会社や学校に知られたくない

会社・学校に知られたくない

一般的には、逮捕されたとしても職場や学校に連絡がいくことはありません。

ただし、職場や学校内に、事件に関する証拠や関係者などが存在する場合は、捜査という形で警察から連絡がいく可能性があります。また、警察から連絡がいかなかったとしても、逮捕勾留によって長期間の無断欠勤・無断欠席が続いてしまうと、事情を説明しなければならなくなり、結果的に職場や学校に知られてしまいます。

長期間の逮捕勾留の失職・退学リスク

会社や学校へのとりあえずの言い訳理由として病気で出勤できない、あるいは通学できないというものが考えられますが、会社ですと、それだけ長期の欠勤の場合には、病気なら通院ないし入院先の病院の通院証明書とか診断書を提出するように求めるのが通常でしょう。

そのような書類を提出できなければ会社に嘘をついたことになり、いずれ会社に分かってしまうということです。学校の場合も同様です。しかも、もし会社を解雇になったり・学校を退学になったとしても、警察がその損害を補償してくれることはありません。

このように、長期間の逮捕勾留は失職や退学のリスクが生じますので、一日でも早く元の日常生活に戻れるようにすべく逮捕勾留されたら、刑事弁護経験豊富な弁護士に刑事弁護を依頼して、早期に釈放のための弁護活動をスタートさせることが重要です。

会社に知られずに解決できるか?

業務上横領や被害者が同僚であるケースでは、すでに勤務先に発覚しているため、解雇など何かしらの懲戒処分を受けることは確実です。懲戒処分は就業規則に基づいて会社が下す処分ですので、就業規則をよく読むことをお勧めします。しかし、業務中ではなくプライベードで起こった犯罪であれば、会社に発覚するリスクはほとんどありません。

警察が捜査のために連絡することはありますが、事件が会社と無関係であれば、通常、連絡しません。ただし、警察からの連絡を無視したり、忙しさからずっと出ないでいたりすると、会社へ連絡されてしまうこともありますし、場合によったら逃亡の恐れありとして逮捕される可能性もありえます。

会社には連絡しないよう警察に訴える

痴漢や盗撮などが発覚して警察に連行されると警察で取り調べを受けるのですが、取り調べが終わり解放されるときに身元引受人、通常は家族に警察に迎えに来てもらいます。しかし、何等かの事情で家族が迎えに来れない時には、警察は会社の上司に連絡を取って、上司に身元引受人として迎えに来てもらうことがたまにあります。

そうすれば会社に犯罪のことが知られてしまいますので、警察に連行されるなど、取り調べを受けて終わった時には、会社には絶対に連絡しないよう強く警察に訴えましょう。

勾留が長引くと解雇の危険性が高まる

逮捕されると、48時間以内に検察庁に送検され検察官、裁判官の判断で10日間の勾留となることが少なくありません。場合によっては勾留が延長され最大20日間の勾留もありえます。このように勾留期間が長引くと、会社を長期欠勤することになり、場合によっては解雇されることもあります。

数日でしたら「体調不良」で押し通せても、勾留は最大で23日間続きます。そのため、その間ずっと「体調不良」で押し通すのはかなり困難です。もし明確な理由を告げないまま欠勤を続けてしまうと「無断欠勤」扱いとなり、解雇事由になりえます。

家族の心配

逮捕後に刑事弁護を依頼される家族の方は、今後の手続きの流れや処分結果に重大な関心をもちます。そして、それと同じくらい、会社にどう説明すればいいのかに関心を持ち、私ども弁護士に助言を求めます。しかし、これという理由が見当たらないのが現実です。

一つ言えることは、逮捕後の勾留を阻止して釈放を実現できる可能性も事案によってはあるため、勾留されるか釈放されるかがはっきりするまでは、体調不良で欠勤と伝えたらどうですかと助言します。もとより、判断するのは被疑者本人であり家族です。

解雇を避けるためには

勾留期間を少しでも短くする

勾留されている期間を少しでも短くし、早期に釈放されることが重要です。

長期欠勤の場合、被疑者のご家族に対して、「きちんとした欠勤理由を説明して欲しい」と会社から求められる可能性があります。このやり取りの中で逮捕勾留されていることが会社に知られてしまうケースがあります。

そういった事態にならないためにも、被疑者の方が一日でも早く釈放されて会社に復帰できるよう、弁護士は、検察官の勾留請求を思いとどまるように、家族の身元引受書や上申書、被疑者の上申書、弁護士意見書を検察官に提出して釈放を働きかけます。それで釈放となる場合も少なからずあります。

準抗告

検察官が裁判官に勾留請求した場合には、裁判官は勾留質問を被疑者に行い、勾留決定するかどうか判断します。この場面でも、弁護士は、検察官の勾留請求の判断結果を検討したうえで、新たに書類を作成しなおして、弁護士意見書などを裁判官に提出して勾留決定をしないよう、釈放するよう働きかけます。その結果勾留決定されず釈放となることもかなりあります。

裁判官が勾留決定した場合には、弁護士は裁判所に準抗告という裁判を申し立て裁判官の勾留決定を取消すよう求める活動を行います。準広告が認められる可能性はかなり低いのですが、当所で最近4週間連続4件準抗告が認容されて釈放されたこともありますので、最後まであきらめず取り組むことが重要だと思います。もっとも、重大事件や否認事件の場合には準抗告は認容されないとお考えください。

不起訴処分にする

大切なのは、刑事事件を不起訴処分で終わらせて、前科がつかないようにすることです。

刑事事件が会社に知られないまま進んだとしても、“前科(罰金も前科です)がついた場合、解雇事由にあたる”と就業規則で規定している会社もあるため、前科が発覚した場合には解雇事由にあたりますし、解雇を免れても昇進に悪影響を及ぼしますのでご注意ください。一般的に、公務員の場合、かなり厳しく規定されています。

公務員の場合

たとえば国家公務員の場合、死刑・懲役刑・禁固刑の有罪判決を受けると、執行猶予が付いていたとしても例外なく失職となります。もし罰金刑や科料刑であっても失職の可能性があります。自動車の人身事故でも犯罪になり、被害者が重傷を負えば罰金刑ではすまず、正式裁判となり、執行猶予付きとはいえ懲役刑となることもあり、そうなれば失職となります。

また、地方公務員の場合は、ある程度は地方自治体によって差はあるようですが、厳しい判断がなされる傾向にあります。

したがって、スムーズに職場復帰するためにも、なるべく勾留されている期間を短くすること、かつ不起訴で事件を解決させることが最も重要となります。そのためには、刑事弁護経験豊富な弁護士に刑事弁護を依頼することを強くお勧めします。

参考:公務員・教員の刑事事件(盗撮、人身事故、傷害など)と懲戒処分

学校に知られずに解決できるか?

学校(中学・高校・大学ほか)に警察から連絡がいく?

会社の場合と同じく、警察から学校に連絡するケースはそう多くありません。学校内での犯罪、あるいは被害者も同じ生徒であるなど、学校が事件に関係していないかぎり、警察から積極的に学校に連絡することは稀です。ただし、勾留が長引くほど、学校への説明が難しくなる点は、会社への説明の場合と同様です。

退学を避けるためには

学校が事件に関係している場合、警察あるいは家裁の担当調査官から、「捜査のため」という理由で、学校へ連絡がいくことは考えられます。

ですので、学校への連絡を回避するため、弁護士に弁護を依頼して、弁護士から警察や担当調査官に対して「学校に知られると退学の危険性がある」「退学になると加害者少年の今後の更生に悪影響をおよぼす」ことをきちんと伝えて、学校に連絡がいかないよう事前に防止するよう取り組む必要があります。もっとも完全に学校への連絡を阻止できることまでは保障できません。

また、会社の場合と同じく、20歳以上の学生の場合には、在学中に前科(罰金など有罪と認められる)がつくと、退学処分や除籍処分になるケースが多いため、不起訴処分を勝ち取るための活動をしていきます。20歳未満の学生の場合には、少年事件となるので、前科はつきませんが、少年鑑別所への収容(観護措置)や保護観察だと何らかの処分を受ける可能性が高くなりますので、弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。

弁護士にできること

早期釈放に向けて迅速に行動

会社や学校に知られないためには、一日でも早く釈放されて復帰することが重要です。スピーディーな活動が求められるため、泉総合法律事務所ではご依頼いただいた直後から弁護活動を開始します。

逮捕勾留されないように全力を尽くすことはもちろん、もし勾留されていた場合は、早期に釈放するよう、捜査機関へ積極的に働きかけていきます。

解雇・退学を避けるためのアドバイス

会社や学校によっては、「犯罪に関与した場合、解雇・退学とする」と規則で定められている場合があります。

逮捕・勾留が会社や学校に知られると、その事実だけで悪い印象を与えてしまい、たとえ不起訴処分で無罪になったとしても、解雇・退学となってしまう可能性もあり得ます。

もしご本人やそのご家族が「不起訴処分だった」「無罪だった」といくら説明しても事態が改善されないようであれば、まず弁護士が検察庁に「不起訴処分告知書」を請求します。そしてその書面にて会社や学校に対し、不起訴処分・無罪であったことをきちんと説明して、理解を得られるよう働きかけていくことで、解雇や退学を回避します。

なお、不起訴処分告知書には罪名が記載されていますので、性犯罪の場合には告知書を会社や学校に提出するかどうかよく検討されることをお勧めします。

ご依頼後のメリット

  • 検察官の勾留請求阻止、裁判官の勾留決定阻止、準抗告などにより、早期解放によって、解雇・退学となるリスクを最大限、軽減させることができます。
  • 逮捕勾留による欠勤・欠席の理由をどのように伝えれば効果的なのかを、弁護士が経験にもとづいて助言します。(ただし、最終的には被疑者や家族に判断いただきます。)
  • 不起訴処分・無罪だった場合、不起訴処分告知書を受領して、会社や学校から理解が得られるよう、弁護士が働きかけます。