補導歴と非行歴の違い

補導歴

補導歴とは、犯罪以外の理由で警察に補導された経歴のことです。

補導

補導とは、非行をした、または非行をする疑いのある少年に対して、警察が必要かつ適切な活動をした全ての行為をさします。簡単に言えば、少年が悪い道に進まないよう、警察がその少年を注意したり、場合によっては、その少年の親や学校に連絡をすることです。

なお、それぞれの少年に対する“補導歴”を定義づける場合、その少年が非行少年として検挙または補導された“非行歴”を除きます。簡単に言えば、”補導歴 - 非行歴 = 正真正銘の補導歴” というイメージです。

補導は、法律で定められているものではなく、警察が独自で制定したルールです。よく行われる補導は、「不良行為少年」に対する補導です。何が不良行為にあたるかについて、警察は17個の具体例を示しています。具体的には、以下のとおりです。

飲酒、喫煙、薬物乱用、粗暴行為、刃物等所持、金品不正要求、金品持ち出し、性的いたずら、暴走行為、家出、無断外泊、深夜はいかい、怠学、不健全性的行為、不良交友、不健全娯楽、その他(上記の行為以外の非行その他健全育成上支障が生じるおそれのある行為で警視総監又は都道府県警察本部長が指定するもの)

警察が、「不良行為少年」とみなし、学校や親に連絡した場合、補導した記録(補導歴)を残します。その後、その少年が罪を犯し、家庭裁判所で審判を受けることになれば、裁判官は、それまでの補導歴を参考にして、その少年の処分を判断します。

なお、警察から注意されただけで、不良行為少年の親や学校に連絡がなされなかった場合は、補導歴は記録されません。また、この「不良行為少年」としての補導歴は、その少年が20歳になれば破棄されます。

非行歴

非行歴とは、非行少年として検挙もしくは補導された経歴のことです。

非行少年とは

少年法において、「非行少年」とは、以下のとおり定義されています。

  • 犯罪少年:14歳以上20歳未満の罪を犯した少年(少年法3条1項1号)
  • 触法少年:14歳未満であって刑罰法令に触れる行為をした少年(少年法3条1項2号)
  • 虞犯少年(ぐはんしょうねん):“一定の非行事由”があり、その性格または環境に照らして、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれがある少年(少年法3条1項3号)

なお、“一定の非行事由”とは、以下のとおりです。

  • 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
  • 正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと
  • 犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること
  • 自己または他人の道徳を害する行為をする性癖があること