盗撮 [公開日]2017年9月21日[更新日]2019年10月29日

盗撮の定義とは?カメラを向けた、設置しただけ…どこからが犯罪か

「警察官が盗撮で懲戒処分」、「大学生が風呂場を盗撮し部活停止」、「公務員を盗撮で略式起訴」、「NHK職員を盗撮で逮捕」……このようなニュースを最近よく目にすると思います。

スマートフォンやそのアプリ、小型カメラなど、電子機器の進化と共に、「盗撮」といわれる犯罪も大きく増加しています。
そのため皆さんの身の回りでも、盗撮現場や、盗撮機器を発見するかもしれません。

しかし、どのような行為が「盗撮」として犯罪になるのか、具体的には知らない方が多いのではないでしょうか。

そこで、今回は、問題となっている「盗撮」について、「どのような行為が盗撮に当たるのか」解説していきたいと思います。

1.盗撮を取り締まる法律

刑法上、盗撮を罰する規定はありません。そのため、別の法律で盗撮が犯罪とされています。

(1) 迷惑防止条例

迷惑防止条例」は、各都道府県によりその名称も規定する内容も異なりますが、基本的に同じような行為を「盗撮」と定義しています。

例えば、東京都の条例では、「盗撮」について以下のように定めています。

「住居、便所、浴場その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」または「公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物」において、「人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること

言い換えると、「通常衣服を脱ぐような場所or公共の場」で、「通常衣類で隠されているような下着or身体の一部」を、「実際に撮影するor撮影目的でカメラ等を差し向けるor撮影目的でカメラを設置する」というのが定義となるでしょう。

駅のエスカレータや電車内でスカート内部を撮影することや、露天風呂やそこでの着替え、駅のトイレなどをこっそり撮影することは、当然、これに該当します。

注目すべきは、東京都の場合、撮影するつもりでカメラを差し向けただけ、駅のトイレの個室などにカメラを設置しただけでも「盗撮」にあたるという点です。

「盗撮」で逮捕され、有罪になると以下の刑罰が科される可能性があります。

カメラを差し向けた・設置した場合6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
常習の場合:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
実際に撮影した場合1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
常習の場合:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

[参考記事]

迷惑防止条例違反の盗撮事件における示談方法と示談金の相場

(2) 軽犯罪法

軽犯罪法では、「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」を処罰すると規定しています。
罰則は、拘留(1日以上30日未満)または科料(1000円以上1万円未満)とされています

これを見ると、軽犯罪法は盗撮を含めた、より広い範囲の「のぞき見」行為を処罰の対象にしているというのがわかると思います。

ただ、これに付随して住居や建物に侵入しているような場合、実務上は刑法の住居侵入罪or建造物侵入罪の方で検挙されることが多いようです。

[参考記事]

軽犯罪法違反の盗撮とは?迷惑行為防止条例違反の盗撮との違い・示談

(3) 未成年者に対する盗撮

児童ポルノ規制法(「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)では、衣服を着けない児童の姿態などを写真や電磁的記録などに収めた、いわゆる「児童ポルノ」を製造した者は、同法による処罰の対象となりえます。

ここでいう「児童」とは18歳に満たない者のことを言います。そのため、盗撮の被害者が18歳未満であったような場合には、この法律が適用される可能性があります。

[参考記事]

児童ポルノ禁止法とは?児童買春の規制も弁護士がわかりやすく解説

2.盗撮の定義についてのまとめ

以上のように、一言で「盗撮」といっても、行為態様、適用される法律は様々です。
基本的に下着や裸体など、本来であれば衣服で隠れている身体の部分の撮影、あるいは衣服を付けないでいるような場所での撮影が処罰対象となっています。

もっとも、条例は都道府県により異なります。場合によっては、盗撮行為の要件や適用範囲が微妙に違う場合もありえます。

また、盗撮をした場合であっても、事案によっては、盗撮の条項ではなく、「その他卑わいな言動」の条項で処罰されるようなこともあります(例えば、最高裁第三小法廷平成20年11月10日決定の撮影行為の事例では、細身のズボンを着用していた女性をつきまといながら後ろ姿を11回撮影した行為について、「盗撮」ではなく「卑わいな言動」として有罪となりました)。

そのため、どのような行為が許されるのか、どこからが盗撮として犯罪となるのか、という判断は、一般の方には困難になると思われます。

勝手に「これなら大丈夫だろう」などと判断せず、盗撮事件でお悩みの方は、一度弁護士に相談してみることをお勧めします。

[参考記事]

盗撮の逮捕後の流れと弁護士に示談交渉を依頼するメリットとは?

3.盗撮事件は泉総合法律事務所へ

泉総合法律事務所は、刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が多く在籍しており、盗撮事件においても多くの実績を残しております。

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