電車内で痴漢をしたがパニックになって警察へ嘘の供述をしてしまった
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・示談したい | |
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年齢 | 30代 | |||
職業 | 自営業 | |||
罪名 | 強制わいせつ | |||
弁護活動の結果 | 不起訴 |
背景
その日の朝、Aさんは仕事に向かっていました。
その途中、電車に乗っていたところ前に女性が立っているのに気がつきました。つい魔が差してしまい、女性のお尻を指で触ってしまいました。
抵抗がなかったため、スカートの中に手を入れ、下着の上からさらに触ってしまいました。しかし、次の駅に着いた途端、女性に「痴漢しましたよね」と声をかけられました。
パニックになったAさんは「やっていない」と嘘をついてしまいました。
Aさんは駅事務室に連れて行かれ、そこにきた警察官に次は警察署へと連れて行かれました。Aさんはやっていないと言い続け、その日は家族に迎えにきてもらい、解放されました。
Aさんは、本当は痴漢をしてしまっています。パニックになり否定してしまいましたが、被害者の女性に申し訳なく思うと共に、逮捕されるのではないかと恐ろしくなりました。
そこで、Aさんは家族に真実を打ち明けました。家族からは、とりあえず弁護士に相談しようと言われ、当事務所にご来所されました。
弁護士対応 - 被害者との示談交渉
Aさんにお話を聞くと、罪名は「強制わいせつ」であることがわかりました。いわゆる条例違反である痴漢や盗撮とは異なり、刑法で定められている犯罪です。
このまま虚偽の否認を続けると、逮捕されてしまう危険がありました。
そこで、受任後直ちに、Aさんには、本当はやってしまっていること、パニックになり嘘をついてしまったこと、家族には真実を話していること、などを直筆で書いてもらいました。
併せて、ご家族にも今後Aさんを監督する、という身元引き受け書を書いてもらいました。
そして、翌朝、その書類とともに逮捕をしないで欲しいという弁護士作成の意見書を警察署へと提出しました。
結果 - 示談が成立し、不起訴処分
結果として、Aさんは逮捕されることはありませんでした。その後、被害者の方と示談をすることもでき、無事、不起訴となりました。
もちろん、本当に罪を犯していないのであれば否定しなければなりません。しかし、本当はやってしまっているのにやっていないと嘘をつけば、当然他の証拠との矛盾が生じる可能性があります。
そして、警察の捜査の結果、他の証拠、例えば防犯カメラの映像などとの矛盾が明らかとなり、被疑者が嘘をついていることが明らかになった場合には、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるとして、逮捕されるリスクが高まってしまいます。
特に、今回のAさんの犯してしまった「強制わいせつ」という犯罪は、逮捕されてもおかしくない犯罪類型です。Aさんもそのまま嘘をつき続けて入れば逮捕されてしまったかもしれません。
実際、強制わいせつより軽い罪とされている痴漢や盗撮の事件で、嘘をついてその場を逃れた人が後日逮捕されてしまったというケースもあります。
今回のAさんは直ちに適切な対応を取ったために逮捕されなかったと言えるのかもしれません。
嘘をついてその場は逃れられても、その後もっと悪い流れになってしまうかもしれません。もし、罪を犯し、つい嘘をついてしまった場合には、直ちに弁護士に相談し、適切な対応を取ってもらいましょう。