過去にお金を盗んだ女性とホテルで遭遇し、仕返しをしようと窃盗

[事例 208] 財産事件 窃盗
性別 男性 相談に至った
経緯
・示談したい
・警察に呼ばれた・逮捕されそう
年齢 40代
職業 自営業
罪名 窃盗
弁護活動の結果 不起訴

背景

その日、Aさんは、仕事が終わってから明け方までお酒を飲んでいました。その場所から家に帰るのが面倒だと思ったAさんは、何度か利用したことのあるホテルで仮眠をとり、職場へ向かおうと思いました。

ホテルに向かう途中、以前、このホテルで自分のカバンの中のお金が無くなった際に、直前まで一緒にいた女性とよく似た女性がAさんの目の前を歩いていました。
Aさんは、酔っ払っていたこともあり、その女性が、自分のお金を盗った犯人だと決めつけてしまいました。

Aさんは、自分の部屋に入って時間が経つにつれ、当時のことを思い出し、女性に対する怒りがこみ上げてきました。そして、チェックインの際に、女性の部屋番号が目に入っていたことから、「この女性に仕返しをしてやろう」と思い、女性の部屋へと向かいました。

部屋に鍵がかかっていなかったこともあり、Aさんは部屋からカバンを持ち出し、財布の中身を持っていたビニール袋に入れ、財布とカバンは女性の部屋に戻し、自分がホテルを出て職場へ向かう途中に、財布の中身の入ったビニール袋をどこかへ投げ捨ててしまいました。

職場に着いたAさんは、お酒も抜けて冷静になると、自分がとんでもないことをしてしまったと気がつき、慌てて現場近くに戻りましたが、捨てたビニール袋は見つかりませんでした。

Aさんは、女性に償いをしたいと思いましたが、連絡先なども知らない状態だったので、どうすれば良いのか分からず、当事務所に相談に来られました。

弁護士対応 - 被害者との示談交渉と、警察署への自首同行

ご依頼を受けた時点で、警察からの呼び出しなどがない状況でしたので、事件化して警察の動きを見てから交渉を始めるという選択肢も考えられましたが、本件の場合、女性が被害届を出している可能性が高く、現場となったホテルに防犯カメラが設置してあり、捜査の過程でAさんが犯人として浮上するのは時間の問題であると考えたため、早急に管轄の警察署に自首し、逮捕のリスクを減らしつつ、並行して被害者との示談交渉を進める方針をとりました。

警察署へAさんと共に行くと、担当の刑事から、「近々逮捕の予定があったが、自ら出頭してきたこともあるので、今回は在宅で捜査を進める」、と伝えられ、逮捕を免れることができました。

結果 - 不起訴処分に

被害者との示談も成立し、無事不起訴処分となりました。

弁護士からのコメント

事件が捜査機関に発覚しているかどうかがはっきりしない事案の場合、警察の捜査の進展を待ってから動くか、自ら自首をするかどうかは微妙な判断となります。

警察が事件の把握をしていない、または把握が困難と思われる事案で自首すると藪蛇になってしまうことがある一方で、捜査が進んでいるにもかかわらず何もしないでいると、突然逮捕されてしまうこともあります。

どちらの選択をすべきかは、警察の動きが分からない以上難しい部分がありますが、相談者の方のご希望や事案の特徴を踏まえて、より良い選択肢をご提案させていただきます。

本件は、事件後すぐにご相談いただき、早期に自首をすることにより、逮捕を免れることができた事例だと思います。