盗撮 [公開日]2017年12月27日[更新日]2022年10月13日

盗撮の逮捕後の流れと弁護士に示談交渉を依頼するメリットとは?

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盗撮は、場慣れしてくると被疑者の警戒心も薄れ、周囲の人や被害女性に発覚することが多いです。

このコラムでは、盗撮行為により逮捕された後の流れと、盗撮の刑事弁護・示談の重要性について、長年の実務経験を経た泉総合法律事務所の弁護士が解説します。

1.盗撮発覚・逮捕後の流れ

盗撮の事実が発覚すると、その場で現行犯逮捕されるケースが多いです。
もしくは、被害者から被害届を出され、防犯カメラの映像やSuica等ICカードの入場記録などから犯人であると特定されて後日逮捕されるケースもあります。

盗撮を疑われて逮捕された場合、被疑者はまず警察署に連行されます。警察官は被疑者を取り調べ、必要に応じて家宅捜索を行うなどして盗撮の証拠を収集します。

被疑者の身柄は、逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。身柄を受け取った検察官は、24時間以内(かつ逮捕から72時間以内)に、裁判官に被疑者の勾留を請求するか否かを決定します。

勾留された場合、被疑者は勾留請求の日から10日間に及んで身体拘束されます。
更なる捜査の必要があれば、最大で10日間の勾留延長が行われます。

検察官は捜査により獲得した証拠を基に、被疑者を起訴するか否かを判断します。

不起訴処分となった場合、被疑者の身柄は解放されます。
他方、起訴となった場合、被疑者は刑事裁判に付されることとなります。

もっとも、起訴には略式起訴、正式起訴と2種類あります。

略式起訴が選択された場合には、被告人は公開の法廷に出廷する必要はなく、書類上の手続だけで(罰金を払うことで)刑事手続きが終了します。
略式起訴であっても罰金は有罪であるため、前科がつくことには変わりありません。

他方、正式起訴となった場合には、裁判所の公判廷で裁判となります。

【逮捕・勾留されない「在宅事件」となるケースも多い】
盗撮の場合、逃亡や証拠隠滅の恐れがなかったり、その他の事情から逮捕(身体拘束)の必要性がないと判断されたりしたケースでは、検挙されてもすぐに釈放されます。このような事件を「在宅事件」と言い、以後、被疑者は通常通りの生活を送りながら、警察から出頭するよう呼び出しを受け警察署で取り調べを受けます。
しかし、在宅事件だからといって実刑にならないというわけではありません。在宅事件はあくまで身体拘束をされていないだけですので、在宅事件でも正式起訴をされて実刑となる可能性は0ではありません。

フロー図:刑事事件解決の流れ

2.被害者との示談交渉

前科がつくことは、本人にとって非常にデメリットが大きいです。

先述のように、前科は正式起訴・略式起訴のどちらであってもつきます。つまり、罰金刑であっても前科がつくことは避けられません。

前科がつくのを避けるためには、検察官による起訴を回避する(不起訴を獲得する)必要があります。
起訴・不起訴の判断にあたっては、被害者の処罰意思の有無が大きな考慮要素となるので、被害者と示談していることが非常に重要です。

(1) 示談交渉の流れ

盗撮事件の被害者は、これまでに加害者と面識がないケースがほとんどです。しかし、検察官や警察官は、被害者の個人情報を被疑者本人やその関係者には教えてくれません。

そこで、弁護士から、検察・警察を通じて(被疑者には伝えない条件で)被害者の連絡先を開示してもらえるよう申し入れを行い、被害者側の承諾を得られてはじめて連絡が可能となります。

したがって、弁護士に依頼しなければ、そもそも被害者と連絡をとること自体が困難です。

弁護士は示談交渉を進め、示談金の決定やその他の条件(詳しくは後述)について被害者と話し合います。

双方が納得できたら、示談金の支払いと引き換えに、被疑者の刑事処罰を望まない旨の宥恕(ゆうじょ)文言を記載した示談書の作成に応じてもらいます。
これにより、被害者の処罰意思が無くなったことが明らかとなります。

示談金によって金銭的にも被害回復ができていることから、この示談書を検察官に提出すれば、処分を決める検察官が起訴を控える可能性が高まるのです。

[参考記事]

迷惑防止条例違反の盗撮事件における示談方法と示談金の相場

(2) 盗撮における示談の条件

盗撮行為が軽犯罪法違反の「のぞき見」行為に該当する場合、例えば、住居の開いている窓から盗撮しているケースがあります。
この場合には、被疑者は盗撮した被害者の住居を知っていることになります。

このようなケースでは、被害者からすれば、今後また被害に遭うのではないかという強い恐怖心があって当然です。

このため、弁護士との示談交渉において、引越費用の支払を求めるケースが珍しくありません。

被害者の住居が賃貸物件であれば、被疑者側に支払能力がある限り示談交渉は特に困難なわけではありません。
しかし、被害者の住居が本人やその家族の所有物件であった場合、引越は容易ではありません。引越費用が不動産の買換え費用となれば、これを要求されても被疑者側が支払える金額ではないでしょう。

このため、被害者側の要求を呑むことはできず、示談交渉が難航する場合があります。

弁護士としては、①今後、被害者の住居近くに近寄らないことを被疑者に誓約させたうえ、被疑者の家族なども被疑者が約束を守るよう監督することを誓約する、②被疑者の住居と被害者の住居が近い場合は被疑者の方が引越しをするなど、現実的に実行可能な範囲の代替案を示して、被害者を説得することになります。

3.盗撮による逮捕の流れに関するQ&A

  • 盗撮で逮捕されたら懲役刑になる?

    まず、盗撮をした場合、以下の犯罪が成立する可能性があります。

    • 迷惑防止条例違反
    • 軽犯罪法違反

    迷惑防止条例違反では、東京都の場合、1年以下の懲役又は100万以下の罰金(常習の場合は2年以下の懲役又は100万以下の罰金)となります。
    一方、軽犯罪法違反の罰則は、拘留(1日以上30日未満の身体拘束)又は科料(1000円以上1万円未満の金銭の支払い)となっています。

    よって、迷惑防止条例違反の盗撮を行なった場合、懲役刑となる可能性はあります。

    さらに、盗撮目的で他人の住居やその敷地、学校等の建造物に入った場合、住居侵入罪、建造物侵入罪が成立します(刑法130条)。
    罰則は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっています。

    参考:軽犯罪法違反の盗撮|迷惑行為防止条例違反との違いと示談方法

  • 逮捕された場合の勾留期間は?

    被疑者の身柄は、逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。身柄を受け取った検察官は、24時間以内(かつ逮捕から72時間以内)に、裁判官に被疑者の勾留を請求するか否かを決定します。

    勾留された場合、被疑者は勾留請求の日から10日間に及んで身体拘束されます。
    更なる捜査の必要があれば、最大で10日間の勾留延長が行われます。

    つまり、刑事事件では逮捕から最大で計23日間身体拘束される可能性があります。

  • 盗撮で逮捕・勾留される基準はどこから?

    在宅事件とならず、逮捕に続く勾留をされるケースは限られています。

    勾留の要件は以下の通りです。

    • 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること(刑事訴訟法60条1項柱書)
    • 定まった住居を有しないこと(同項1号)
    • 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること(同項2号)
    • 逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があること(同項3号)

    また、上記のような勾留の理由がある場合においても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留することが必要であることも要件とされています。

4.盗撮事件の刑事弁護なら泉総合法律事務所へ

実際の案件では、個々の盗撮事件に合わせた適切な弁護活動が必要になってきます。

泉総合法律事務所では、盗撮事件の不起訴・より軽い刑事処分に向けて全力で取り組んでおります。

盗撮してしまった方、盗撮事件が発覚し家族が逮捕されてしまったという方は、示談経験・刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所へぜひご相談・ご依頼ください。

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