警察による取り調べの対応策!弁護士がアドバイスします

逮捕

弁護士がアドバイスします!警察の取り調べへの対応策

警察による「取り調べ」という言葉は、誰もが聞いたことがあると思います。しかし、実際の取り調べは、刑事ドラマなどで得たイメージとは往々にして異なります。

そこで、以下では警察の取り調べについて簡単に解説した後、もしも取り調べを受ける立場になってしまった場合の対応についても解説していきます。

1.取り調べ

(1) 取り調べとは

取り調べとは、警察(または検察)が、被疑者に対して出頭を求めた上、事件の内容について聴取することです。
取り調べは基本的には、余計な物のおかれていない取り調べ室で行われます。なお、逮捕後であっても、取り調べ中手錠は外されます。

取り調べの時間は、事件の内容や被疑者の対応によっても異なります。
単純な事件であり、被疑者が自白しているような場合であれば、1回あたり1〜2時間で済むケースが多いです。

ちなみに、海外のドラマではよく見かけますが、日本では取り調べに弁護士が立会いすることはできません。

そして、取り調べでは、被疑者が話した内容を捜査官がまとめ、調書の形にして証拠化することになります(常にではありません)。

(2) 取り調べは拒否できるか

結論から言えば、逮捕前であれば取り調べは拒否できます(「任意の取り調べ」と言われています)。なので、取り敢えず一度拒否してから、弁護士に相談した上で取り調べに応じるということも可能です。

また、逮捕前の被疑者であると、あらかじめ警察や検察から呼び出しがあり、事前に日時を調整してくれることも少なくありません。

ただし、取り調べにまったく応じないことをもって、罪証隠滅のおそれや逃走のおそれがありとして逮捕状を請求されるリスクもないではありません。

①逮捕後の取り調べは拒否できない

しかし、逮捕後では状況が一転します。実務上、逮捕後の被疑者は取り調べを拒否できない運用になっています(取調受忍義務)。

そのため、勾留施設から取り調べ室まで連れていかれ、取り調べを受けることまでは受忍せざるを得ないのが現状です。

(3) 問題のある取り調べ

現在では、被疑者の人権への配慮、聴取方法によっては証言をゆがめるおそれがあることについて認知され始めました。取り調べの可視化も進んでいるため、以前と比べれば、自白の強要などといった「問題のある取り調べ」が減ってきているといわれています。

しかし、依然として問題のある取り調べは存在します。つい最近も、未成年者を脅迫するような取り調べが行われていたとの報道がありました。

また、泉総合法律事務所の取り扱い事件の中にも、問題のある取り調べが行われていた例があります。

暴行脅迫になるようなレベルでなくとも、「お前がやったに決まっている」、「認めないと帰さない」、「証拠はそろっている」など様々な手を使って自白を迫ってくるケースは存在します。他にも、弁護士との信頼関係を割くような発言をして、切り崩しを狙ってくることもあります。

特に否認事件においては、被疑者を精神的に追い詰め、自白を迫る取り調べがされるおそれを考慮しなくてはなりません。

そして、自白をして調書化されてしまえば、たとえ虚偽だったとしても、覆すのは簡単ではありません。

2.取り調べの対応策

(1) 被疑者の権利行使

まずは、被疑者の権利を理解しておくべきだと思います。

被疑者には黙秘権がありますので、答えたくない質問には答えなくて構いません。調書を作成する際に、自分の言っていないこと、ニュアンスとして間違っていることがあれば訂正してもらえます。

また、調書を作成する際に署名押印を求められますが、調書に問題があると思えば、これを断って構いません。

もっとも、実際には、黙秘権を行使するといっても、捜査官は何度も同じことを聞いてくるため、耐えるのはかなり苦痛です。また、調書作成時に、訂正の要求にまともに取り合ってくれないこともあります。

(2) 証拠の保全

問題のある取り調べについては、証拠を保全することも重要です。逮捕勾留後であれば、被疑者ノートを差し入れ、被疑者本人に取り調べ状況を記録してもらいます。そして、必要であれば公証役場にて確定日付をとり、証拠を保全します。

また、暴行があったようなケースでは、接見室にて暴行箇所を写真撮影することもあります。こういった保全活動自体が違法な取り調べへの牽制にもなります。

(3) 苦情の申し入れ

刑事訴訟法や犯罪捜査規範に違反する取り調べが行われた場合は、問題になっている警察署に直接文書で抗議する、または、苦情申出制度(警察法79条)を使い、都道府県公安委員会へ苦情を申し出ることもあります。

3.まずは弁護士と相談することが先決

逮捕前後を問わず、まずは弁護士に相談することが取り調べを乗り切る上で大切です。

逮捕前でこれから任意の取り調べが待ち構えているというのであれば、事前に弁護士と相談し、どの範囲で話すか、罪を認めるか、適切な対応ができるようになります。

任意の取り調べの後に相談に来られた方の中には、取り調べで話した内容が今後に影響するのではないか不安を募らせる方や、咄嗟に不合理な否認をしたことで後の示談交渉に悪影響を与えてしまったような方もいます。否認でも自白でも、今後の流れを見据えた上で取り調べに臨むためにも、事前に弁護士に相談しておくことに意味があります。

逮捕後も同様です。特に逮捕・勾留後は、社会と切り離される(特に接見禁止が付くと家族にすら会えなくなることもあります)ことにより、精神的な負荷は大きなものとなります。

こういった状況下で、虚偽の自白をしてしまうケースは多く報告されていますが、弁護士が支えながら、適切なアドバイスをすることで、望まぬ供述をすることを避けることもできます。

取り調べに臨まれる前に、できる限り早く刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所にご相談ください。

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