児童買春、児童ポルノ

児童買春とは

児童買春とは、児童に金品や財物などの「対価」を渡して、性交や性交類似行為、児童の性器を触ったり、自分の性器を児童に触らせたりすることです。

たとえ、性交等を行ったとしても、対価を渡していない場合には、児童買春罪は成立しません。その場合には、各都道府県によって名称の違いはありますが、青少年保護育成条例(いわゆる淫行条例)違反となります。

なお、これらの罪が成立するためには、相手の年齢が18歳未満であり、かつ行為時に、相手の年齢が18歳未満であることを確定的あるいは未必的にでも知っていた必要があります。

その他、類似の犯罪としては、次のとおりです。
◇児童淫行罪(児童福祉法):18歳未満の少年少女(児童)に対して強い影響力がある者が、それを利用して性交又は性交類似行為に及んだ場合に成立します。例えば、教師や施設長などがその立場を利用して、児童に対し性交又は性交類似行為に及んだケースなど。
◇姿態をとらせ児童ポルノ製造罪:18歳未満の少年少女(児童)との性行為の様子を撮影した場合など。
◇強制わいせつ罪:お互い同意の上で、13歳未満の少年少女(児童)の陰部に手を触れた場合など。
◇強制性交等罪:お互い同意の上で、13歳未満の少年少女(児童)と性交に及んだ場合など。

これらの行為が“児童買春”にあたります

  • 援助交際サイトで知り合った18歳未満の少女と、金銭を対価に性交に及んだ
  • 金銭を払って18歳未満の少年に、自分の性器を触らせた
    (※少女だけでなく、少年も対象児童に含まれます)
  • 金銭を払って18歳未満の少女の性器を触った

児童買春の刑罰

以下においては、児童買春罪のほか、類似の犯罪の刑罰について説明します。

なお、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」を「児童ポルノ禁止法」と略称することにします。

お金を払って18歳未満の児童と性交渉をした場合
罪名(該当規定)刑罰(罰則規定)
児童買春罪(児童ポルノ禁止法4条)5年以下の懲役又は300万円以下の罰金(左同)
お金を払わずに18歳未満の児童と性交渉をした場合
都道府県名罪名(該当規定)刑罰(罰則規定)
東京都東京都青少年の健全な育成に関する条例違反(18条の6)2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(24条の3)
千葉県千葉県青少年保護育成条例違反(20条1項)2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(28条1項)
神奈川県神奈川県青少年保護育成条例違反(31条1項)2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(53条1項)
埼玉県埼玉県青少年保護育成条例違反(19条1項)1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(28条)
18歳未満の児童に対して強い影響力を及ぼして性交渉をした場合
罪名(該当規定)刑罰(罰則規定)
児童淫行罪(児童福祉法34条1項6号)10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれを併科(同法60条1項)
18歳未満の児童との性行為の様子を撮影した場合
罪名(該当規定)刑罰(罰則規定)
児童ポルノ製造罪(児童ポルノ禁止法7条4項)3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(左同)
13歳未満の児童にわいせつな行為に及んだ場合
罪名(該当規定)刑罰(罰則規定)
強制わいせつ罪(刑法176条後段)6月以上10年以下の懲役(左同)
13歳未満の児童と性交に及んだ場合
罪名(該当規定)刑罰(罰則規定)
強制性交等罪(刑法177条後段)5年以上20年以下の懲役(左同)

犯行の態様や年齢によって、上記のいずれかの犯罪が成立します。

一般的に、児童買春の量刑を行う場合、次の項目を基準として総合的に判断します。

  • 児童買春結果の程度(重大か軽微か)
  • 示談の有無
  • 示談金額
  • 被害弁償の有無
  • 被害弁償額
  • 児童買春行為の態様(悪質性、計画性など)
  • 児童買春行為の動機

児童買春罪に関する量刑相場について、これまでの泉総合法律事務所での刑事弁護実績を踏まえてご説明します。

まず、初犯の場合で、被害児童の年齢が16歳など極端に幼い子でなく、かつ被害児童が1人であれば、略式手続で罰金となるケースが多いです。

しかし、関係を持った児童が多数いる場合や、その年齢が14歳程度の幼い子であった場合には、初犯であっても罰金ではすまず、公判請求され裁判になることもあります。

(ところで、児童ポルノ禁止法は、性的虐待・搾取からの児童の保護を目的とし、個人の利益を保護することを目的とした法律ではないので、被害者はいないのではないかという理論的争点がないわけではありません。
しかし、児童買春においては、関係を持った当該児童、厳密にはその親権者と示談が成立すれば、多くの場合は被疑者に有利な事情として扱われ、不起訴となることもあります。)

また、仮に公判請求されてしまった場合でも、被害児童の親権者と示談が成立していることは、被疑者に有利に扱われ、執行猶予付きの判決が下される可能性が高まります。

児童買春の弁護方針

◇罪を認めている場合

①示談成立を目指す

被害児童側との示談が成立していることは、被疑者に有利な事情として扱われます。場合によっては、不起訴になることもありますし、起訴された場合でも、執行猶予付きの判決となる可能性も高まります。

なお、児童買春の場合には、示談交渉の直接の相手は、被害児童が18歳未満であるため、被害児童の親権者である両親になります。

通常、親権者は「自分の子供に何てことをしてくれた」という強い憤りを感じているため、示談成立を獲得することは容易ではなく、示談金も高額になりやすいです。

しかし、だからと言って、示談成立をあきらめてはいけません。不起訴処分を勝ち取るために示談はとても有効ですので、難航しがちな示談交渉を乗り切るためにも、刑事弁護経験豊富な弁護士に依頼されることをおすすめします。

②自首する

児童買春をした事実は、被害児童の補導、被害児童の親権者からの通報、あるいは警察のサイバーパトロールなどによって発覚することが多いようです。したがって、児童買春をすれば、警察に検挙されるか、逮捕される可能性が高いと考えるべきです。

児童買春の発覚は時間の問題だと不安な日々を過ごしているようなら、自首を検討されるとよいでしょう。しなかった場合に比べれば、逮捕される可能性は下がります。

ただし、自首したからといって、必ず逮捕されないとか、不起訴処分になるというものではありません。

自首した場合のメリットとしては、

  • 逮捕を免れる可能性がある
  • 不起訴処分で終わる可能性がある
  • 刑の減軽がなされる可能性がある

ということが考えられます。

そして、自首した場合のデメリットとしては、児童買春の事実が発覚する可能性が低かったような場合でも、警察に発覚してしまうということが考えられます。

このように、自首すべきかどうかは、慎重に判断しなければなりません。まずは児童買春に詳しい泉総合法律事務所の弁護士に相談されることをおすすめします。

③反省文・謝罪文を提出する

被疑者の方には、児童買春に及んでしまったという事の重大さを理解してもらい、深く反省してもらいます。

それから、「十分反省しています」という姿勢を強くアピールするためにも、被疑者の方に反省文を作成してもらい、検察官や裁判官にその書面を提出します。

また、被害児童やその親権者に対する謝罪文も被疑者の方に作成してもらい、猛省している姿勢を理解していただき、示談交渉を受け入れてもらえるようにしております。

④専門家の診断を受ける

児童買春は一度だけという方は稀で、多くの方は繰り返しているものです。中には、18歳未満の低年齢の児童を対象として児童買春を繰り返している方もいます。

その意味では、痴漢などと同様の性依存症になっている可能性があります。

今後二度と繰り返さないようにするためには、性依存症専門クリニックや心療内科で定期的に治療を受けることをおすすめします。

そうすることによって、たとえ示談を取れない場合でも、再発防止に向けた治療が不起訴の可能性を高めてくれることにつながります。

起訴された場合には、裁判所も、そのような再発防止に向けた努力を評価してくれる可能性があります。

⑤家族による今後の監督をアピール

「今後、二度と同様の行為を起こさないよう、被疑者をきちんと監督していきます」といった誓約書を被疑者の家族に作成してもらい、検察官や裁判官に提出します。

⑥早期釈放を目指す

児童買春の大半は令状逮捕で、警察の留置場に被疑者は身柄を拘束されます。早期の身柄解放が得られなければ、会社の解雇など悪影響が生じます。

そこで、泉総合法律事務所では、被疑者が身柄を拘束されている場合には、早期の身柄解放を目指して、以下の弁護活動を全力で行います。

  • 勾留請求をしないで釈放してもらえるよう、家族の身元引受書や意見書を提出して、検察官に働きかけます。
  • それでも勾留請求されてしまった場合には、勾留決定をしないよう、釈放してもらうよう、家族の身元引受書、誓約書、意見書などを提出して、裁判官に働きかけます。
  • それでも勾留決定が下されてしまった場合には、勾留決定を取り消してもらう手続である準抗告を申し立てます。
    準抗告審は3名の裁判官で構成され、別の裁判官が下した勾留決定について勾留の要件があるかどうかを審査します。要件がないと判断されれば、勾留決定を取り消し、釈放されます。

泉総合法律事務所では、これまでに、児童買春事件における多くの勾留阻止、身柄解放の実績がありますので、安心してご依頼ください。

◇“相手が18歳未満だったとは知らなかった”と主張したい場合

「相手が18歳未満だとは思わなかった」と主張したい場合もあるかと思います。

実際に、このような場合、行為の時に相手の年齢が18歳未満であることを知らなかった、若しくは知りようがなかったのであれば、児童買春罪で処罰されることはありません。

この点、メールやLINEに残された履歴、パソコンに残された画像などにおいて、相手が18歳未満であることを知っていたと推認されるような証拠がなかったか、という点が大きなポイントになります。

もっとも、そのような証拠がなくても、児童が18歳未満だと被疑者に伝えたと警察に供述している場合には、18歳未満とは知らなかったとの主張はなかなか通りにくいといえます。

いずれにしても、泉総合法律事務所の弁護活動としては、「18歳未満だとは知らなかった」と主張すべく、被疑者の方から事情を詳しく聴取して、その主張を裏付ける事情があれば、捜査機関や裁判官に対して粘り強く主張していくことで、不起訴処分や無罪を目指していきます。

 

児童ポルノとは

児童ポルノとは、18歳未満の少年少女(児童)の性行為、性器、服の一部を身に着けていない状態で撮影した画像や動画データのことです。

なお、18歳未満の児童をキャラクターにしたアニメは、たとえわいせつな内容であったとしても、児童ポルノにあたりません。

また、平成26年の児童ポルノ禁止法の一部改正により、単純にパソコン内に児童ポルノデータを保存していただけであっても(単純所持)、平成27年7月から処罰の対象とされるようになりました。

これらの行為が“児童ポルノ”にあたります

  • 児童の性的な動画を大量にインターネットにアップした
  • 小学生の少女が性交に類似する行為をしている状況を撮影した動画を販売した
  • 児童のわいせつ画像をファイル共有ソフトで不特定多数が閲覧できる状態にした
  • 掲示板で知り合った中学生に、裸を撮影させてその画像をメールで送らせた

児童ポルノの刑罰

児童ポルノに関する主な罪名と刑罰

罪名(該当規定)刑罰(罰則規定)
児童ポルノ単純所持罪(児童ポルノ禁止法7条1項)1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(左同)
児童ポルノ提供罪(同法7条2項)3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(左同)
提供目的児童ポルノ製造罪(同法7条3項)3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(左同)
姿態をとらせ児童ポルノ製造罪(同法7条4項)3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(左同)
盗撮による児童ポルノ製造罪(同法7条5項)3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(左同)
不特定多数の者に対する児童ポルノ提供罪、児童ポルノ公然陳列罪(同法7条6項)5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はこれを併科(左同)
不特定多数の者に対する提供目的児童ポルノ製造罪(同法7条7項)5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はこれを併科(左同)

一般的に、児童ポルノの量刑を行う場合、次の項目を基準として総合的に判断します。

  • 児童ポルノを所持、提供、製造、陳列した分量
  • 行為の態様(悪質性、計画性など)
  • 行為の動機

児童ポルノに関する罪の量刑相場について、これまでの泉総合法律事務所での刑事弁護実績を踏まえてご説明します。

単純所持であれば、初犯なら略式手続による罰金となるケースが多いです。もっとも、所持していた量によっては公判請求もありえます。同種前科があるような場合も、罰金ではすまないことが多いでしょう。

ネットの動画を落として所持していたような場合には、被害児童、つまりその動画に映っている人物を見つけることができないので、示談交渉を行うことも現実的ではありません。

これに対して、LINEやTwitterで知り合った児童に言って写真を撮影して送ってもらったようなケースでは、相手が分かりますので、その親権者と示談交渉をすることが可能です。

示談が成立すれば被疑者に有利に扱われます。経緯にもよりますが、不起訴になる可能性もあります。

また、仮に公判請求されてしまった場合にも、被害児童の親権者と示談が成立していることは、被疑者に有利に扱われ、執行猶予付きの判決が下される可能性が高まります。

児童ポルノの弁護方針

◇罪を認めている場合

①示談成立を目指す

被害児童側との示談が成立していることは、被疑者に有利な事情として扱われます。場合によっては、不起訴になることもありますし、起訴された場合でも、執行猶予付きの判決となる可能性も高まります。

示談成立となれば、検察官や裁判官への心証が良くなり、不起訴処分や執行猶予付き判決を下してもらえる可能性が高まります。

なお、児童ポルノの場合には、示談交渉の直接の相手は、被害児童が18歳未満であるため、被害児童の親権者である両親になります。通常、親権者は「自分の子供に何てことをしてくれた」という強い憤りを感じているため、示談成立を獲得することは容易ではなく、示談金も高額になりやすいです。

しかし、だからと言って、示談成立をあきらめてはいけません。不起訴処分を勝ち取るために、示談はとても有効ですので、難航しがちな示談交渉を乗り切るためにも、刑事弁護経験豊富な弁護士に依頼されることをおすすめします。

②反省文・謝罪文を提出する

被疑者の方には、児童ポルノ禁止行為に及んでしまったという事の重大さを理解してもらい、深く反省してもらいます。

それから、「十分反省しています」という姿勢を強くアピールするためにも、被疑者の方に反省文を作成してもらい、検察官や裁判官にその書面を提出します。

また、被害児童やその親権者に対する謝罪文も被疑者の方に作成してもらい、猛省している姿勢を理解していただき、示談交渉を受け入れてもらえるようにしております。

③専門家の診断を受ける

“ダメだとは分かっていても、どうしても児童に対する性的欲求・興味が抑えられない……”という常習性のある被疑者の方は、性嗜好障害(性依存症)という病気の可能性がありますので、性障害専門医の診察を受けましょう。

性犯罪再発防止のクリニックに通院して、その証拠なる診断書やカルテなどを検察官や裁判官に提出することで、不起訴処分や執行猶予付き判決を目指します。

さらには、今後のご自身の更生のためにも、有効な処置になるでしょう。

④家族による今後の監督をアピール

「今後、二度と同様の行為を起こさないよう、被疑者をきちんと監督していきます」といった誓約書を被疑者の家族に作成してもらい、検察官や裁判官に提出します。

⑤早期釈放を目指します

在宅事件ではなく、被疑者が身柄を拘束されている場合には、早期の身柄解放を目指して、以下の弁護活動を全力で行います。

  • 勾留請求をしないで釈放してもらえるよう、家族の身元引受書や意見書を提出して、検察官に働きかけます。
  • それでも勾留請求されてしまった場合には、勾留決定をしないよう、釈放してもらうよう、家族の身元引受書、誓約書、意見書などを提出して、裁判官に働きかけます。
  • それでも勾留決定が下されてしまった場合には、勾留決定を取り消してもらう手続である準抗告を申し立てます。準抗告が認められれば、勾留決定が取り消され釈放されます。

泉総合法律事務所では、これまでに、児童ポルノ事件における多くの勾留阻止、身柄解放の実績がありますので、安心してご依頼ください。

◇“被写体が18歳未満だったとは知らなかった”と主張したい場合

「この画像の女性が18歳未満だったとは知らなかった」と主張したい場合もあるかと思います。実際に、このような場合、被写体が18歳未満であることを認識していなければ、犯罪は成立せず処罰されません。

なぜなら、児童ポルノ禁止法違反に該当するためには、「被写体が18歳未満であると分かっていたうえで行為に及んだ」という“故意”が必要とされているためです。

では、「もしかしたら、この女性は18歳未満かもしれない」と思っていた場合はどうでしょうか。この場合でも“未必の故意あり(※)”と判断され、児童ポルノ禁止法違反で処罰されますので、ご注意ください。

いずれにしても、泉総合法律事務所の弁護活動としては、「18歳未満だったとは知らなかった」と主張すべく、被疑者の方から事情を詳しく聴取して、その主張を裏付ける事情があれば、捜査機関や裁判官に対して粘り強く主張していくことで、不起訴処分や無罪を目指していきます。

※未必の故意:その行為からある犯罪事実が生じるかもしれないと認識しつつ、「そうなっても仕方がない」と思い直し、あえてそのリスクをおかして行為に及んでしまう心理状態のこと。