紹介された投資先の損失について紹介者から金銭を得ようとした

[事例 337] その他 その他
性別 男性 相談に至った
経緯
・示談したい
・警察に呼ばれた・逮捕されそう
年齢 50代
職業 会社員
罪名 私文書偽造・同行使
弁護活動の結果 警察段階にて捜査打ち切り

背景

Aさんは、被害者から紹介された会社に対して投資を行いましたが、想定していた配当を得られず損失を被りました。

Aさんは損失を何とかカバーしようと、紹介者である被害者を借主とする金銭消費貸借契約書を偽造した上、知人とともに被害者に示して金銭を得ようとしました。

しかし、被害者はこれに応じず、通報により駆け付けた警察官によりAさんは警察に任意同行を求められ、取り調べを受けました。

弁護士対応 - 被害者への示談交渉

Aさんとしては、自らの投資の失敗の責任をこのような形で紹介者に問おうとしたのは誤りであると自覚していましたので、被害者に謝罪し、示談交渉を開始することになりました。

しかし、被害者としては、共犯者(知人)との問題の清算も望んでいたため交渉は難航しました。こちらとしても共犯者に接触しましたが、足並みをそろえることはできなかったためです。

示談交渉の間も担当刑事とは連絡を取り合っていましたが、警察の捜査は積極的とは言えない状況で、送検がいつになるかもわからない状況でしたので、示談金を用意した上でしばらく様子を見ることになりました。

その後、時間をおいて再度被害者に連絡をしたところ、一度お会いすることができました。
そして、共犯者の関係はひとまず置いておき、Aさんとの関係だけ先に処理をする方向で説得し合意に至りました。

結果 - 不起訴処分に

その結果を警察に報告したところ、捜査は打ち切りとなり、送検されることなく終結となりました。

弁護士からのコメント

本件は共犯者が絡む事件であり、被害者としては、すべての加害者との示談が成立しないと問題が根本的に解決できない、逆恨みなどが怖いとの考えを持たれていました。
その考えについては、弁護人としても最大限配慮し、共犯者との連携も試みましたが、頓挫し示談は難航しました。

しかし、しばらく経ってから交渉を再開すると、被害者の方に当方の立場をご理解いただき、Aさんとの関係だけを清算する形で示談を取り付けることができました。

初動で被害者から示談を断られたとしても、時間経過とともに状況が好転する可能性があることを理解させられる事件でした。