刑事弁護 [公開日]2017年11月28日[更新日]2021年1月8日

刑事事件における示談の意義、タイミング、費用などを解説

刑事事件を起こし逮捕された際、釈放・不起訴となるためには、個人を被害者とする犯罪では、「示談」が必要不可欠になります。

被害者が存在する犯罪の場合、被疑者・被告人の依頼にもとづいて、弁護士は示談の成立に向け弁護活動をします。

今回は、刑事事件における示談の意味・刑事事件で示談する方法と手順・刑事事件の示談の示談金相場と注意点などについてわかりやすく解説していきます。

1.刑事事件における示談の意義

刑事事件における「示談」とは、被疑者が被害者に一定の金銭(示談金)を支払う代わりに、被疑者を許してもらう合意をして実際に示談金を支払って、その証拠となる示談書を作成することです。

示談金の支払いによって被害が金銭的に回復し、示談書に「宥恕文言」(※)が記載されることで、被害者の処罰感情が無くなったことが明らかとなるため、被疑者に有利な事情として考慮されるのです。

※宥恕(ゆうじょ)とは、許すことを意味します。被害者による「宥恕する」、「処罰を望まない」、「寛大な処分を望む」などの記載を宥恕文言と呼びます。

被害届や刑事告訴状が提出されている場合には、これらを取り下げる旨の記載も示談書に盛り込んでもらいます。

(1) 示談が成立した場合

示談成立の事実は、起訴後の公判において裁判所から有利な事情として斟酌され、刑期や罰金額の軽減、執行猶予付き判決が期待できます。

起訴前の段階でも、検察官が起訴・不起訴の判断をする際に被疑者に有利に働きます。告訴を起訴の条件とする親告罪では、示談に伴う告訴取り下げにより不起訴となります。

さらに、早い段階で示談を成立させることができれば、被疑者を身体拘束から早期に解放できる可能性があります。

(2) 示談が成立しなかった場合

示談の努力をしたが、被害者の処罰感情が高く、どうしても示談書の作成に応じてくれなかった場合でも、次善の策をとることによって、示談交渉の努力を無駄にしないことができます。

①宥恕文言の記載は拒否されても、示談金だけは受け取ってもらえる場合は少なくありません。その場合は、宥恕文言抜きでの示談書作成に応じてもらい、金銭的な被害は回復されたことを明確にします。

②示談金は受けとるものの、宥恕文言抜きの示談書の作成にも応じてもらえない場合は、示談金であることを明示した領収書を発行してもらいます。

③示談金の受け取り自体を拒否された場合は、法務局へ供託することも一考に値します。あるいは示談金に相当する金額を弁護士会などへ贖罪寄付し、犯罪被害者のために役立ててもらうことも被害者、被告人にとり有利な事情となります。

④そして、誠実に交渉したが、合意に至らなかったという事実経過を報告書にまとめって裁判所・検察官に提出し、被疑者・被告人側の真摯な反省と被害回復に向けた努力を知ってもらい、最大限被疑者・被告人として誠意を尽くしたことを伝えて有利な事情としています。

示談においては、宥恕文言を得られることが最善です。しかし、これを得ることができなくとも、示談に向けて真剣に対応した姿勢は、被疑者・被告人にとり有利な事情として評価されます。

示談できない場合どうすればよいか?詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

[参考記事]

示談できない、示談不成立、示談を拒否された場合の対処法を解説

2.示談の方法

このように、痴漢・盗撮・窃盗など、被害者のある犯罪の場合、被疑者・被告人の処分結果に最も影響を与えるのが被害者との示談です。
そのため、処分を軽くするには、いかに早期に示談を成立させることができるかにかかっているともいえます。

しかし、示談の成否は、被害者の心情にかかっています。

被疑者側は、ただでさえ犯罪被害によって精神的に大きく傷ついています。さらに示談交渉に応じなくてはならない精神的負担は計り知れません。

被害者が加害者側からのいかなる連絡も拒否し、示談の話どころではない場合も珍しくはありません。

そもそも被疑者と被害者が面識なく、被害者の連絡先がわからない場合が大半ですが、捜査機関は被害者の連絡先を被疑者側に教えることは被害者プライバシーに関わるため決してありません。

そのような場合でも弁護士の場合は、被疑者に教えないことを条件に、捜査機関は被害者の承諾をえて被害者の連絡先を取得することになりますが、弁護士がいない場合には被害者の連絡先は分かりませんので、示談交渉を開始することは不可能です。

また、仮りに被疑者・被告人が被害者と連絡が取れても、事を急げば、被害者の心情をさらに害してしまい、逆効果を招かないとも限りません。示談交渉は、すべてにおいて、慎重さが求められます。

そうすると、被害者との折衝は刑事弁護のプロである弁護士に委ねるべきです。

3.刑事事件における示談金の相場

支払う側として、示談金の相場は気になる方が多いでしょう。
示談金について、罪種ごとに相場を見いだすことが可能なのでしょうか?

同じ罪種に属する犯罪であっても、事案ごとに、犯行に至る経緯・動機・目的、犯行の方法、犯罪の結果の重大性が異なり、被害の深刻さや被害感情は一律ではありません。したがって、罪種ごとに相場を見いだすことは難しいと言わざるを得ません。

確かに、例えば財産犯(窃盗・強盗・詐欺・恐喝・横領など)の場合は、基本的には侵害された財産の経済的価値に相当する金銭を支払うことになります。つまり被害弁償です。

しかし、一般的には財産的価値の乏しい物でも、被害者にとっては主観的な価値(例えば、形見の品や思い出の品等、その人にとっては高い価値がある場合)があるケースもあり、市場での価値に見合う被害弁償金で納得を得られるとは限りません。

さらに、被害に遭った際の恐怖等の被害感情や、捜査への協力等の被害者の負担も勘案しなければなりません。これらは精神的損害として慰謝料で補てんされることになり、これも示談金に含めることになりますが、精神的な被害の程度は、犯行内容や被害者の受け止め方によって一様ではなく、事案によって異なるとしか言えません。

したがって、罪種ごとの示談金の相場を導き出すことは、難しいといわざるを得ません。

また、実際の事件では、被疑者・被告人側の支払能力が決定的な要素になることも少なくありません。

相場の金額云々以前に、無い袖は振れません。
仮に相場の金額よりも低額の示談金しか提示できなくとも、それが加害者側の資力の上限であれば、被害者側としては、受け取りを拒否して金銭賠償を諦めるか、提示の金額で我慢するかしか、事実上の選択肢がありません。

4.示談の弁護士費用

示談交渉は弁護士に依頼をするべきというのは先述の通りですが、実際に刑事事件を依頼した場合、弁護士費用はどのくらいになるのでしょうか?

弁護士費用は日弁連の報酬基準が廃止されたためオープン価格となっており、弁護士事務所によって異なります

刑事事件では、着手金が20万円~30万円程度、不起訴などを勝ち取った場合の成功報酬も同額程度というケースが一般的です。また、示談交渉を伴う場合には多くの事務所で弁護士費用を加算しています。

ただし、早期釈放を実現したり、示談を成立させたりした場合に、別途の成功報酬が必要となる事務所もありますし、それらも基本料金に含まれている事務所もあって様々です。

したがって、着手金や報酬金については、各事務所のホームページや初回相談時に事前に確認するようにしましょう。

当事務所の、弁護士費用に関しては「弁護士費用のご案内」のページをご覧ください。皆様がご利用しやすい、リーズナブルの弁護士費用となるよう心がけております。

5.刑事事件の示談交渉は泉総合法律事務所へ

被害者のある犯罪においては、被害者に犯罪事実について許してもらい、示談してもらうことが非常に重要です。

もし刑事事件で逮捕されてしまい釈放されたい場合、不起訴になりたい場合、在宅事件でも罰金刑などによる前科を免れて不起訴になりたい場合には、お早めに刑事弁護経験が豊富な泉総合法律事務所の弁護士に相談してください。
刑事事件に強い泉総合の弁護士が全力で刑事弁護に取り組んでいきます。

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