盗撮 [公開日]2018年8月23日[更新日]2019年11月11日

盗撮で職場を解雇される?解雇されないために知っておくべきこと

盗撮は、軽犯罪法や各都道府県の条例により禁止されています。もし盗撮で逮捕された場合、起訴・有罪となるのではないかと不安に思うでしょう。
それと同時に「勤務先をクビになってしまうかも…」「もう二度と仕事ができないのでは?」とお考えになるのではないでしょうか。

このようなご心配をしている方は、一刻も早く弁護士に相談してください。
適切なタイミングでご相談いただければ、解雇を回避し、不利益を最小限にできるかもしれません。

本記事では、ご不安を出来るだけ解消するために、ご相談の前に知っておいたほうがいい内容、盗撮で会社を解雇されないために知っておくべきことを解説いたします。

なお、盗撮について詳しくは、こちらのページをご覧ください。→盗撮とは

1.盗撮で解雇することができるのか?

警察・検察官は、原則として事件を勤務先に連絡しません。
職場が犯行現場でもあったり、盗撮した画像を職場のパソコンに保存してあったりといった、犯罪の証拠が職場に存在する場合はともかく、そうでない場合は犯罪捜査上職場に連絡する意味がない一方で、被疑者のプライバシーを害することになるためです。

しかし、長期にわたり無断で欠勤すると、心配になった勤務先が警察に所在を問い合わせる可能性があります。逮捕されたことをご家族が知らなければ、ご家族の連絡により勤務先が動き、その結果勤務先に事情が知れることもあり得るでしょう。

また、勤務先が役所や有名企業であるなどマスコミにとって話題性があると判断された場合、警察の発表した情報を元にテレビやネットニュースなどで盗撮の事実が会社に知られてしまうことがあります。

残念ですが、こうした第三者の活動により勤務先に犯行や逮捕の事実が知られてしまうことは基本的に阻止できません。

盗撮などの犯行が解雇まで発展するかは、勤務先の規定にもよりますが、どの事実が発覚するかが大きな分岐点になります。

具体的には、「起訴されて前科がついたか」「示談等で不起訴に終わり、前科がつかなかったか」が重要なポイントです。

(1) 民間企業の場合

一般の民間企業では、就業規則で「会社の名誉、対面、信用を毀損したとき」とか、「不名誉な行為をして会社の対面を汚したとき」を懲戒事由と定めていることがほとんどです。

罪を犯してもこれら懲戒事由に該当しない場合には勤務先は懲戒を行うことができませんが、懲戒事由に該当するか否かの解釈は、多くの場合幅広い行為が該当する方向でなされる傾向にあります。

そして、業務と無関係な私生活上の行いであっても、盗撮などの犯罪行為はこれに該当するとして、懲戒解雇を含む懲戒処分がなされることがあります。

しかし、法律論としては、業務と無関係な私生活上の非行行為で解雇を行うことはできないことが原則です。

最高裁の判例では、

「不名誉な行為が会社の対面を著しく汚した」と言うためには、その行為が会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合でなければならない(最判昭和49年3月15日)

として、私生活上の非行行為で懲戒できる場合は、非常に厳しく限定されているのです。

会社等を代表する立場にある人物ならばともかく、いち従業員が盗撮行為をしたことで、このような例外的なケースに該当することは通常ありません。

ましてや、示談が成立するなどして起訴もされなかった場合や、報道されることもなく事件そのものの存在を知る人がごく限られるような場合にはなおさらです。
したがって、会社が懲戒解雇をしたとしても、それは無効な解雇と評価できる可能性が大いにあるでしょう。

(2) 公務員の場合

公務員の場合は、民間企業とは事情が異なります。

①国家公務員の場合

まず、盗撮行為で起訴され、禁錮以上の刑に処せられた場合は、たとえ執行猶予がついたときでも、国家公務員法(38条)が定める欠格事由に該当することになり、当然に失職します(同76条)。

また、盗撮行為が発覚し、不起訴に終わった場合や罰金刑で済んだ場合でも、失職はしませんが、停職または減給の懲戒処分を受けます(人事院「懲戒処分の指針」による)。

②地方公務員の場合

地方公務員も国家公務員と同様に、禁錮以上の刑に処せられると、執行猶予刑であっても、地方公務員法(16条)が定める欠格事由に該当することになり、当然に失職します(同28条)。
また、盗撮行為が発覚し、不起訴に終わった場合や罰金刑で済んだ場合でも、懲戒処分の対象となります(同29条)。

処分の具体的な内容は、各自治体が定めることになります。たとえば、東京都では、盗撮行為は免職または停職とされています(東京都「懲戒処分の指針」による)。

このように、公務員の場合は、民間企業よりも厳しい対応が予定されていると言えます。公務員には公共の奉仕者としてふさわしい振る舞いを期待されていることがその理由として考えられます。

ただ、ここでしっかり押さえてほしいのは、「刑に処せられたこと」が重要な分岐点となっているということです。
職場を解雇されたくない、今の職場で働きたいと考えるならば、「刑に処せられること」、「前科がつくこと」は、なんとしても避けねばなりません。

2.盗撮で解雇されないためにやるべきこと

(1) 呼び出しには誠実に応じ、逮捕・勾留を避ける

逮捕・勾留を含む身体拘束は最大23日間です。これだけ長期の欠勤で会社に事実を隠すことは困難です。

それを避けるため、住居、家族、勤務先を警察に明らかにするなどして、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断してもらい、逮捕・勾留を避けたり、早期に釈放したりしてもらう必要があります。

また、弁護士と共に自首・出頭することも一つの手段です。弁護士が同伴することで、逃亡のおそれはないと認定され、逮捕を回避できる見込みが高まると考えられます(当事務所では、自首への同行は承っておりませんので、恐れ入りますがご承知おきください)。

しかし、逮捕、勾留を免れても、警察や検察からの呼び出しに応じなかったり、仕事の都合などを言い訳にして日を伸ばしてもらうことが重なったりなどすると、捜査に非協力的と判断されて、逮捕されてしまう可能性もあります。

したがって、素直に罪を認めるのであれば、呼び出しには誠実に応じなくてはなりません。

(2) 早期に示談を成立させること

被害者との示談を早く成立させることが、刑事事件において罪を認める場合に被疑者のなすべき最も大切で重要な行為です。

早期に示談が成立すれば、その後、逮捕される可能性はありません。勤務先に発覚する可能性もなくなるでしょう。
また、仮に発覚しても、不起訴となれば懲戒される可能性は低くなります。

もっとも、盗撮行為の示談をするには、弁護士の力が必要不可欠です。

示談をしようと考えても、通常は面識のない被害者がどこの誰か、当然警察は教えてくれません。しかし、弁護士が警察や検察を通じて、被疑者本人には絶対に教えないことを条件に、弁護士にだけ連絡先を教えてほしいと打診することで、全てではないですが多くの被害者はこれに応じてくれます。

連絡さえつけば、弁護士はただちに示談交渉にとりかかることができます。

交渉さえスタートすれば、盗撮事件は示談が成功する確率の比較的高い事件です。

[参考記事]

迷惑防止条例違反の盗撮事件における示談方法と示談金の相場

3.まとめ

つい魔が差したとはいえ、盗撮行為は犯罪です。しっかりと反省を行うべきでしょう。

しかし、心から後悔・反省している方が、職場を解雇されて仕事を失い、これまで積み重ねてきた努力を無にしてしまうことが良いこととは思えません。
ご家族やご自身の将来のためにも、キャリアは確保しなくてはならないでしょう。

盗撮行為を犯してしまったが、大いに後悔・反省している、将来を不安に思っている、という方は、諦めずに泉総合法律事務所にご相談下さい。
刑事事件のエキスパートたちが、将来にとって有益なサポートとアドバイスをさせていただきます。

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