万引きで逮捕されたらどのような刑罰になる?示談交渉は有効か

財産事件

万引きで逮捕されたらどのような刑罰になる?示談交渉は有効か

万引きは突発的に行うことが容易な犯罪で、被疑者の罪悪感も低い場合が多いため、発生件数もかなり多いのが実態です。

万引きは窃盗の一種ですが、住居や建造物(事務所など人が居住していない建物)に侵入して金銭など金目のものを盗る窃盗犯と比べると、同じ窃盗でも悪質度は一般的に軽いとされています。

ここでは、そのような年間多数発生している万引きを行った場合、どのような罪に問われるのか、逮捕・起訴を免れるためにはどんな弁護活動が必要になるのかを解説して行きます。

1.万引き発覚の流れ

スーパーなど大規模商業施設では、私服の警備員が巡回していることがあります。怪しい素振りをする人物がいれば観察し、代金を支払わずにレジを過ぎた段階(この段階で万引きが成立します)で警備員がその方に声をかけて、事務室に同行してもらいます。

そこで、万引き商品と代金の未払いを確認して、警察に通報することになります。

警察官がスーパーに駆け付けると、通常はパトカーで警察署まで連行して、警察署で事情聴取を行うとともに、犯罪歴のデータベースで過去に万引きなどの前歴や前科がないか調べます。

前歴とは、検挙されて検察官に送検されたが不起訴となった経歴です。一方前科とは、犯罪を行い罰金刑も含めて刑罰(執行猶予を含む)を受けたことをいいます。

万引きの場合、通常は任意の取り調べで終わり逮捕されることはありません。しかし、万引きを否認した場合や万引きの手口が悪質な場合、共犯者がいると疑われた場合はそのまま現行犯逮捕されることがあります。

逮捕された場合には、通常10日間の勾留がされる可能性があります。いずれにせよ弁護士に刑事弁護を依頼される考えならば早急に刑事弁護を依頼して、逮捕に続く勾留請求、勾留決定がなされないようにする弁護活動をしてもらうことをお勧めします。

(1) 微罪処分となる場合

前歴や前科がなく、万引き額が少額であれば、警察官が同行して万引きしたスーパーに出向き、万引きした商品を買い取る形にして代金を払わせ(いわゆる買い取り)、警察の判断で微罪処分(検察庁に事件を送致せず警察段階で事件を終結)とすることもあります。

この場合には前科はつきませんが、前歴として残ります。

(2) 罰金刑となる場合

警察は、万引き額が少額でも微罪処分で終わらせず、供述調書を作成して検察庁に送致することもあります。万引き額が大きい場合や、少額でも手口が悪質な場合には、通常検察庁に送致されるとお考えください。

検察庁に送致された場合でも、万引きした店舗と示談ができていれば不起訴になります。示談できなければ多くは罰金刑になります。

もっとも、示談を成立させるには、弁護士に刑事弁護を依頼する必要があります。

(3) 逃走した場合

万引きが発覚して逃走した場合でも、通常は私服警備員や店員が追跡しますので、逃げきれないことが多いです。

もし、警備員や店員に捕まりそうになって、手で払うなど暴力を振るった場合には、事後強盗罪という重大犯罪になります。

例えば逃げきれても防犯カメラなどがありますし、車でスーパーに来ていた場合には、警察の捜査力でいずれ身元は判明し、後日逮捕されます。逃走することは当然ながらお勧めしません。

【参考】判例から見る事後強盗罪について。窃盗罪・強盗罪との違いとは?

2.不起訴のための弁護活動(示談交渉)

被害店舗の責任者が万引きした方と会うことは基本的にありませんが「弁護士であればとりあえず話は聞いてみよう」ということはあります。

万引きの被害店舗と示談できる可能性はあまり大きいとは言えませんが、示談への対応はスーパーによって違いますので、示談交渉を試みる価値は十分にあります。

なお、初犯で万引き額も少なく、買い取りをした場合には不起訴になることもありますが、確実に不起訴にすることをお考えならば、弁護士に依頼して示談を取り付けることをお勧めします。

仮に弁護士が示談を取り付けることができなくとも、泉総合法律事務所では意見書を提出するなどして不起訴を勝ち取ることを目指した弁護活動を行います。

3.再犯者への対応

万引きは、発覚すれば警察で取り調べを受けますので、通常はそれで万引きをやめる方が大半です。しかし、時たまに検挙されても万引きを繰り返してしまう方がいらっしゃいます。

このような場合、金銭に困って万引きをしてしまう方もいますが、多くの方は自分の衝動を抑えることができず、心理的要因から繰り返し万引きをしてしまいます。これは、医学上「クレプトマニア」と言われています。

クレプトマア(窃盗癖)について、詳しくは以下のコラムをご参照ください。

【参考】万引きの再犯原因は精神障害?クレプトマニア(窃盗癖)の特徴

(1) 万引き常習者の刑罰

警察・検察は、万引きの場合(比較的軽微な犯罪ということもあり)できるだけ刑罰を避けようと考えてくれると、泉総合法律事務所の弁護士は受け止めております。

しかし、2回、3回と万引きを繰り返すと、警察・検察の対応は当然厳しいものになります。初回は微罪処分や不起訴処分にしても、2回目、3回目は罰金刑を科します。

2回目、3回目が罰金刑ならば、4回目からはたとえ100円の万引きでも正式裁判になる可能性が十分あり得ます。

正式裁判になれば、3年以上の執行猶予はつきますが、懲役1年といった実刑判決が裁判所から宣告されます。

(2) 執行猶予中の再犯

先述の通り、特にクレプトマニアの方は万引きを自制できず、執行猶予期間中に万引きをしてしまうことが少なくありません。

そうなると、検察官は、正式裁判で(今回の万引き金額が僅かであっても)前回よりも重い懲役刑を求めるのが通常です。

執行猶予中に犯罪を起こし起訴された場合には、特別の理由がない限り再度の執行猶予を付けられないとの法律の定めがあります。よって、前回の執行猶予付き懲役判決については執行猶予取消しとなり、前回の懲役刑と今回の懲役刑と合わせた期間刑務所に服役することになります。

【参考】
禁錮・懲役・執行猶予とは?各判決の意味を解説します。
執行猶予中の生活について〜前科がつく?仕事は?パスポートは?〜

(3) 再発対策

クレプトマニアの方に対する弁護活動として、クレプトマニア専門の病院やクリニックがあり、そこで診断してもらってクレプトマニアの診断書を証拠として提出することが考えられます。

また、クレプトマニア専門で入院治療を行っている病院に入院するとともに、家族が一体となって万引きした方の再犯を防止する体制を整えるなどすることで、再度の執行猶予判決を得られる可能性はあります。

もっとも、クレプトマニアは病院に入院したからといっても完治するものではなく、あくまで回復を目指すための入院と病院は見解しているため、いつ再発するか分からないという点が深刻なものです。

4.万引きをしてしまったら泉総合法律事務所へ

以上のように、万引きをしてしまい示談をしたい方や、示談できずとも不起訴を目指す方は、一刻も早く弁護士に相談する必要があります。

泉総合法律事務所では、万引き事件の被疑者の弁護活動も行なっております。前科をつけないためにも、泉総合法律事務所の無料相談を是非ご利用ください。

万引きは突発的に行うことが容易で、罪悪感も低いため、発生件数もかなり多いのが実態です。

万引きは窃盗の一種ですが、住居や建造物(事務所など人が居住していない建物)に侵入して金銭など金目のものを盗る窃盗犯と比べると、同じ窃盗でも悪質度は一般的に軽いとされています。

そのため、万引きの罪悪感があまりないことと、スーパーやコンビニなどで万引きをやろうと思えば簡単に行えてしまうため、かなりの発生件数になりますし、当弁護士法人にご依頼の万引き事件の件数もかなり多いといえます。

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