海外サイトで違法薬物のラッシュを購入→懲役2年6月、執行猶予5年
[事例 373] 薬物事件 その他薬物
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・会社や学校に知られたくない ・執行猶予にしてほしい |
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年齢 | 40代 | |||
職業 | 会社員 | |||
罪名 | 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反、関税法違反被告事件 | |||
弁護活動の結果 | 執行猶予 |
背景
Aさんは同性愛者であるところ、同性との性行為の際、よりスムーズに行う上で「ラッシュ」という薬品を使用していました。
ラッシュは、以前は合法でしたが、法律の改正により現在は所持や輸入は違法になっています。しかし、Aさんはラッシュの効能を忘れることができず、ラッシュが違法になったことを知りながらも、海外のインターネットサイトを利用して輸入を試みました。
しかし、品物が成田空港に到着した際に発覚し、警察の追跡調査によってAさんが注文者と特定されてしまいました。
Aさんは取り調べを受け、ラッシュの輸入と、過去に輸入したラッシュを現在も所持していた罪で起訴されました。
弁護士対応 - 情状弁護として再発防止策を指示
Aさんは受任をした際に既に起訴されていたので、すぐに弁護方針を検討しました。
Aさんは公訴事実については争わない方針でしたので、情状弁護が重要となりました。
薬物事犯になりますので、裁判所に社会での更生を認めてくれるためには、再発防止策が十分に取られていることを主張する必要がありました。
このためには、法廷で監督者になるべき方に証言をしていただくのが良いのですが、Aさんは家族には同性愛のことは話せないため、監督者として証言してくれる人はいませんでした。
弁護士からは、今まで一人で暮らしていたのを止め、家族と一緒に生活をしたほうが良いこと、適切な医療機関に一度診てもらうことを提案しました。また、法廷では、監督者を出廷させられない代わりに、Aさんが現在薬物に依存していないこと、今後も薬物に手を出すことはないこと、適切に医療機関に受診できる状態にあることを主張し、執行猶予判決を求めました。
結果 - 執行猶予判決を獲得
結果的に、複数の罪で起訴されてはいましたが、実刑にならず執行猶予判決で終わりました。
執行猶予判決を取るために、再発防止策を具体的に示す必要がある事案でした。
Aさんは同性愛のことや、今回の件を誰かに話すことができなかったため、事情を知った監督者を法廷に出廷させることができず、それ以外の方法で情状弁護をする必要がありました。
幸い、複数の再発防止策を提示することができ、裁判所もそれらに理解を示してくれました。
最後まで、具体的な再発防止策をAさんとの間で話し合ったのが功を奏したのだと思います。