任意同行は拒否できない?逮捕される?気になる対処方法を解説!

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任意同行

警察官に警察署まで来てほしいと任意同行を求められた場合、これを拒否しても良いのでしょうか。また、任意同行には、応じない方がよいのでしょうか。

1.任意同行とは?

任意同行とは、逮捕という強制的な手段ではなく、自分の意思で警察官の要請に応じて、警察官とともに警察署等に赴くことをいいます。

任意である以上、法律上、これを拒否することができるのですが、ここでは拒否をした方がよいのかどうかについて説明していきます。

2.警察からの任意同行を拒否すると逮捕されるのか

任意同行を求められるパターンとしては、すでに警察の捜査が進んでいて、証拠収集も終わり犯罪の嫌疑をかけられている方のもとに、警察官が自宅などに訪れて警察署への同行を求める場合があります。任意同行はあくまで強制ではないため、これを断ることはできます(刑事訴訟法第198条1項但書)。

しかし、すでに犯罪の嫌疑がかけられている場合に、任意同行を拒否したことで、強制的な手段である逮捕をされてしまう可能性を考えなくてはなりません。

法律上、警察が裁判官に逮捕状の発付を求めるためには、逮捕の必要性があることを示さなくてはならず、裁判官が明らかに逮捕をする必要性がないと考える場合は、逮捕状は発付されないことになっています(刑事訴訟規則第143条、同条の3)。

逮捕の必要があるか否かは、具体的には、証拠隠滅や逃亡をするおそれがあるかを中心に考えられます。なお、ここで証拠を隠滅させる行為とは、証拠である物を処分することのみではなく、共犯者との口裏合わせ、虚偽の目撃者の作出や被害者への脅迫など、自身に都合のよい供述をするように働きかけるという、人を証拠とするものも含みます。

そして、警察としては、任意同行を拒否したという事実を、証拠隠滅や逃亡をする意思や可能性があるという理由付けに用いるおそれがあります。したがって、ただ闇雲に任意同行を拒否することは、逮捕を避けるという観点からはお勧めできません。

逮捕されれば、2日間警察の留置場に留置されるだけでなく、証拠隠滅や逃亡の恐れがあるとみなされてその後の検察官の取り調べで10日間裁判所に勾留請求され、裁判所は勾留請求を受けて被疑者に勾留質問して勾留の必要性などを審理します。そして、任意同行を拒んだということになれば10日間の勾留決定となる可能性が極めて高くなります。

3.任意同行に応じ、取り調べを受ける場合に気を付けるべきこと

一方で、何も考えずに任意同行に応じてしまうことも、取り返しのつかない事態を生じさせかねません。

任意同行に応じた後は、警察署で取り調べがなされます。その際に、供述調書という、あなたが警察官に説明した内容を警察官がまとめた書面が作成されることがあります。

後々刑事裁判になったときに、この供述調書はあなたに不利に用いられます。自分の記憶どおりに喋ったことでも、供述調書にまとめられたときにニュアンスが変わってしまったということや、後で落ち着いて考えてみると記憶違いを起こしているということは、多々あります。

いきなり警察官が自宅に訪れてきて、警察署まで来てほしいと任意同行を求められ、そのまま取り調べが行われてしまえば、事実を正しく説明することは難しいでしょう。刑事裁判になり、警察署で作られた供述調書から裁判で言っていることが違ってしまうと、自身の言い分が信用されないということになってしまいます。

このような事態を避けるためにも、刑事事件に関与した心当たりがある場合には、警察からの任意同行の求め、取り調べに対してどのように対応すべきかを事前に弁護士と相談しておく必要があります。

例えば、任意同行には応じるが、弁護士の同行も求めたり(もっとも、弁護士は欧米と異なり取り調べに同席することはできません)、取り調べに応じて話はするが供述調書の作成は拒否したり、供述調書の作成には応じても問題となる核心部分の供述は弁護士と相談の上作成に応じると回答するなどの手段も考えられます。このような対応であれば証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれありとはみなされることはありません。

刑事事件はその方の一生にかかわりますので、刑事事件に関与した覚えがある方は弁護士に早めに刑事弁護を依頼し、きたるべき時に備えて警察などの捜査への対応対策を講じることをお勧めします。

4.職務質問後に任意同行を求められても拒否は可能

以上のような、元々犯罪の嫌疑がある者の任意同行ではなく、職務質問に続いて、任意同行を求められることもあります。

もちろん、「任意」同行なので、警察官が強制的に警察署等に連れていくことは許されないことは、法律上、明確に記載されています(警察官職務執行法第2条3項)。もっとも、職務質問やその後の任意同行を拒否しても、実際は、多数の警察官に周囲を囲まれるなどして、自由に立ち去れない場合があるのも事実です。

どうしても任意同行を拒否する積極的な理由がある場合、弁護士を呼び、同行には応じない旨明確に拒否するということが考えられます。最近の裁判例として、「明確に捜査への協力を拒否し、その場から立ち去る言動を取っていたことに加え、法律専門家である弁護士が、警察官に対して、令状がない以上、その場にとどまる理由がない旨明確に述べ」たにもかかわらず、警察官が移動を阻止するために、任意同行を求めた相手をつかむなどした事件に関して、任意の限界を超えた違法なものと判断しています(東京高裁平成27年10月8日判決・判例タイムズ1424号168頁)。

また、職務質問の際に身体検査や所持品検査を求められることがありますが、これも任意捜査ですので拒否することができます。検査を拒否したからと言って任意同行のように逮捕されることはありません。

ただし、所持品検査を拒む過程で警察官に暴力を振るうなどして拒んだ場合には、公務執行妨害罪で現行犯逮捕されることはありますので、その点は十分留意してください。

5.任意同行を求められたら弁護士へ依頼するのが得策です

以上より、任意同行を求められた場合、事前に弁護士に刑事弁護を依頼したうえで弁護士と適切な手段を検討して、可能な限り逮捕や不利な供述証拠が作成されることを避けることが重要となります。

警察から任意同行を求められる可能性がある場合には、事前に、早めに刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所にご相談ください。

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