性犯罪 [公開日]2018年2月7日[更新日]2021年1月28日

青少年保護育成条例違反とは?逮捕後、不起訴のためにできること

青少年保護育成条例とは、青少年の健全な保護育成を図ることを目的とした、各地方公共団体が定める条例の総称です。各地方公共団体がそれぞれ独自に制定しているもので、全国の都道府県が制定しています。

条例では、青少年の健全育成についての基本理念や、都道府県及び保護者・都民や県民・事業者の責務を明らかにした上で、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為を防止することによって、青少年の健全な育成を図ることを目的としています。

今回は、この青少年保護育成条例に違反してしまった際の事案について、詳しく解説させて頂きます。

1.青少年保護育成条例について

(1) 規制の内容

各地方公共団体による差異はありますが、青少年保護育成条例の規制内容としては、概ね以下のようなものが挙げられます。

  • 青少年の深夜外出の制限
  • 青少年の深夜営業施設への立ち入り制限
  • 青少年への有害図書販売の禁止
  • 青少年への有害がん具(大人のおもちゃやバタフライナイフ等)の販売禁止
  • 青少年が着用した下着の買受の禁止
  • 青少年とのみだらな性行為(一般に淫行といいます)の禁止

ここで言う青少年とは、18未満の者のことを言い、性別は問いません。

中でも、泉総合法律事務所へ同条例に違反したとのご相談に来る方は、「青少年と性行為をしてしまった」という方が多いです。

「みだらな性行為」を規制する条文(淫行処罰規定)は、通称「淫行条例」といわれています。

(2) 淫行条例の罰則

青少年とみだらな性行為(淫行)をした場合、例えば「東京都青少年の健全な育成に関する条例」では、罰則として、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
青少年健全育成条例違反の公訴時効は違反行為から3年です。

東京都青少年の健全な育成に関する条例
第18条の6 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

「みだらな性交又は性交類似行為」とは次の行為を指します(※)。

①青少年を誘惑・威迫・欺罔・困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為
②青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為
③婚約中や真摯な交際関係にある場合は除きます。

「淫行」の解釈に関する最高裁昭和60年10月23日判決

なお、お金を払って青少年と性行為(淫行)をした場合、青少年保護育成条例違反だけではなく、児童買春の罪(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反)も成立し、通常は、より刑の重い児童買春の罪に問われます。

児童買春は、5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科する重い罪です。

[参考記事]

児童買春・援助交際の罪|逮捕される?初犯での処罰内容は?

【18歳未満と知らなかった場合】
相手が18歳未満とは知らなかった、とのご相談もあります。「18歳以上であることを確認しないと登録できないサイトを通じて知り合った」と説明したのに警察が納得してくれないという例もありました。
裁判では、被疑者には18歳未満と知らなかったと証明する責任はありません。18歳未満と知っていたことを立証する責任は検察側にあり、18歳未満と知っていなければ処罰できないので、捜査機関側は「18歳未満ではないと思っていましたが、もしも18歳未満でもかまわないと思って性行為をしました」と、いわゆる「未必の故意」を認める供述をさせようとします。しかし、取調の圧力に負けて、これを認めてしまえば、事実と異なる犯罪で処罰されることになってしまいます。
このような場合には、青少年保護育成条例違反などの刑事弁護経験が豊富な弁護士にご相談されることをお勧めします。

2.淫行をしてしまった場合の対処法

以下では、特に淫行条例違反について説明していきます。

(1) 逮捕後の流れ

淫行条例違反が発覚すれば、警察に逮捕されることが通常です。

逮捕されると、警察の留置場に留置されて取り調べを受け、48時間以内に検察庁に身柄を送致されます。
そこで、今度は検察官から取り調べを受けて、検察官が10日間勾留して身柄拘束する必要があるかどうかを判断します。

検察官が勾留の必要があると判断すれば裁判官に対して勾留請求を行います。勾留請求は送致から24時間かつ逮捕から72時間以内に行わなくてはなりません。

勾留請求を受けた裁判官は、犯罪の嫌疑があり、逃亡や証拠隠滅の危険があれば勾留を決定します。

青少年保護育成条例違反(淫行条例違反)の場合、多くは10日間の勾留請求がされると考えるべきでしょう。稀に逮捕されないこともあります。

10日で捜査が終わらなかった場合、さらに最大で10日間勾留が延長されることになります。
つまり、逮捕後の身柄拘束期間は最大23日間となるのです。

検察官はその間に、起訴・不起訴の判断をします。
起訴された場合、例え罰金刑でも前科がついてしまいます。

(2) 逮捕後の刑事弁護(勾留阻止・示談)

では、青少年保護育成条例違反(淫行条例違反)が発覚し逮捕された場合、弁護士に依頼することでどのような弁護活動を行ってくれるのでしょうか?

①勾留阻止活動

まず、弁護士が意見書などを検察官に提出して働きかけることで、裁判所への勾留請求を阻止し、早期釈放されることも多くあります。

また、検察官が裁判所に勾留請求をした場合には、裁判所向けの意見書などを作成し、裁判官に面会するなど働きかけて勾留決定を阻止します。

泉総合法律事務所では、このような弁護活動の結果、勾留決定されずに釈放となった実績が多数あります。

それでも裁判官が勾留決定をした場合には、準抗告を提起します。

[参考記事]

勾留請求・準抗告とは?釈放を目指すなら泉総合法律事務所へ!

泉総合法律事務所は、準抗告まで全力で取り組み、被疑者の身柄釈放のために最善を尽くしており、過去に4週間出廷で準抗告が認容されて釈放されたことがあります。

[解決事例]

出会い系サイトで身分を偽り未成年と性行、同種前科あり


②示談交渉

条例違反の罪に問われた方に対する一番重要な弁護活動は、相手方である青少年とその家族への謝罪と被害弁償の申し入れ、交渉を行い、示談を成立させることです。

青少年側と示談できても被害者は社会であって青少年ではないため、必ず不起訴になるわけではありません。
検察官は、青少年に対する謝罪と弁償の有無、そして前科の有無や犯行態様、被疑者の反省状況、再犯防止を全て踏まえた上で、①不起訴(起訴猶予)とするか、②略式命令請求で裁判所に罰金刑を求めるか、③公判請求で裁判所に法廷での裁判を求めるか、いずれかの処分を決めることになります。

とは言え、示談が成立した事件については、不起訴となり、処罰されないケースが多くあります。

ここで問題となるのは、示談交渉の相手です。

性行為の相手方が18歳未満の青少年である場合、示談交渉の相手は、青少年本人ではなく、親権者である両親でなければなりません。法律上、20歳未満は親権者の同意なく示談などの契約行為を行うと、後で保護者が取り消すことができる定めとなっているからです。

保護者の方は、自分の子供がこのような目にあって大変怒っていらっしゃる方が多いです。
特に出会い系のサイトやSNSで知り合った場合ですと、性行為の相手がどんな人間かわからない分、青少年の保護者は感情的になります。

したがって、淫行条例違反の示談活動は難航する場合が多いです。

話し合いの申し入れに応じてくださった保護者の方には、弁護士が被疑者に代わって謝罪を尽くし、いかに被疑者が反省しているかを伝え、被害を受けた青少年や保護者の方の気持ちに寄り添い、示談のお願いを致します。

結果として、こちらの意向を汲んで頂き示談してくださる方や、嘆願書という被疑者の処分を軽くするよう求める旨の書面を作成してくださる方も少なからずいらっしゃいます。

このような示談交渉はノウハウが必要となりますので、刑事事件の示談経験が豊富な弁護士をしっかり見極めて刑事弁護を依頼することを強くお勧めします。

[参考記事]

刑事事件における示談の意義、タイミング、費用などを解説

3.青少年保護育成条例違反で逮捕されたら泉総合へ

相手が18歳未満と知っていた、知らなかったに関わらず、青少年保護育成条例違反(淫行)で検挙されてしまった場合には、経験豊富な弁護士に刑事弁護依頼することをお勧めします。

青少年の保護者との示談交渉は非常に難航することが多いですが、性犯罪では示談できるか否かがその後の処分に大きく関わってきます。

泉総合法律事務所には示談経験が豊富な刑事弁護に強い弁護士が多数在籍しております。逮捕されてしまったり、逮捕されそうで不安に感じていたりする人は、お早めにご相談ください。

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