児童買春・児童ポルノ事件

買春に関しては他の性犯罪と同様、同意の存在や年齢の認識が問題になります。被害者が若年であることから、その証言の信用性が争われる傾向にあります。児童ポルノに関しては若年カップル等の間で罪の意識なく作成所持されることが多く、他の犯罪に伴って摘発される例もあります。

平成28年3月15日東京地方裁判所判決

実在の児童の写真を元に作成されたCGが児童ポルノに該当するとされた初の裁判例。新たな判断が示された点は多数に上り、特に「元の写真の被写体が撮影時点で18歳以下であれば、児童ポルノ法製造法施行前の写真のCGへの書き起こしは児童ポルノ製造罪になる」「元にした写真の被写体の素性は明らかにならなくてよい」といった内容は今後の創作活動に深刻な影響をもたらす可能性がある(本事案では昭和50年代に流布した少女写真集が元写真に用いられた)。

一方で被写体児童の年齢の判断については慎重さも求めており、検察側が医師による写真鑑定で被写体の発育度合を示し年齢の証明に替えようとしたのを退け、また写真集の表題や広告の文句に見える年齢の表記も幼さを強調する意図があるとして参考としなかった。弁護側から成人女性であっても肉体の発育に劣る例があるとの立証がなされたこともあり、最終的に児童ポルノと認定されたのは検察の指摘する34枚のCGのうち3枚にとどまった。

しかし、その根拠は「一見して顔立ちが幼く…身体全体の発達が未成熟である」との裁判官の認識に基づいており、裁判官の感性次第で結論が大きく左右されるおそれも孕んでいると言える。今後の追随する裁判例の展開が見逃せない。

平成24年10月11日富山地方裁判所判決

保育士が身体測定と称して園児の服を脱がせ撮影した事案。児童ポルノ法が従来のわいせつ犯罪と比べて、「普通人の正常な性的羞恥心を害し、性的道義観念に反する」といった限定にとらわれることなく、相当広範囲を処罰対象としていることを明言し、性欲を興奮させる度合いは成人を被写体とするものに比べ低くてよいとしている。

結果として6歳女児の乳首の映った画像を児童ポルノと認定したほか、身体測定状況(及び体操、乾布摩擦の例を挙げ)につき、見る者の性的興奮の度合いを増幅するとの判断も示した。これらの判断には、感性によって異論もあるだろう。