刑事事件の流れに関する質問

納めた保釈金は戻ってくるのでしょうか?

原則、保釈金は戻ってきます。
保釈とは、簡単にいえば「保釈金を裁判所へ預けるので、身柄を開放して日常生活を送らせて欲しい。もし、自分が逃亡や証拠隠滅を図ったら、そのお金は没収されても構わない」と約束して解放してもらうものです。
それゆえに、保釈金は裁判所へ納める金銭というよりも、むしろ“人質”として裁判所へあずけておく金銭であるといえます。
ですので、特に逃亡などせず無事に裁判が終われば、預けた保証金はきちんと返還されます。
返還方法は、多くは担当した弁護人の銀行口座への振り込みになります。

しかし、逃亡や証拠隠滅を図ったり、正当な理由がないのに出頭しなかった場合には、保釈金は没収されてしまいます。
具体的には次の場合に没収されます。(刑事訴訟法96条)
・被告人が、召喚を受けたのに正当な理由もなく出頭しないとき
・被告人が逃亡してしまった場合、もしくは逃亡するのではないか?と疑ってしまうほどの理由があるとき
・被告人が証拠を隠した場合、もしくは証拠を隠してしまうのではないか?と疑ってしまうほどの理由があるとき
・被告人が、被害者や事件の審判に必要な知識を持っていると認められる者、もしくはその親族などの身体や財産に危害を加えたり、加えようとした場合、もしくはそれらの者たちに恐怖を与える行為をしたとき
・被告人が住所の制限や裁判所が定めた条件に違反したとき
・刑が言い渡され判決が確定したのち、保釈された者が執行のために呼出を受けたにもかかわらず、きちんとした理由がないのに出頭しないとき、もしくは逃亡したとき
以上となります。

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