窃盗事件

多くの犯罪の中でも多くの割合を占める類型です。刑事裁判で争いとなる点は非常に多岐にわたりますが、最近は病気により窃盗をやめられない、窃盗が悪いこととわからないという責任能力が争われる事案も増えているようです。

平成28年6月21日高松高等裁判所判決

前頭側頭型認知症にり患しているとの主張を排除し精神鑑定を行わなかった地裁の判決が破棄された例。

平成27年10月27日神戸地方裁判所判決

摂食障害の影響下で万引きをしたと主張したが、職場や自宅では通常の社会生活を送っていることが明らかになり、懲役10月とされた例。

平成27年9月1日名古屋地方裁判所判決

クレプトマニアの診断を受けているほか、神経性痩せ症などの病気による衝動の制御に問題があったこと、一方で家族ぐるみで懸命に治療に励んでいることが評価されて執行猶予付きの懲役刑とされた例。

平成27年8月18日大津地方裁判所判決

くも膜下出血に伴う高度脳機能障害の後遺症により衝動を抑える機能の低下や性格の変容などの重大な障害に陥っており、心神喪失状態にあるとされた例。

平成27年5月12日東京地方裁判所判決

知的障害、摂食障害、クレプトマニアの影響下にあったとして、有罪は免れなかったものの執行猶予中の犯行に再度の執行猶予が認められた例。

平成27年4月14日東京地裁立川支部判決

非けいれん性てんかん重積の発作により一時的に善悪の判断がつかない状態になっていたと認められ、無罪が言い渡された例。