被疑者の身柄解放や被害者との示談に着手→強要未遂事件での起訴を回避して、罰金刑

[事例 102] その他 その他
性別 男性相談に至った
経緯
・家族が逮捕された
年齢 40代
職業 無職
罪名ストーカー規制法違反、強要未遂
弁護活動の結果罰金刑

背景

相談にはお父様がいらっしゃいました。
昨日警察から連絡があり、息子を逮捕したと言われた、とのことでした。息子様はすでに独立して家を出ていたため、逮捕時の状況は何もわからないとのことでした。お父様は相談に来る前に警察に連絡し、なにをして逮捕されたのかを教えてほしい、と警察に頼みましたが、詳しくは教えてもらえませんでした。ただ、女性に対してストーカーをした、とだけ教えられました。
お父様には何が起きたのかまったく心当たりはないとのことでした。

弁護士対応 - 被疑者の身柄解放、被害者との示談対応を試みた 

まずは事件の内容を把握しなければなりません。ご依頼をいただいた数時間後には、警察署でAさんと面会をしました。Aさんからは、交際していた女性がいたこと、その女性から関係の終わりを告げられたこと、その後もLINEなどを何十回も送ったこと、その中には女性に〇〇をしろとほのめかすものもあったこと、その女性の家にも行ったことなどを聞きました。Aさんの行動は、残念ながらストーカー規制法違反、そして強要未遂に該当する行為でした。
Aさんは自分のしたことは認めていました。しっかりと認めて反省していることを伝えるため、できるだけ正確に思い出して話すように、どうしても思い出せないことは想像で答えずに覚えていないと伝えることをアドバイスしました。適当なことを話してしまって、LINEの履歴と矛盾することがないようにするためでした。
そのうえで、私たちは二つの活動に着手しました。
一つ目はAさんの身体解放です。しかし、被害者の自宅を知っているという事情や事件の性質自体が影響し、残念ながら早期の解放は認められませんでした。
二つ目は被害者の女性との示談です。検察官を通じて、何度か被害者女性に接触を試みましたが、弁護士にも一切連絡先等を教えたくないし会いたくないと拒絶されてしまい、こちらも実現しませんでした。
強要(未遂)罪には法定刑で罰金刑が定められていません。示談ができていない状況を考えると、公判請求の可能性が高いと感じました。そこで、起訴後ただちに保釈の請求ができるよう、準備をしていました。

結果 - 強要未遂事件での起訴を回避⇒罰金刑

結果として、検察官は最終的には強要未遂事件は起訴をせず、ストーカー規制法違反のみで起訴され、罰金刑で終わることとなりました。

弁護士からのコメント

この事件は、連絡の内容や強要(未遂)の内容がすべてLINEのトーク履歴という客観的な証拠として残っている事件でした。しかし、Aさん本人は時間が経過しておりどのような言葉を送ったのかあいまいな部分が大半でした。また、LINE株式会社は最近では捜査機関に対してすら情報提供をしないと言われている会社であり、弁護士が独自にLINEの内容を確認することはできません。当然、Aさんの携帯電話は押収されていました。そして、捜査機関が有する証拠は、起訴されるまでは弁護士であっても見ることはできません。
このように、この事件は捜査機関との情報格差が著しい事件でした。その中で、Aさんに不利にならないよう可能な限りの対応をしなければなりませんでした。それが、上記のとおりAさんの反省がしっかりと伝わるようにするためのアドバイスでした。