盗撮 [公開日]2017年12月27日[更新日]2020年12月18日

盗撮の逮捕後の流れと弁護士に示談交渉を依頼するメリットとは?

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盗撮というものは、犯罪を行う方も最初は発覚しないよう注意しながら行うものです。
しかし、場慣れしてくると警戒心が薄れ、周囲の人や被害女性に発覚することが多いです。

このコラムでは、盗撮行為により逮捕された後の流れと、盗撮の刑事弁護の重要性について、長年の実務経験を経て得た当事務所の弁護士が解説します。

1.盗撮の罪責

盗撮をした場合、以下の犯罪が成立する可能性があります。

(1) 迷惑防止条例違反

駅や電車等の公共の場所・乗物で、通常は衣服で隠されている身体部位を盗撮した場合、各都道府県の定める迷惑防止条例違反となります。

自治体によっては、それ以外の場所であっても、住居、トイレ、浴室などの人が通常衣服をつけないでいる場所での盗撮を禁じている場合もあります。

盗撮する行為だけでなく、盗撮のためにカメラやスマホなど撮影機器を差し向けたり、設置したりする行為も禁止されている場合があります。
罰則は各都道府県により異なります。

例:東京都の場合「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」

【盗撮行為等が禁止対象となる場所】
・住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所 (5条1項2号イ)
・公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(5条1項2号ロ)

【禁止される行為】
・人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影する行為(5条1項柱書、同2号)
法定刑……1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(8条2項1号)、常習犯は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(8条7項)
・人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影するために撮影機器を差し向け又は設置する行為(5条1項柱書、同2号)
法定刑……6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(8条1項2号)、常習犯は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(8条8項)

(2) 軽犯罪法違反

盗撮行為に伴って、他人の住居や、浴場、更衣所、トイレ等の場所をのぞき見る行為は、軽犯罪法違反となります(軽犯罪法1条23号)。

罰則は拘留(1日以上30日未満の身体拘束)又は科料(1000円以上1万円未満の金銭の支払い)となっています。

軽犯罪法1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

(3) 住居等侵入罪

盗撮目的で、他人の住居やその敷地、学校等の建造物に入った場合、住居侵入罪が成立します(刑法130条)。
罰則は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっています。

刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

2.盗撮発覚後の流れ

盗撮の事実が発覚すると、その場で現行犯逮捕される場合があります。

盗撮を疑われて逮捕された場合、被疑者は警察署に連行されます。警察官は被疑者を取り調べ、必要に応じて家宅捜索を行うなどして盗撮の証拠を収集します。

被疑者の身柄は逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。身柄を受け取った検察官は、24時間以内(かつ、逮捕から72時間以内)に、裁判官に被疑者の勾留を請求するか否かを決定します。

勾留された場合、被疑者は勾留請求の日から10日間に及んで身体拘束されます。もっとも、更なる捜査の必要があれば、最大で10日間の勾留延長が行われます。

検察官は捜査により獲得した証拠を基礎に、被疑者を起訴するか否かを判断します。

不起訴処分となった場合、被疑者の身柄は解放されます。
他方、起訴となった場合、被疑者は刑事裁判に付されることとなります。

もっとも、起訴には略式起訴、正式起訴と2種類あります。

略式起訴が選択された場合には、被告人は公開の法廷に出廷する必要はなく書類上の手続だけで、罰金を払うことで刑事手続きが終了します(これを略式手続と呼びます)。
他方、正式起訴となった場合には、裁判所の公判廷で裁判となります。

正式起訴、略式起訴いずれにしても、有罪判決が出された場合には前科がつくことには変わりありません。

3.被害者との示談交渉

刑事裁判となり前科がつくことは、本人にとって非常にデメリットが大きいです。

[参考記事]

前科の生活への影響とは~前科者の資格制限、仕事、履歴書、海外旅行

先述のように、前科は正式起訴・略式起訴のどちらであってもつきます。つまり、罰金刑であっても前科がつくことは避けられません。

前科がつくのを避けるためには、検察官による起訴を回避する必要がありますが、起訴・不起訴の判断にあたっては、被害者の処罰意思の有無が大きな考慮要素となるので、被害者と示談していることが非常に重要です。

ところが、盗撮事件の被害者は、これまでに加害者と面識がないケースがほとんどです。

検察官や警察官は、被害者の個人情報を加害者本人やその関係者には教えてくれません。弁護士から、検察・警察を通じて、加害者側には伝えない条件で被害者の連絡先を開示してもらえるよう申し入れをおこない、被害者側の承諾を得られて、はじめて連絡が可能となります。

したがって、弁護士に依頼しなければ、そもそも被害者と連絡をとること自体が困難です。

弁護士が示談交渉を進め、示談金の支払いと引き換えに、被疑者の刑事処罰を望まない旨の宥恕(ゆうじょ)文言を記載した示談書の作成に応じてもらいます。

これにより被害者の処罰意思が無くなったことが明らかとなり、被害も示談金によって金銭的に回復していることから、処分を決める検察官が被疑者を起訴することを控える可能性が高まります。

[参考記事]

迷惑防止条例違反の盗撮事件における示談方法と示談金の相場

4.盗撮事件の刑事弁護なら泉総合法律事務所へ

このコラムでは、盗撮事件の逮捕後の流れと示談の重要性について解説いたしました。

実際には、個々の盗撮事件に合わせた適切な弁護活動が必要になってきます。

泉総合法律事務所では、盗撮事件の不起訴・より軽い刑事処分に向けて全力で取り組んでおります。

盗撮してしまった方、盗撮事件が発覚し逮捕されてしまったという方は、示談経験・刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所へご相談・ご依頼ください。

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