前科や犯罪歴を自分で調べる方法は?家族・他人に知られたくない!

前科

前科や犯罪歴を自分で調べる方法は?家族・他人に知られたくない!

刑事事件を犯してしまい、検察官に起訴され、有罪判決が下されてしまった場合、その刑事被告人には「前科」がつくことになります。「前科者」といった言葉を耳にしたことのある方も少なくないのではないでしょうか。

ここでいう「前科」には、懲役や禁錮といった身体的拘束が伴う刑事罰のみならず、たとえ罰金刑であったとしても「前科」に含まれる結果になることに注意が必要です。

「前科」が付くと、生活にどのような影響があるのか、また、第三者がこれを調べることができるのか、を解説していきたいと思います。

1.前科と前歴の違いについて

(1) 逮捕後の流れ

逮捕され、身柄が拘束されれば

逮捕(3日以内)→勾留(原則最大20日)→起訴・不起訴の判断
逮捕(3日以内)→勾留されず→起訴・不起訴の判断

という流れになります。勾留の有無は大きな問題となりますが、どちらにせよ、起訴・不起訴の判断に至るまで、捜査は継続して行われることになります。

起訴された場合には、裁判が実施されることになり、裁判の場で有罪・無罪が決められる、ということになります。

(2) 前科

この流れを前提として、「前科」というのは、上記したように、刑事裁判で有罪判決を受けた場合を意味します。

また、仮に罰金刑や執行猶予付きの判決など、実際に身体が拘束されなかったとしても、「前科」がついてしまうことに変わりはありませんので注意が必要です。

(3) 前歴

これに対して「前歴」というのは、逮捕された場合に、原則的にその対象となった人に対してついてしまうものになります(もちろん、誤認逮捕であるような場合についてはこの限りではありません。)。

仮に、不起訴処分になったとしても、前歴は残ってしまうことになります。この点に注意が必要です。

2.前科の調べ方

前科が一般人において調べることができるか、というと、実はそんなことはありません。

前科はあくまで、何らかの犯罪が発生してしまった場合に、捜査資料として使用したり、被疑者の犯罪傾向や反省の程度を判断したりするための資料です。

このため、警察・検察のほか、本籍地の市区町村においては、データとしては保管されてはいるものの、本人であっても開示できないデータですし、ましてや第三者からの開示請求に応じるものでもありません。言ってみれば、最上級の個人情報(秘匿情報)として管理されているわけです。

そういった意味では、前科が第三者に対して明らかになってしまうことはほぼないといっても過言ではありません。

3.前科がついてしまうことの影響

上記したように、前科については第三者が調べることは原則としてできません。そのため、普通に生活をしている限り、大きな影響が出ることはない、ということになります。

(1) 普通の就職の場合

企業が、採用の際に、前科・前歴の提出を求めてくることもありますが、これに応じるかどうかは基本的にご本人の自由意思、ということになります。

もっとも、これを隠したとして、仮に何らかの犯罪(交通事故等やむを得ない場合も含む)をその方が犯してしまった場合に、前科・前歴の存在が明らかになってしまえば、それを隠したことは企業にとっては解雇事由になる可能性があることには注意が必要です(この場合であれば、申告した上での採用、となれば中々解雇事由にできない、ということになるでしょう。) 。

(2) 国家資格や国家公務員の場合

しかし、国家資格や国家公務員においては、前科・前歴の存在がその職務に相応しくないとして、当該職種に就くことが制限される場合があり得ます。これは、市区町村が持っているデータを基に判断されてしまうものなので、致し方がないということになるでしょう。

(3) 再犯の場合

また、何よりも前科・前歴の存在が影響するのは、仮に再犯を犯してしまった場合です。

たとえ、前科・前歴の事実とは関係のない犯罪を犯した場合であったとしても、前科・前歴があるのにまた犯罪を犯した、という事実だけで、その人の方に対する遵守意識が低いものとみなされてしまいます。

4.前科を避ける方法

前科を避ける方法

上記したように、逮捕・勾留されているだけの段階であれば、被疑者に前科はつきません。

前科はあくまで、刑事裁判手続にのっとって、有罪判決が下された被告人に対してつくものであるからです。

そうすると、そもそも①刑事裁判手続に乗らなかった場合(検察官が不起訴処分に当該被疑者を処した場合)、あるいは②刑事裁判手続において無罪判決を勝ち取った場合については前科が付かない、ということになります。

いずれにしても、前科がつくことを避けるためには、早期の弁護人の活動の開始が必要不可欠といえます。仮に身柄を拘束されてしまっている場合、起訴・不起訴の判断は通常20日以内に決定されてしまうため、その期間内に活動する必要があります。

(1) 弁護人の選任

仮に逮捕されて身柄が拘束されてしまった場合、被疑者の所在地の弁護士会から「当番弁護士」が派遣されることになっています。

当番弁護士制度は、初回接見を無料とする制度で、その後、被疑者国選対象事件(重大事件)であれば、基本的には国選弁護人が選任されることになります。

この場合、費用は(最終的に被疑者が負担することになったとしても)非常に格安に抑えられることにはなりますが、上記したように当番弁護士はあくまで弁護士会の要請に基づいて出動するものですので、被疑者の方から弁護人を選ぶことはできませんし、その弁護士が刑事弁護に強い、あるいは経験が豊富、というわけでもありません。

費用を負担すれば、私選弁護といって、被疑者やそのご家族の方などが知り合いの弁護士や刑事弁護に強い、経験の豊富な弁護士を弁護人とすることも可能です。

比較的軽微な事件(痴漢事件等)については、被疑者国選事件の対象事件ではありません。この場合に被疑者段階(起訴されていない段階)から弁護人の活動を要望する場合には、私選弁護人を立てるしかありません。

(2) 被害者との示談

実際に刑罰相当の犯罪を犯してしまっている場合、重要になってくるのは被害者との示談です。

検察官は、被疑者について起訴・不起訴の判断をする際に、被害者感情を非常に重視します。これが覚せい剤事件のように、被害者が存在しない事件であれば、考慮のしようがなく、弁護人として活動できるとすれば、反省文の提出や贖罪寄付といった程度のことになってしまうのですが、通常の犯罪の場合、刑事弁護活動としては被害者との示談交渉を行うことになります。

示談とはすなわち「被害者との合意」を意味します。この合意の締結(示談書の締結)を目指して、弁護人が活動していくことになります。

合意の内容としては、典型的なのは①示談金(解決金)の支払い、②(犯罪事実を被疑者が認めた上での)被害者による謝罪の受け入れ、③被害届(刑事告訴している場合は刑事告訴)の取下げ、といったものです。

被害者に発生している被害の程度によって示談金の相場は異なりますし、一般的に示談までの時間が短ければ短いほど、示談金は高額になる傾向にあります。この辺りは弁護士の交渉術の見せ所、ということになるでしょう。

そういった意味で、刑事弁護に強い、あるいは刑事弁護の経験が豊富な弁護士を選んで、弁護依頼をするべきなのです。

(3) 冤罪の場合

仮に当該被疑事実が冤罪である場合、これを無理に認めるべきではありません。こういった場合に示談するかどうかは非常に微妙な判断です。

①示談金(解決金名目)を支払う場合

被疑事実を認めはしないが、何らかのトラブルに被害者を巻き込んでしまった、という意味で、解決金名目のお金を支払い示談することも考えられますが、本来の刑事弁護の本質ではない、ということになります。

示談することができれば、検察官は多くの事件の場合、不起訴処分にすると考えられます(もちろん、凶悪犯罪は別です。)。

もっとも、冤罪を主張し続けたとしても、検察官が起訴相当として判断されれば、実際にはほとんどのケースで有罪になってしまいます。この辺りは、弁護人とよく話し合う必要があります。

②無罪主張を維持する場合

この場合、弁護人としては、現地調査・聞込み等により、検察官から開示されている証拠が不十分であることを主張していくことになります。

この場合は、被疑者・被告人の方と密に連絡を取り、信頼関係を構築するとともに、仮に検察官に起訴されてしまった場合については、早期の身柄の解放をめざして、保釈請求等を行っていくことになります。

そうして、無罪主張を勝ち取ることが出来れば、当該被告人については前科が付かない、ということになります。

いずれにしても、被告人や弁護人は、非常に微妙な判断を迫られることになります。刑事事件の経験豊富な弁護人の方が、どの選択肢が被告人にとってベストの選択肢になるのか、納得いく選択肢になるのかを判断できます。

5.前科を避けるなら泉総合法律事務所へ

上記したように、前科が付いてしまうことは、通常他の人に知られることはないにしても、様々な面で不利に働いてしまうことがあります。

刑事事件の場合、どういった解決方法がベストなのかを、限られた時間の中でしっかりと検討する必要があります。

また、被疑者・被告人の方としっかりと信頼関係を構築し、弁護活動を行う必要性があるため、弁護人の選任は慎重に行う必要があります。

泉総合法律事務所は、被疑者・被告人のためにどのような方法が最適なのかをしっかりと考え、釈放・不起訴を目指し全力でサポートいたします。刑事事件を犯してしまったら、お早めに刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所にご相談ください。

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