被害届を出されても示談で取り下げてもらうことはできるのか?

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被害届を出されても示談で取り下げてもらうことはできるのか?

被害者の存在する犯罪(例えば、窃盗罪、傷害罪、強制わいせつ罪、盗撮、痴漢等)の場合、基本的に警察は被害者からの被害届の提出を受けてから捜査を開始します。

被害者から警察に被害届が出されてしまった場合、それを取り下げてもらうにはどうすればよいのでしょうか?

ここでは、被害届についての基礎的な知識と、不起訴のために被害届を取り下げてもらう手段について解説します。

1.被害届が出される→警察の捜査が開始

犯罪の被害を受けた者から被害届が警察に提出され、それが受理されると、警察はその犯罪の捜査を開始します。

逆に言うと、重大犯罪(例えば、殺人罪、強盗罪、強姦罪等)は除くとして、被害者から被害届が出ていない場合、警察としては犯罪の捜査をしないことが多いといえます。

例えば、コンビニエンスストアでの万引きの事案で、店長が警察には通報したが、被害品の買い取りが行われたため警察官によるお説教だけで終わったような場合などは、店長が警察に対して万引きの被害届を出さなかったため、警察もそれ以上の捜査をしなかったケースといえます。

他方で、被害者の存在しない犯罪というのもあります。薬物関係の犯罪などがこれにあたります。これらは社会公共に対する犯罪とされ、個人の被害者は存在しません。このような犯罪類型の場合、そもそも被害者がいないわけですから、警察としては、当然、事件が発覚した段階で捜査を開始します。

というわけで、警察に被害届が出されると、警察による犯罪の捜査が開始されます。そして、捜査が開始され被疑者が特定されると、ほとんどの場合どこかのタイミングで警察から検察へと事件が送致され(いわゆる「送検」です)、最終的には検察官による刑事処分が下ります。

2.逮捕されるとどうなるのか?前科がつく?

警察は、被疑者に逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合、被疑者を逮捕し、その後48時間以内に検察庁に送致し、検察官と裁判官の判断で10日間(さらに延長があると20日間)勾留されることになります。

長期間勾留されるとなると、被疑者の会社の解雇など、被疑者及びその家族に様々な重大な影響を及ぼすため、逮捕後はただちに弁護士に刑事弁護を依頼して10日間の勾留とならないように検察官・裁判官に働きかけてもらう必要があります。

結果、釈放されたとしても不起訴を意味するわけではなく、その後弁護士に被害者との示談交渉をしてもらい示談を取り付ける必要があります。被疑者が釈放されずそのまま勾留された場合でも、弁護士が早期に被害者から示談を取り付けることで、検察官が勾留取消として釈放されることが多いです。

もっとも、これで終わるわけではなく、それから検察官の処分が出されることになります。

被害届が出されても逮捕されない場合(在宅事件)には、解雇などの重大な影響はありませんが、そのまま何もしなければ罰金刑もしくは起訴となり正式裁判となってしまい、前科がつくことになります。その意味では、刑事事件を起こしてしまったら、早急に刑事弁護経験豊富な弁護士に刑事弁護を依頼して、被害者の方と示談をするなどして被害者からの被害届の提出を防ぐ必要があります。

被害届の提出を防げれば、通常、それ以上警察の捜査は行われませんので逮捕されることもありませんし、刑事処分を受けて前科がつくのを回避できます。

3.被害届と刑事告訴の違い

「被害届」と「刑事告訴」は、どちらも被害者が被害を訴えることですが、具体的にどのような点が異なるのでしょうか。

まず、刑事告訴とは、犯罪の被害者などが警察や検察などの捜査機関に対して犯罪事実を申告し、加害者の処罰を求める意思表示のことを言います。

そして、被害届とは、被害者が捜査機関に対して犯罪事実の申告をすることであり、加害者の処罰を求めることまでは含みません。

つまり、両者は加害者の処罰を求める意思表示があるかないかで区別され、加害者の処罰を求める意思表示のあるものが刑事告訴で、それがないものが被害届となります。

刑事告訴がなされているかどうかで問題になってくるのが、親告罪といわれる犯罪類型の場合です。

親告罪とは、刑事告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪類型のことをいいます。親告罪にあたる犯罪には、名誉棄損罪や親族間の窃盗罪などがあります。これらの犯罪の場合、被害者からの刑事告訴がなければ、検察官は起訴できません。

なお、今までは親告罪であった強姦罪や強制わいせつ罪は、平成29年の刑法改正によって親告罪ではなくなりましたので注意が必要です。今後、これらの犯罪については、被害者などからの刑事告訴がなくても、検察官は起訴できることになったのです。

また、今回の刑法改正で、今までは「強姦罪」と呼ばれていたものが、「強制性交等罪」という名称に変わりました。これにより、今までの「強姦罪」では被害者が女性に限定されていましたが、改正後の「強制性交等罪」では被害者に男性も含まれることとなりました。

4.被害届は取り下げてもらえるのか?その方法は?

被害者から警察に被害届が出されてしまった場合、それを取り下げてもらうにはどうすればよいのでしょうか?

結論から言えば、被害者に被害届を取り下げてもらうには、弁護士などを付けて被害者側と示談をして相応の示談金を支払う必要があります。それ以外に、既に提出されている被害届を取り下げてもらう方法はありません。

もちろん、示談をしたからといって、100パーセント被害届が取り下げられるわけではありませんが、通常は、示談をして被害者側に相応の示談金を支払えば、被害者も被害届を取り下げてくれます。被害届が取り下げられれば、検察官による刑事処分も、前科があるなどの事情がなければ通常不起訴になります。

しかし、先ほど申し上げた通り、被害届が取り下げされたとしても刑事事件自体がなくなるわけではありません。

このような観点からも、刑事事件を起こしてしまったら、刑事弁護経験豊富な弁護士に依頼して被害者側と早期に示談をすることが、いかに重要性であるかがわかると思います。

泉総合法律事務所には、刑事弁護経験が豊富で示談交渉に強い弁護士が多数在籍しております。逮捕されて前科がついてしまう前に、お早めにご相談ください(初回相談料は無料です)。

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