Vol13. 上原 幹男 弁護士

泉総合法律事務所 上原 幹男 弁護士

事件がどのように展開するのかを常に予測しながら行動する必要があるため、とても難しいものです。
日々、最善手を打てるよう、自己研鑽をしています。

出身学校はどちらですか?

出身大学は、慶應義塾大学法学部法律学科です。大学院は東京大学法科大学院の出身です。

 

刑事事件の解決のため、心がけている・気をつけていることはありますか?

どの事件についても、最善手を打ち続けるよう気をつけています。

どのような事件でもそうですが、刑事事件は特に、相反する価値の中でなにを選択するかの問題に頻繁に直面します。

もっとも多いのは、事実を認めて示談するのか、事実を認めないで争うのか、という悩みです。

また、殺人や強盗などの法定刑の重い事件では、事実を認めている事件でも、黙秘することが有益ですが、黙秘すれば、被害者から見ると反省していないように思われて示談に応じてもらいにくくなります。

このような場面においては、依頼人の望みが何なのか、という観点からもっとも達成したいこと(たとえば、不起訴が欲しい、やっていないのだから絶対に認めたくない、被害者に申し訳ないので、自分はどうなってもいいから謝罪したい、など。)をはっきりさせ、そこに向かう上で最良の手を打つことが必要となります。

これはケースバイケースの判断が求められ、かつ、事件がどのように展開するのかを常に予測しながら行動する必要があるため、とても難しいものです。
日々、最善手を打てるよう、自己研鑽をしています。

 

(先生方から見た)泉総合としての刑事事件に対する対応の強みとは?

ある弁護士2人が相談していると、近くにいた弁護士が議論に参加して有益な知恵を授けてくれることも多々あります。

そして、泉総合法律事務所には、刑事弁護を専門に行なっている弁護士を中心に、経験豊富な弁護士が多数おり、また、検事をしていた弁護士も複数います。

これらの弁護士が気軽に相談できる環境があることで、弁護士一人で考えたり調査したりするのではなかなか到達できない結論に、早期に達することができます。

刑事事件は時間との勝負という側面があるため、このような環境は刑事弁護をする上でとても有益であると日々感じています。

 

印象に残っている刑事事件は?

たくさんの事件が印象に残っていますが、とあるオレオレ詐欺の受け子(被害者から実際にお金を受け取る、最も捕まる可能性の高い役割)の事案について申し上げます。
ご家族からの相談で契約し、接見に行きました。

被疑者は20代前半の大学生で、知人に誘われて詐欺だと確信はせずに受け子をしていて、同種余罪が複数ありました。これは典型的な事例で、実刑の可能性が多々ありました。

弁護上の力点は、示談ができるかと、本人がどれだけ反省を深められるかでした。

オレオレ詐欺の受け子の手元には、通常、示談金はありません。

本件も同様でしたが、ご家族は、本人が事態を甘くみると良くないということで、示談金を出してあげるかどうか迷っていました。

他方、被疑者は、まさか家族が私選弁護人をつけてくれるとは思わず、家族にとても感謝し、反省を深めるようになりました。

そして、この態度をご家族に伝えると、ご家族は示談金を出してあげることを決め、示談が成立しました。

また、幸運にも、起訴されたのは、示談ができた1件だけでした。

そして、裁判官には被告人(起訴された被疑者のこと)の反省を十分に聞いてもらい、ハラハラしながらも、執行猶予付判決を頂きました。

この事件を経て、被疑者とご家族はよく話し合い、協力し、結果として事件前よりも信頼関係が深まったように見えました。

私は、時折彼のことを思い出し、元気に更生しているといいなと思っています。

 

最後に、弁護士へ相談しようか迷っている人にメッセージをお願いします。

早めに弁護士に相談した方が良い理由を3つあげます。

①時間との勝負
刑事事件は時間との勝負だとよく言われます。たとえば、起訴される前に示談が成立すれば不起訴になる可能性がありますが、起訴された後に示談ができても不起訴になることはありません。また、起訴される直前にご相談をいただいても、弁護人がついたからといって検察官が起訴を待ってくれるとは限りません。
ご相談は早ければ早いほど良いです。

②専門家を利用するべき
ご自身や知人に相談して行動することは、事態を悪化させかねません。インターネット上には刑事事件についてさまざまな情報が書かれており、また、自称事情通という人がいます。しかし、これらの情報は、不十分であったり、不正確です。私の依頼人にも、これらの情報源から自分で考えて行動し、かえって悪い状況を生み出してしまっている方がいます。
刑事事件は極めて専門的な分野ですので、専門家に相談するべきです。

③依頼人の心理的負担の軽減
依頼人の悩みの多くは、刑事事件についての専門的知識がないために「分からない」ことに起因しています。そのため、弁護士に相談することで、少しでも「分からない」を減らせれば、依頼人の気持ちはとても楽になります。
また、一度相談すれば弁護士に相談しやすくなり、「分からないときには相談すればいい」と思えるようになることも、とても気持ちを楽にしてくれます。

このような心理的負担の軽減も、弁護士に相談することの重要な効果だと考えています。