強盗事件

重大な犯罪類型ですが、傷害、性犯罪など別の犯罪を行ったあとになって「ついでに」行われることもままあり、その場合には物を取ろうとした時点以降に新たにそのための暴行・脅迫があったかということが争われることになります。

平成24年9月28日宮崎地方裁判所判決

女性を監禁して縛り上げ、わいせつ行為に及ぼうとしたところで突然その気が失せ、財布の中のお金を取って立ち去った事案。被害者に新たに暴行が加えられることがなくとも、先に自分がした暴行の結果が残っている状態が維持されていた以上、それを利用してお金を取ったことは強盗と同視されるとする。

平成21年7月10日高松地方裁判所判決

名札を奪い取られた被害者の男児は、その時点で縛られるなどしておらず、体の自由こそあったものの、直前までナイフを見せつけられ、「言うとおりにしとったら殺さんけぇの」などと脅された上で全裸にして撮影されるなどのわいせつ行為を受けており、そうした暴行脅迫により精神的に抵抗不可能な状態が続いていたから、名札を奪った行為は強盗にあたるとされた。