釈放・保釈してほしい

釈放・保釈して欲しい

被疑者や被告人が逮捕や勾留されて警察などの留置場で身体を拘束され続けた場合、さまざまなデメリットが生じます。日常生活から隔離されてしまうため、学校を退学させられたり、会社を解雇などされ職を失いその結果家族が経済的に困窮する可能性もあります。また、家族とも会えず、日々の行動を厳しく管理されるため、精神的に追い込まれ事実と異なる自白をしてしまうなどしてより厳しい状況に追い込まれることになります。

そのため、泉総合法律事務所では、刑事弁護経験豊富な所属弁護士が、身体を拘束されてしまったご家族(被疑者・被告人)が一日も早く解放され、日常生活を取り戻せるよう全力で釈放などに向けて弁護活動を行います。

身柄解放活動には2つのタイミングがある

逮捕勾留や起訴され身柄を拘束されたご家族(被疑者・被告人)を解放させるための弁護活動は、起訴前、そして起訴後の2つのタイミングにおいて内容が異なります。

起訴前であれば、“釈放”に向けた弁護活動となり、起訴後であれば、“保釈”「執行猶予」に向けた弁護活動になります。

釈放とは、逮捕・勾留によって、身柄を拘束されている被疑者が解放されることをさします。

保釈とは、保釈の要件を満たしていると検察官の意見も踏まえて裁判官が判断し、一定額の保釈保証金の支払いや保釈条件の順守を条件として、起訴後勾留されている被告人の勾留を取消して、被告人を解放することをさします。

保釈は勾留されていた被疑者が起訴されて、被告人に切り替わったあとに保釈請求できる制度であり、起訴前の段階では、保釈制度の適用はありません。東京地方裁判所ですと、起訴されて最短だと土日祝日を除いて3日間で保釈可能です。

起訴前の身柄解放活動

起訴前の段階では、ご家族(被疑者)が一日でも早く釈放されるよう、弁護士はさまざまな弁護活動を行います。具体的には以下の4つです。

  1. (1)勾留請求を阻止する方法
  2. (2)勾留請求を却下させる方法
  3. (3)裁判所の決定に対する不服申し立て“準抗告”を行う
  4. (4)勾留取消や勾留執行停止による方法

(1)勾留請求を阻止する

まず、警察は被疑者を逮捕して警察の留置場に留置して警察官が取り調べを行いますが、その後逮捕から48時間以内に被疑者を検察庁に送致することに刑事訴訟法で定められています。警察から被疑者を送致された検察官は24時間以内に、勾留すべきかどうかを判断して、必要性ありとの判断にいたった場合は、裁判所の裁判官に被疑者を勾留するよう請求することになります。

まず弁護人は、この“勾留請求すべきか判断に迷っている検察官”に対して、ご家族(被疑者)を勾留する必要性がないと主張して、勾留請求を阻止します。

具体的には、身柄を解放しても証拠隠滅や逃亡のおそれがない、という点を家族の身元引受書や上申書の作成、弁護士の意見書の作成を行い、検察官にそれら書類を提出することで検察官と交渉をします。

このような勾留阻止活動、釈放活動によって、検察官が勾留請求しないと判断すれば、逮捕・勾留されていたご家族(被疑者)は釈放されることになります。もっとも検察官の勾留を阻止し被疑者を釈放することはそんなに簡単なことではありませんので、刑事弁護経験豊富で釈放実績がある弁護士に刑事弁護を依頼することをお勧めします。

(2)勾留請求を却下させる

検察官から勾留請求を受けた裁判官は、勾留質問で被疑者からの直接話を聞いて勾留すべきかどうかを最終的に判断します。

このタイミングでの弁護活動は、勾留すべきかどうかの最終決定を判断する裁判官に対して、勾留する必要性がないことを主張することです。

具体的には、上で述べた勾留請求阻止と同じく、身柄を解放しても証拠隠滅や逃亡のおそれがない、という点について検察官が勾留請求した理由の検討結果を踏まえて、家族の上申書や被疑者の上申書などを作成し直すなどし、また、弁護士の意見書を作成しなおすなどして裁判官にそれら上申書や弁護士意見書を提出して裁判官の勾留決定をしないように働きかけます。

このような勾留阻止活動、釈放活動によって、裁判官が勾留決定しないという最終判断を下せば、ご家族(被疑者)は無事に解放されることになります。

検察官が勾留請求しても弁護士の釈放に向けての活動によって裁判官が勾留決定しないことも多数あります。当所では検察官の勾留請求がされた後、裁判官の勾留質問前の時点で刑事弁護の依頼を受けて裁判官の勾留決定を阻止して釈放したことも多数あります。是非とも釈放してほしいとお考えの方は釈放実績豊富な泉総合法律事務所に刑事弁護を依頼してください。釈放に向けて全力を尽くします。

(3)“準抗告”を行う

検察官からの勾留請求に対して、裁判官が“勾留決定”という最終判断を下した場合、その決定に対して不服を申し立てする手段があります。これを“準抗告”といいます。これが認められれば、裁判官の勾留決定が取消となり、その日のうちに釈放されます。しかし、いったんは裁判官が下した決定を取消すわけですから、そのハードルは相当に高く、実際のところ、準抗告が認められる可能性はかなり低いです。

したがって、もし準抗告を行い、勾留決定取消し、釈放を目指すのであれば、刑事弁護の実績豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。

当所泉総合法律事務所では4週間連続して裁判官の勾留決定に対して準抗告を行い、4件とも準抗告が認められて裁判官の勾留決定取消しを勝ち取り、釈放となった経験がありますが、これは極めて例のないことと思います。4件のうち2件は裁判官の勾留決定があってからの依頼でしたので、最後まであきらめずに弁護士に相談依頼することをお勧めします。

準抗告を行い、認容されるためには、どこを裁判所にアピールするかを熟知している必要があり、熟知していれば準抗告が認容されやすいと思います。もっとも、否認している場合や重大事件の場合には準抗告を行っても認容されることはないといえます。

(4)勾留取消や勾留執行停止による方法

以下の手続によっても、裁判官に対してご家族(被疑者)の解放を主張していきます。

  • 勾留取消:勾留決定後の事情変化によって、勾留する必要性がなくなった場合に身柄を解放してもらう手続です。具体的には、被害者が個人の犯罪では、刑事弁護を依頼された弁護士が示談を成立させ、示談書を検察官に提出すれば勾留取消となり被疑者は釈放されます。その意味では、勾留決定となった場合には、被害者が個人の犯罪では示談を早急に取り付けることが重要となってきます。
  • 勾留執行停止:病気で入院する必要性が生じた場合や、親族や配偶者が危篤状態となったり、亡くなった場合などにおいて、被疑者を一時的に解放してもらう手続です。

これら4つの弁護活動のタイミングを分かりやすく図にしたのが、下記のものです。

それぞれ(1)~(4)のタイミングで、弁護士が適切な弁護活動を行い、ご家族(被疑者)の一日も早い解放を目指していきます。

逮捕されたあと起訴・不起訴となる一連の流れ

 

起訴前における、その他の釈放ケース

以下の場合でも、ご家族(被疑者)が釈放されます。

処分保留による釈放

勾留満期日、もしくは勾留延長満期日までに、証拠が不十分などで検察官が起訴・不起訴を決定できなければ釈放されます。ただし、これは暫定処分であり、新たな証拠などが見つかった場合は、起訴され、勾留されることになります。

不起訴処分による釈放

親告罪に分類される犯罪で被害者が示談に応じて告訴を取り消した場合には、告訴取消書を検察官に提出すれば、その日のうちに不起訴処分となり釈放されます。

嫌疑不十分の場合には通常は勾留満期まで勾留してから不起訴処分、釈放となるのが通常です。

泉総合法律事務所では、この不起訴処分を勝ち取るべく、被害者との示談成立をはじめとして全力で弁護活動を行います。

なお、不起訴処分となる場合、勾留の満期日に不起訴処分となり釈放されることが多いです。不起訴処分となると、ご家族(被疑者)が解放されるだけでなく、前科がつきません。したがって、「今後の将来、前科のことで不利益を受けることがあるのでは?」と悩まないですみます。

釈放のメリット

  • 早期に解放されれば、その分だけ早く、学校や職場に復帰できます。
  • 早く学校や職場に復帰することで、事件のことが知られてしまうリスクを軽減できます。
  • 常に監視されているという精神的ストレスから解放されます。
  • 身柄解放により、いつでも弁護士との打合せが可能になるなど、事件解決に向けて万全の体制を整えられます。

略式手続による釈放もある

勾留満期で起訴されても略式起訴の場合には勾留満期で罰金を納付して釈放されることになります。他方、通常の起訴では保釈されない限り裁判が終了するまで勾留が継続することになっています。

略式手続とは、通常の起訴を簡略化して迅速にすませる手続のことです。審理も書面で行われ、起訴当日に判決が言い渡されます。

通常の裁判ですと、被疑者の身柄は拘束されますが、この略式手続の場合、罰金や科料を納めて釈放となります。

起訴後の身柄解放活動

起訴が決まると、被疑者は被告人となります。

起訴(公判請求)となれば、通常、被告人は引き続き身柄が拘束されます。この起訴後の裁判段階において身柄を解放させるには、“保釈”という手段を取ります。

上でも述べましたが、保釈とは、一定の保釈の要件を満たすことを前提として、保釈保証金(以下、保釈金)を支払うこと、保釈条件を順守することを条件に裁判官の判断で被告人の身柄を解放してもらう手続のことです。重大事件や否認事件、共犯事件、実刑が予想される場合以外の場合は通常保釈されることが多いといえます。

保釈金の相場は案件によって異なりますが、200万円を一つの基準と弁護士としては理解しています。保釈金を用立てることができない場合には、手数料がかかりますが、日本保釈支援協会の保釈金立て替え制度をご利用いただけます。

逮捕・勾留されたまま起訴されると、起訴されてから裁判が終わるまで、かなり長い期間、身柄が拘束され続けることになります。その場合、ご家族(被告人)の精神的ダメージは相当な負担になっているはずです。したがって、一日も早く保釈請求を行い、身柄を解放させてあげることが重要となります。

保釈の流れ

保釈の流れ

  1. (1)保釈請求
    裁判所に対して保釈を求めることです。
  2. (2)検察官の意見
    保釈の許可、もしくは却下をするにあたり、裁判官は検察官から意見を聞きます。なお、この検察官による意見が、保釈可否に対して、大きな影響をおよぼすと言われています。
  3. (3)裁判官面接
    保釈請求した弁護人などが裁判官と面接します。弁護人は、このタイミングで、保釈の必要性を裁判官に主張します。

保釈請求がなされ、保釈が許可、もしくは却下されるまでの一連の流れは、上記のとおりです。保釈請求から保釈の可否判断が下されるまで、だいたい3日前後かかります。

保釈金額の相場

保釈金の相場は、一般的に200万円前後であるとされています。ただし、この金額は被告人の経済状況や、事件の内容・性質によって左右されるため、一概には言えません。

保釈金は、被告人が証拠隠滅や逃亡を図ることなく、裁判にきちんと出頭していれば、裁判終了後に返却されます。

保釈を認めさせるのに効果的な4つの主張

裁判官に保釈を認めてもらうためには、以下の4点を主張・立証することが大切です。

  • 被告人に逃亡のおそれがないことを主張する。
  • 被告人に証拠隠滅のおそれがないことを主張する。
  • 被告人が事件関係者(被害者・共犯者)と接触するおそれがないことを主張する。
  • 保釈後、被告人の身元を引き受ける身元引受人の存在を主張する。

保釈の種類“3つ”

保釈には、権利保釈、裁量保釈、義務的保釈の3種類があります。

権利保釈

保釈請求がなされたとき、以下の6つの項目のいずれにも該当しなければ(つまり1つでも該当すれば保釈不可)、裁判所は保釈を認めなければなりません。これを、権利保釈と言います。(刑事訴訟法第89条)

  1. (1)被告人が、死刑・無期・短期1年以上の懲役刑や禁固刑にあたる罪の有罪宣告を受けたとき。
  2. (2)以前に死刑・無期・長期10年を超える懲役刑や禁固刑にあたる罪の有罪宣告を受けたことがあるとき
  3. (3)被告人が常習として長期3年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪の有罪宣告を受けたとき。
  4. (4)被告人に、罪証隠滅のおそれがあるとき。
  5. (5)被告人に、被害者やその事件の関係者や親族の身体もしくは財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をするおそれがあるとき。
  6. (6)被告人の氏名または住所が分からないとき。

なお、上記(4)の理由により、保釈請求が認められないケースが多いです。

裁量保釈

上記の6つの項目のいずれかにあたる場合であっても、裁判所が適当であると認めれば、裁判所の職権で保釈を許可することができます。これを裁量保釈と言います。(刑事訴訟法90条)

義務的保釈

勾留期間が不当に長くなったとき、保釈請求権者の請求、または裁判所の職権によって、裁判所は保釈を認めなければなりません。これを義務的保釈と言います。(刑事訴訟法第91条第1項)しかし、現在はほとんど行われていません。

保釈のメリット

  • 常に監視されているという精神的ストレスから解放されます。
  • 身柄解放により、いつでも弁護士との打合せが可能になるなど、事件解決に向けて万全の体制を整えられます。
  • ご家族のもとで、精神的に落ち着いた状態で裁判にのぞめます。

保釈中に気をつけるべきこと

裁判所から保釈許可決定が下されるとき、判決までの間に守らなければならない、いくつかの条件提示があります。もし、この条件に違反することがあれば、保釈を取り消され、ただちに勾留されます。また、保釈金も没収されてしまうため、この条件は必ず守るべきです。

条件提示の内容は、事案に応じて変わりますが、代表的な条件は以下のとおりです。

  • 住居の指定
  • 旅行の制限(事前に裁判所へ許可を受ける)
  • 裁判所への定期的な状況報告
  • 共犯者や被害者との接触禁止
  • 住居変更の制限
  • 公判期日に裁判所へ出頭しなかったとき
  • 証拠隠滅を図ったとき         など