公然わいせつ事件

目撃者が犯人の股間に注目するせいか、犯人と被告人の同一性が争われることが多いですが、仲間内で楽しんでいただけで公然ではないという主張もよく出てくる類型です。

最近はウェブ上での画像公開という形でも問題になっています。

平成23年2月9日高松地方裁判所判決

山奥のロッジで開催された乱交パーティの主催者が摘発された事案。サークル活動の一環として行われたものであり、法の定める「不特定多数」の人の前でわいせつ行為をさせたものではないとして争ったが、実際には会員は既存会員の交友関係やネット掲示板上の募集などで広く集められており、互いに面識のない者同士でも行為を見せ合っていたことから、不特定多数の前でなされた公然わいせつに他ならないとされた。

平成13年7月16日最高裁決定

コンピュータのハードディスクに保存されたわいせつな画像データをわいせつ物公然陳列罪の適用対象とした歴史的先例。明治時代に制定された刑法が想定していたのは写真や絵画だった。

法改正を経ることなく、新たな対象にも拡張解釈されながら今日も適用されているのは、時代の変化に即した妥当な法の運用なのか、憲法の定める国民の自由を侵す許されないことなのか、評価は分かれる。