盗撮事件

カメラ機能付き携帯電話機の普及により近年とみに問題となっている類型ですが、具体的に何を撮影することが罪となるか明確にされていない場合が多いため、何気なく撮影したあとにそれが罪にならないか不安になったという相談も多いです。

平成20年11月10日最高裁決定

ズボンを着用した女性の臀部を気付かれないうちに撮影した行為が罪に問われた事例ですが、5分間にわたり同じ女性をつけ狙い11回も撮影した行為は誰が見ても下品でみだらな行為といえ、被害者が知ったら恥ずかしく不安に思うことは間違いなく、条例で禁止されている「卑わいな言動」であると最高裁判事の大多数は判断しました。

しかし、隠されている部分を覗き見るとか顔を近づけて見るのでもない以上、単に「臀部を見ること」自体は卑わいでないと考え、それをあとで繰り返すことができるようにするに過ぎない「写真を撮る行為」もまた卑わいとは言えないと判断した判事もおり、盗撮として処罰される限界を示した事例ともいえます。