが、住居や建造物(事務所など人が居住していない建物)に侵入して金銭など金目のものを盗る窃盗犯と比べると、同じ窃盗でも悪質度は一般的に軽いとされています。そのため、万引きの罪悪感があまりないことと、スーパーやコンビニなどで万引きをやろうと思えば簡単に行えてしまうため、かなりの発生件数になりますし、当弁護士法人にご依頼の万引き事件の件数もかなり多いといえます。

1.万引きしたら、警察は前科・前歴を調べる

スーパーなど大規模商業施設では私服の警備員が巡回しており、怪しい素振りの人がいれば観察し、例えば商品を持ってきた袋などに入れて代金を支払わずにレジを過ぎた段階(お金を払わずにレジを過ぎた段階で万引きが成立します)で警備員がその方に声をかけて事務室に同行してもらいます。そこで商品の確認と代金の未払いを確認して警察に通報することになります。

警察官がスーパーに駆け付けると、通常はパトカーで警察署まで連行して、警察署で事情聴取を行うとともに、犯罪歴のデータベースで過去に万引きなどの前歴や前科がないか調べます。前歴とは検挙されて検察官に送検されたが不起訴になるなどした経歴で、前科とは犯罪を行い罰金刑も含めて刑罰(執行猶予も含め)を受けたことを言います。

2.微罪処分なら最速で終結

前歴や前科がなく万引き額が少額であれば、警察官が同行して万引きしたスーパーに出向き、万引きした商品を買い取る形にして代金を払わせ(いわゆる買い取り)、警察の判断で微罪処分(検察庁に事件を送致せず警察段階で事件を終結)とすることもあります。その場合には前科はつきませんが、前歴として残ります。

3.検察からの呼び出し後、示談なしの場合は“罰金刑”

警察は万引き額が少額でも微罪処分で終わらせず、供述調書を作成して検察庁に送致することもあります。微罪処分にするかどうかは警察の裁量にゆだねられているといっていいと思います。万引き額が結構な金額の場合や、少額でも手口が悪質な場合には、通常検察庁に送致されるとお考えください。

検察庁に送致された場合には、万引きした店舗と示談ができていれば不起訴になります。示談できなければ多くは罰金刑になります。もっとも、示談するには弁護士に刑事弁護を依頼する必要があります。

4.不起訴を目指すなら弁護士へ

被害店舗の責任者が万引きした方と会うことは基本的にありませんが、弁護士であればとりあえず話は聞いてみようということはあります。ただし(比較の次元が違いますが)痴漢の件での示談と比べると、示談できる可能性はスーパーの方針などからあまり大きくはありません。

しかし、示談への対応はスーパーによって違いますので、示談を試みる価値は十分あると考えています。

なお、初犯で万引き額も少なく買い取りをした場合には不起訴になることもありますが、確実に不起訴にすることをお考えならば弁護士に依頼して示談を取り付けることをお勧めします。仮に弁護士が示談を取り付けることができなくとも、泉総合では意見書を提出するなどして、不起訴を勝ち取ることを目指した弁護活動を行います。

5.コンビニでの万引きの示談は難しいか?

万引きをしたらどうなるか2

以前は、コンビニでの万引きは示談していただけないのが通常と言われていました。しかし最近では、当弁護士法人が受けた案件では難しいかと思えた件でも、示談いただけるケースが多々あります。コンビニはフランチャイズと直営店とに分かれ、直営店であれば示談は厳しいのですが、フランチャイズでは以前と比べると示談していただけることが多くなったように思います。

6.万引きの2回目、3回目の再犯者は病気の可能性も

万引きは1回でも行い発覚すれば警察で取り調べを受けますので、通常はそれで万引きをすることをやめる方が大半かと思います。しかし、一部の方は検挙されても繰り返す方がいらっしゃいます。

金銭に困って万引きをしてしまう方もいますが、多くの場合は自分の衝動を抑えることができない方が繰り返し万引きをしてしまいます。医学ではクレプトマニアと言われています。

7.常習者は起訴されて正式裁判になるか?

警察、検察は、万引きの場合軽微な犯罪ということもあり、できるだけ刑罰を避けようと考えてくれると受け止めております。

しかし、2回、3回と繰り返すと、警察、検察の対応は回数が増すにつれて当然厳しいものになります。初回は微罪処分や不起訴処分にしても、2回目、3回目は罰金刑を科します。

ただし、弁護士に刑事弁護を依頼して示談が取り付けられれば不起訴となります。もっとも、先ほど述べたように、不起訴処分のための示談活動は痴漢の場合と比べるとハードルが高いのが通常です。

2回目、3回目が罰金刑となると、4回目からはたとえ100円の万引きでも正式裁判は十分あり得ます。正式裁判になれば3年以上の執行猶予はつきますが、懲役1年といった、万引き内容と比較すれば重い刑が裁判所から宣告されます。

8.クレプトマニアが執行猶予中に逮捕!実刑を回避することは難しいか?

ここで万引きした方が自制して万引きを完全に止められればいいのですが、クレプトマニアの方は万引きを自制できず執行猶予期間中に万引きをしてしまうことが少なくありません。

そうなると、検察官は正式裁判で万引きについてわずかな金額でも前回よりも重い懲役刑を求めるのが通常です。前回の判決にもかかわらずまた万引きを行ったということで反省していないとの理由からです。

判決は、執行猶予中に犯罪を起こし起訴された場合には特別の理由がない限り再度の執行猶予を付けられないとの法律の定めがありますので、実刑判決となり、かつ前回の執行猶予付き懲役判決については執行猶予取消しとなり、前回の懲役刑と今回の懲役刑と合わせて刑務所に服役することになります。

8-1.クレプトマニアで再度の執行猶予判決を勝ち取れない?

クレプトマニアの専門病院やクリニックがあり、そこで診断してもらってクレプトマニアの診断書を証拠として提出することが弁護活動として考えられます。

しかし、それだけでは再度の執行猶予判決は難しいと考えています。クレプトマニア専門で入院治療を行っている病院に3か月(その専門病院が必要と考えている入院期間です)入院するとともに、家族が一体となって万引きした方の再犯を防止する体制を整えるなどすることで、再度の執行猶予判決を得る可能性はあると思います。

もっとも、クレプトマニアは病院に入院したから完治するものではなく、あくまで回復を目指すための入院ですので(その病院の見解です)、いつ再発するかもしれない点で深刻なものです。

8-2.クレプトマニアを理由に再度の執行猶予判決はある?

現に裁判例を調べますと、調べた限りでは2件ほどクレプトマニアの事案で再度の執行猶予判決を下した例があります。しかし、その2件の裁判例の証拠を見ることができないので、判決文だけで安易に再度の執行猶予判決をとれると申し上げることはいかがなものかと考えております。

現に当所弁護士がクレプトマニアの事例と思われる方の執行猶予中の万引きの裁判で、裁判期日を延期してもらいクレプトマニア専門病院にて3か月間治療をし、意見書も証拠として提出して再度の執行猶予判決を目指した事案がありますが、裁判所は再度の執行猶予を認めず実刑判決を下しました。

当所にもご依頼が今年(平成29年)で2件ほど、執行猶予中に万引きをしてしまい起訴された方がご家族とご相談に来ましたが、クレプトマニア専門病院での3か月の入院をする時間的余裕がないことから、どんなに頑張っても国選弁護人の方と結論は変わらないと判断して刑事弁護依頼を辞退いたしました。

9.万引きして逮捕されることはありますか?

万引きをしたらどうなるか3

万引きは窃盗といえども軽い方ですので、通常は任意の取り調べで終わり逮捕されることはありません。しかし、万引きを否認した場合や万引きの手口が悪質な場合、共犯者がいると疑われた場合は逮捕される場合があります。

逮捕された場合には、通常10日間の勾留がされる可能性がありますので、いずれにせよ弁護士に刑事弁護を依頼される考えならば早急に刑事弁護を依頼して、逮捕に続く勾留請求、勾留決定がなされないようにする弁護活動をしてもらうことをお勧めします。

当所は万引きで逮捕された時点で刑事弁護を依頼され、検察官に意見書などを提出して働きかけたことで勾留請求されずに釈放となったこともあります。

10.万引きの余罪は追求されますか?

万引きは通常その回1回だけということはないと思っています。他の犯罪も同じですが、最初のころは発覚しないように周囲に注意して慎重に万引きするものです。回数を重ねるにつれて手口が大胆になり、また、私服警備員に怪しいと疑われてマークされて発覚検挙されますから、検挙までは多数万引きしています。

しかし、立件されるのは現行犯で検挙されたその回だけとなります。

11.万引きが発覚して逃走したらどうなりますか?

万引きが発覚して逃げたら通常私服警備員や店員が追跡しますので、逃げきれないと思われます。警備員や店員につかまりそうになって手で払うなど暴力を振るった場合には、事後強盗罪という重大犯罪になります。

逃げきれても防犯カメラなどありますし、車でスーパーに来た場合には警察の捜査力からすればいずれ身元は判明しますので、逃走することは当然ながらお勧めしません。

12.万引きで裁判員裁判?

さらに警備員や店員に暴力を振るいけがをさせた場合には、事後強盗致傷罪という事後強盗よりも重大な罪になります。

理屈では、事後強盗致傷罪は裁判員裁判の対象となりますが、万引きに絡む事後強盗罪では通常検察官は裁判員裁判になじまないとの考えから、窃盗罪と傷害罪(暴行罪)として起訴するのが通常です。

もっとも、万引きの犯行態様やケガの程度が重い場合には、事後強盗致傷罪として裁判員裁判になることも少なからずあります。

13.万引きをしてしまったら泉総合までご相談を

以上のように、万引きをしてしまい示談をしたい方や、示談できずとも不起訴を目指す方は、一刻も早く弁護士に相談する必要があります。

泉総合法律事務所では、万引き事件の被疑者の弁護活動も行なっております。前科をつけないためにも、当弁護士事務所の無料相談をご利用ください。

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