弁護士が語る!盗撮の実態と逮捕される前に知っておきたいこと

盗撮

弁護士が語る!盗撮の実態と逮捕される前に知っておきたいこと

当事務所では、早期の身柄解放を目指した刑事事件の弁護活動を、東京・神奈川・千葉・埼玉などの首都圏エリアを中心に行っております。

この記事では、長年の実務経験を経て得た、現代社会の“盗撮の実態”と、“盗撮が発覚した後の流れ”について解説いたします。

1.盗撮行為の多い場所と手口

エスカレーター・階段で後ろから盗撮

盗撮の典型で多いものは、駅構内やビルなど不特定多数の人が出入りする場所で、エスカレーターや階段を上っていく女性の後ろからスマホやデジカメでスカートの中を撮影するものです。

デジカメはスマホに比べて目立ち発覚しやすいので通常は手の中に納まるような小型のデジカメが使用されることが多いです。デジカメ盗撮で検挙される盗撮はほとんどこのタイプです。

盗撮のメッカ 横浜駅

盗撮しやすい場所なのかわかりませんが、盗撮のメッカと一部の人の間で言われているのは横浜駅構内です。実際に当所では神奈川県・横浜駅構内で検挙された方の弁護が多数あります。

駅構内は横浜駅に限らず大きな駅構内では鉄道警察隊が巡回し、盗撮などの可能性のある不審者を発見したらマークして尾行して盗撮を現行犯逮捕することがしばしばあります。

商業施設や店舗内の盗撮

皆さんが意外に思われる盗撮としては、商業施設や普通の店舗内で、特定の女性全身を気づかれずに撮影することも盗撮にあたります。

電車内の盗撮

電車内で向いに座っている女性を許可なく撮影することも盗撮にあたります。現にこのような盗撮で検挙された方は実際います。

以前はこのような盗撮で検挙されたことはなかったと記憶していますので、警察、検察の盗撮に対する見方が格段に厳しくなったと受け止めています。

2.バレない盗撮は無い

盗撮というものは、最初は皆さん発覚しないように用心し周囲に注意しながら盗撮するものです。従って、当初は発覚することは稀です。

しかし、徐々に場慣れしてくると、警戒心が薄れて周囲の人や被害女性に発覚することになります。発覚すれば駅構内での盗撮ならば駅員室に連れていかれ、警察官が駆け付けて警察署に連行されることになります。

3.盗撮発覚!後日呼び出し→書類送検までの流れ

盗撮が発覚すると近くの警察署へ連行され、盗撮は性犯罪でも軽いこともあり、罪を認めている場合には上申書を作成し、指紋採取やDNA採取してから、家族が身元引受人として迎えに来て解放されます。

家族が迎えに来れない場合には、被疑者の自宅までパトカーで送ってもらい、警察官が被疑者の自宅を確認します。時には、被疑者の会社上司に連絡して警察署まで上司に迎えに来てもらうこともあります。

それで捜査は終了ではありません。

後日警察は本人を呼び出して、被疑者本人の家族、学校、仕事などに関する身上調書と事件内容についての供述調書を作成します。この供述調書作成で警察での捜査は通常終了し、検察庁へ「書類送検」されます。

参考:盗撮における後日逮捕の可能性!警察が後日自宅に来る?

4.盗撮逮捕の条件(手口が悪質・常習犯等)

もっとも、盗撮を認めている場合でも盗撮の手口が悪質であったり、常習犯として以前からマークされるなどした場合には逮捕されることがあります。盗撮を否認している場合は、手口などに関係なく逮捕されるのが通常です。

勾留の可能性と釈放

逮捕された後に10日間の勾留となる可能性もあります。

相当前ですが、盗撮の事案で逮捕されただけでなく10日間の勾留決定となったケースがありました。

最近の事案ですが、盗撮で逮捕され、検察官が勾留請求した事案(検察官が勾留請求する場合には裁判官は勾留決定することが多いものです)で、裁判官の勾留尋問(勾留決定するかどうか決める手続きです)、当日の午前中に家族の依頼を受けて、直ちに勾留阻止活動に着手して裁判官の勾留決定を免れ、釈放されたこともありますので、最後まであきらめないことが肝心です。

【参考】勾留阻止/釈放活動

5.盗撮のマスコミ実名報道の基準(教員、公務員etc)

盗撮は性犯罪としては軽い犯罪にあたりますので、警察での任意の取り調べで検察庁に送検されるのでマスコミ報道の対象にはならないものです。

しかし、逮捕された場合には、盗撮の被疑者が公務員、教員、医師、弁護士、税理士、会計士など公的資格者、公益企業社員(電力会社、私鉄など)、大企業社員などはマスコミ報道される場合があります。

マスコミ報道は警察発表に基づいて行いますが、盗撮が性犯罪として軽い方であることを考えると、一罰百戒の狙いは十分理解できるものの、マスコミ報道によって、盗撮逮捕が会社はもとより世間一般に知られることの影響は、解雇の可能性もあり重大です。

また盗撮が示談できない場合に罰金刑にとどまるのが通常であることを考えると、被疑者にはあまりにも苛酷に過ぎると個人的見解として思わざるを得ません。

【参考】公務員・教員の刑事事件(盗撮、人身事故、傷害など)と懲戒処分

6.盗撮(初犯)の懲役・罰金と前科

盗撮は迷惑行為防止条例違反にあたり、都道府県により異なりますが、多くは懲役6月または50万円の罰金が刑罰となっています。

初犯であれば、盗撮を認めている場合は略式起訴と言って正式裁判を経ることなく罰金を納付することで刑事手続きが終了します。

罰金と言っても前科であり、何らかの事情で会社に発覚すれば懲戒解雇の可能性もありますから、罰金といえども避けることを強くお勧めします。

【参考】罰金でも前科です!

7.弁護士の役割は被害者との示談交渉

それでは罰金刑を避けるにはどうしたらいいのでしょうか。罰金刑を避けるには弁護士に刑事弁護を依頼して被害者と交渉して示談してもらうことです。

示談には、被疑者の刑事処罰を望まない旨の宥恕(ゆうじょ)文言が入っていますので、処分を決める検察官も被疑者に罰金刑を科す理由がなくなりますので、不起訴処分となります。

【参考】盗撮事件における示談の位置づけと示談金・慰謝料の相場について

8.盗撮で余罪追求されるか?

盗撮に使用したスマホやデジカメには通常事件以前の盗撮画像があるものです。

警察も盗撮で検挙された被疑者はそれまで多数回盗撮をしていると考えていますので、事件以前の盗撮画像が多数あることは当然のことと受け止めています。

【参考】電車内で盗撮後に逮捕されたら、余罪についても話すべきか?

家宅捜索の可能性はあるか?

場合によっては、自宅にあるパソコンのハードディスクを警察に持ってくるよう被疑者に指示したり、家宅捜索することもあります。

これらを警察がするかどうかは警察の判断であり、どういう場合に家宅捜索などになるかの基準は公表されていません。

もっとも、それによって事件以前の多数の盗撮行為について刑事事件化することはその被害者の被害届も出ていないのが通常でしょうし、盗撮画像から被害者を特定することもできないのが通常でしょうから、事件化することはこれまでの多数の盗撮の刑事弁護経験からありません。

【参考】電車内で盗撮後に逮捕されたら、余罪についても話すべきか?

9.損害賠償もある?個室で風俗関係の女性を盗撮した場合

゛風俗関係の女性とホテルに入り、ホテルの個室内でその女性に無断でビデオで隠し撮りしてしまいました。女性に発覚して盗撮だから警察に訴えるといわれています。どうしたらいいでしょうか。″

同意を得ないで女性を個室内でビデオ撮影したら、まず民事上は肖像権の侵害として損害賠償債務を負うことになります。

刑事責任、刑事事件にはなるか?

では刑事責任、刑事事件にはなるでしょうか

通常の盗撮は迷惑行為防止条例違反として犯罪になります。そこでの要件は公共の場所、つまり不特定多数の者が出入りする場所や公衆の場所で、隠し撮りすることが盗撮として犯罪に該当します。

この場合は個室に女性と隠し撮りしたあなたしかおりませんので、不特定でも多数でもないので、公共の場所(公衆の場所も)には該当しません。その他の刑罰法令にも該当しないと思いますので、刑事責任、刑事事件にはならないといっていいでしょう。

この理屈は迷惑行為防止条例違反の痴漢にも該当します。不特定多数の場所(公衆のいる場所も)以外での痴漢行為は迷惑行為防止条例違反には該当しません。

しかし、盗撮と異なり、触った場所、行為態様によって暴行となることもあれば強制わいせつや強姦未遂となることもありえます。

10.盗撮を処罰する迷惑行為防止条例

盗撮は迷惑行為防止条例違反として犯罪になります。それぞれの条例、条文を記載します。

東京都の場合

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例5条1項2項

「公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。」

千葉県の場合

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例2条2項2号

「何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、故なく、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。」「衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。」

埼玉県の場合

埼玉県迷惑行為防止条例2条4項

「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞(しゆう)恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。」

神奈川県の場合

神奈川県迷惑行為防止条例3条

「何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。」

盗撮の処罰に関する条例は各都県で表現は異なりますが、盗撮の内容、要件には違いありません。刑事弁護のあり方も同じです。

公共の場所ではないところでの盗撮は、軽犯罪法違反の盗撮となりますので、次のコラムをご参考ください。

【参考】軽犯罪法違反の盗撮とは?迷惑行為防止条例違反の盗撮との違い

さらに詳しく知りたい場合には、泉総合法律事務所の刑事無料相談時に問い合わせください。

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