痴漢 [公開日][更新日]

痴漢の逮捕後の流れと弁護士に示談交渉を依頼するメリットとは?

痴漢の逮捕後の流れと弁護士に示談交渉を依頼するメリットとは?

【この記事を読んでわかる事】

  • 迷惑防止条例違反の痴漢と強制わいせつ罪の痴漢の違いとは?
  • 迷惑防止条例違反の痴漢で逮捕された場合、釈放されるにはどうすればよいか?
  • 痴漢被害者と示談する方法不起訴処分に必要なことはなにか?

 

痴漢事件の容疑者として逮捕されてしまった場合には、早期の身柄釈放や不起訴処分の獲得のため、できる限り早急に示談交渉を行う必要があります。

「痴漢罪」という犯罪はなく、逮捕されると、「迷惑防止条例違反」か、「強制わいせつ罪(刑法176条)」のいずれかの罪に問われます。

泉総合法律事務所では、早期の身柄解放を目指した痴漢事件の弁護活動を、東京・神奈川・千葉・埼玉などの首都圏エリアを中心に行っております。

この記事では 、「強制わいせつの痴漢」と「迷惑防止条例違反の痴漢」の違いと、逮捕後の流れ、罰金、刑罰、示談交渉を弁護士に依頼するメリットについて、長年の実務経験を経た当所の弁護士が解説します。

1.強制わいせつの痴漢で逮捕されたら

痴漢の中で最も悪質なものは、下着の中に手を入れるものです。

このような痴漢は強制わいせつ罪に該当し、発覚して検挙されれば通常、警察に逮捕され、留置場で身柄拘束されて取り調べを受けます。

(1) 逮捕・勾留

逮捕されてからは48時間以内に検察庁に身柄送検され、検察官が、取り調べを経て裁判官に10日間の勾留請求をするかどうかを判断します。強制わいせつの痴漢の場合、ほぼ確実に勾留請求を行います

裁判官は勾留請求を受けたら勾留質問を行い勾留決定するかどうか判断しますが、強制わいせつの痴漢は極めて悪質であるため、ほぼ確実に勾留決定をされます。その結果、10日間の勾留後、さらに勾留延長されると合計20日間勾留されることになります。

このような長期の勾留となれば、会社に痴漢の件が発覚することが通常でしょう。仮に警察沙汰が会社に知れなくとも、会社が納得できる理由を家族が説明することは難しいでしょうから、無断欠勤として会社を解雇されることが多いです。

勾留延長となり20日間が経過すると、正式起訴されることになり、勾留が継続します。

痴漢で解雇されないためにどうすればよいか知りたい方は、下記記事をご覧ください。

参考:「痴漢で解雇されないために知っておくべきこと

(2) 起訴・保釈

起訴後の勾留から解放されるには、裁判所に保釈を認めてもらう必要があります。

被疑者が容疑を認めている場合には、逃亡や証拠隠滅などの恐れがないでしょうから、家族が身元引受人となり、弁護士が保釈申請すれば通常は裁判所が指定する保釈金の納付を条件として保釈が認められます。

家族が逮捕された時、何をすべきか詳しく知りたい方は、詳しくは「夫が痴漢で逮捕された場合、釈放されるには?妻にできることとは?」をご参考ください。

もっとも、強制わいせつの非親告罪化の背景にある性犯罪の厳罰化を考えると(示談ができていない場合には特に)保釈がなかなか認められないこともあります。

東京地裁ですと、保釈申請から保釈決定まで土日祝日を除き、起訴後最短3日間で保釈されます。被疑者、被告人が起訴事実を否認していれば「逃亡の恐れがある」と判断されますので、通常裁判所は保釈決定を出さないと考えてください。

①性犯罪の厳罰化

以前は、勾留された場合でも、弁護士に早期に被害者と示談してもえれば告訴取消をしてもらうことで不起訴となりました。しかし、平成29年7月13日から施行の「刑法改正」により、強制わいせつ罪は非親告罪になりました。よって、被害者と示談したから必ず不起訴となるわけではありません。

程度の軽い痴漢なら罰金刑ですが、強制わいせつの痴漢については罰金刑がないため、起訴されて正式裁判となります。

(3) 判決

強制わいせつの痴漢は、初犯であれば執行猶予がつくことが大半でした。しかし、前述の通り、性犯罪の厳罰化の流れを考えると、同種前科があれば実刑の可能性もあります。つまり、起訴前後の示談の重要性はこれまで以上に強くなってきます。

2.迷惑防止条例違反の痴漢で逮捕されたら

(1) 通常の痴漢の場合−任意捜査

迷惑防止条例違反の痴漢は、犯行を認めれば逮捕されず、当日警察署で供述調書を作成し解放されます。よって、会社に知られることは通常ありません。

警察は、解放する時に家族に連絡して、身元保証人として警察署まで迎えに来てもらいます。家族がいないか連絡が取れない場合には、警察官が被疑者の自宅にパトカーなどで送っていき、自宅を確認して解放します。

例外的ですが、家族と連絡が取れないなどの場合に、会社の上司に連絡して身元引受人として警察に迎えに来てもらうこともあります。その場合には当然会社に事件のことが知られてしまいます。

・意図せず手の甲・指が触れた場合、押し付ける行為

所謂「通常の痴漢(軽い痴漢)」とは、衣服の上から触る態様の痴漢です。満員電車では、意図しないで近くの女性の体に手が触れることもあります。それ自体は迷惑防止条例違反の痴漢にはあたりません。

しかし、触れた手をそのままにして女性の体に押し付けておくことは痴漢にあたります。このような痴漢で警察に検挙されたケースも少なくありません。エレベーターで先に乗っている女性の隣を通り抜ける時に、手でさっとその女性のお尻を触ったという場合も、典型的な例ではありませんが痴漢にあたります。

満員電車などで男性が自身の体の一部(手の甲や下半身の一部など)を女性の胸や下半身などに押し付ける行為も、押しつけ痴漢となります。

(2) 悪質な痴漢の場合−逮捕・勾留

同一女性を対象として連続して痴漢を行なっていた場合には、迷惑防止条例違反の痴漢であっても悪質とみなされ、警察に検挙された場合には逮捕勾留の強制捜査ということもありえます。

・マスコミの実名報道基準

悪質な痴漢で職業が公務員、教員、医師、歯科医師、弁護士などの公的資格者、公益企業従業員、大企業社員などは、一罰百戒の意味を込めて実名報道されることが多いです。新聞やテレビで報道されなくとも、インターネットニュースで報道されることがあります。

痴漢の実名報道の基準に関して詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
参考:「痴漢逮捕後に容疑者の実名報道される基準はあるのか?

痴漢でインターネット報道されると、会社に知られて解雇されるなど、被疑者の人生を左右する状況に追い込まれる可能性が高くなります。

公務員や教員が痴漢、盗撮など刑事事件を犯すとどういう処分が下さるか?詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
参考:「公務員・教員の刑事事件(盗撮、人身事故、傷害など)と懲戒処分

3.痴漢を処罰する条例と罰金

(1) 強制わいせつにあたる痴漢

主として下着の中に手を入れる行為が、強制わいせつにあたる痴漢になります。

刑法176条
「13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」

(2) 迷惑防止条例違反にあたる痴漢

東京都

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例5条1項
「何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。」

罰則「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」

千葉県

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例3条2項
「何人も、女子に対し、公共の場所又は公共の乗物において、女子を著しくしゆう恥させ、又は女子に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。男子に対するこれらの行為も、同様とする。」

罰金「6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」

埼玉県

埼玉県迷惑行為防止条例2条4項
「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞(しゆう)恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。」

罰金「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」

神奈川県

神奈川県迷惑行為防止条例3条
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例3条
「何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。」

罰則「6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」

迷惑防止条例違反にあたる痴漢の罰金・処罰に関する条例は、各都県で表現は異なりますが、痴漢の内容、要件、刑罰に違いはありません。

都県によっては痴漢などの性犯罪に対して厳しい対応をするところもありますが、泉総合法律事務所は1都3県で刑事弁護活動を行っていますので、各都県の対応に応じた刑事弁護活動を十分心得て行っております。

詳しくは、こちらの記事「迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪の違い~痴漢の罪名、罰則、罰金」もご参考ください。

“罰金刑”であっても前科が付きます

また “罰金刑”であっても前科が付きます。この点は特にご注意いただきたい点です。通常の裁判を行わず、簡単な書面審理で終わる“略式手続”によって罰金刑を受けた場合、多くの方は、あまり深刻に捉えず、「どうせ前科もつかないでしょ?!」と軽く考えてしまうのではないでしょうか。しかし、その認識は危険です。

前科がつくことで、解雇されてしまうリスクのある職業もありますので、甘く見てはいけません。

4.被害者との示談交渉を弁護士に依頼するメリット

未成年者との淫行・売春2

(1) 痴漢事件では示談が重要

それでは、痴漢事件における示談にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、迷惑防止条例違反にあたる痴漢について解説します。

起訴前の刑事事件において、被疑者(加害者)への処分を決めるのは検察官です。そして、痴漢事件のように被害者が存在する刑事事件の場合、検察官が処分を決める上では、被害者の処罰意思の有無が重要な考慮要素となります。

(2) 痴漢事件弁護を弁護士に依頼する理由

そもそも、痴漢事件の被害者は、これまでに加害者と面識がないケースがほとんどです。そして、検察官や警察官は性犯罪の場合は、被害者の個人情報を加害者本人には教えてくれません

そのため、弁護士に依頼しなければ、そもそも被害者と連絡をとること自体が困難です。

刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、警察ではなく担当の検察官に連絡して、被害者の連絡先を示談交渉のため教えてくれるよう依頼します。被害者が了承してくれれば、検察官から弁護士に被害者の連絡先を伝え、弁護士から被害者に連絡して示談交渉となります。

大半の場合は連絡先を教えていただけますが、もとより教えたくないという被害者の方も一定数いらっしゃいます。

(3) 被害者が未成年の場合

被害者が未成年(20歳未満)の場合には、示談交渉の相手方は被害者の両親となります。

「わが子になんてことをするんだ!」という親としての怒りは当然のことながら強いものですので、示談していただけない被害者の方もいらっしゃいます。しかし、弁護士が誠意を尽くして交渉することで、示談していただくことも多いです。

(4) 痴漢の示談金相場

痴漢事件の具体的な示談金額は(痴漢の悪質性や被害感情にもよりますが)、30万円前後で示談を成立させるケースが多いといえます。

また、場合によっては、事件を起こした電車を特定の時間は使わない、普段被疑者が使用しない電車(路線)であればその電車(路線)は使用しない、などといった附随的な条件を組み入れる場合もあります。

(5) 示談成立、初犯であれば不起訴

無事に示談がまとまった場合には、弁護士が被害者との間で示談書を作成し、これを検察庁に提出することになります。担当検察官は、提出された示談書の内容を基に本件に関する処分を決定しますが、初犯であれば通常不起訴処分となります。これが、痴漢事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリットになります。

当所では、様々な痴漢の刑事事件に取り組み、多くのケースで示談していただいております。万が一事件を起こしてしまった場合には、まずは無料相談をご利用ください。

【事例2】酔って痴漢して夫が逮捕→奥様がすぐに弁護士依頼・不起訴処分

6.痴漢の弁護士費用

ここからは、起訴前弁護の弁護士費用について説明いたします。

痴漢の弁護士費用は、強制わいせつにあたる痴漢か、迷惑防止条例違反の痴漢か、逮捕された身柄事件か、逮捕されない在宅事件かで異なってきます。

もちろん事務所によって費用は異なってきますが、ここでは泉総合法律事務所での弁護士費用をご紹介させていただきます。

着手金
強制わいせつ20万円(税別)
迷惑防止条例違反20万円(税別)
準抗告と勾留阻止釈放の成功報酬
強制わいせつ20万円(税別)
迷惑防止条例違反20万円(税別)
接見費用(通常1事件につき4〜5回)
強制わいせつ1回につき日当2万円(税別)
迷惑防止条例違反1回につき日当2万円(税別)
示談成立、不起訴の成功報酬
強制わいせつ30万円(税別)
迷惑防止条例違反30万円(税別)

迷惑防止条例違反の痴漢の場合は、初犯であり犯行形態が悪質でなければ、逮捕・勾留される可能性が低いです。その場合、準抗告と勾留阻止釈放の成功報酬、及び接見費用は不要となります。

痴漢の在宅事件に関して詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
>>参考:要注意!痴漢で在宅事件・在宅捜査になった場合にこそするべきこと

刑事事件に関する弁護士費用に関して詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
>>参考:刑事事件の弁護士費用(盗撮、強制わいせつ、痴漢等)のご説明

痴漢の刑事弁護は泉総合法律事務所まで

痴漢など絶対にしないと思っていても、ふと魔が差して痴漢をしてしまった、ということは誰にでもあり得ることです。迷惑防止条例違反の行為といえども、逮捕・起訴されたりしますし、処分が罰金であっても前科となります。

不起訴などで最終処分を有利に導くためには、刑事弁護の経験豊富な弁護士に弁護依頼をしてください。

泉総合法律事務所は、刑事事件、中でも痴漢の弁護経験につきましては大変豊富であり、勾留阻止・釈放の実績も豊富にあります。

  • 痴漢をしてしまった
  • 逮捕されてしまった
  • 前科を付けたくない
  • 被害者と示談したい

という方は、お早めに泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください

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