身柄事件と在宅事件の違い
身柄事件と在宅事件
身柄事件とは、被疑者・被告人の身体が拘束されたまま、捜査が進められる事件のことです。
一方、在宅事件とは、被疑者・被告人の身体が拘束されることなく、普段通りの日常生活を送りながら、捜査が進められる事件のことです。
一般的には、逮捕・勾留される身柄事件の方が、イメージしやすく、在宅事件よりも件数が多い、という印象かもしれません。しかし、実際のところ、刑事事件全体において、在宅事件の方が多く、むしろ身柄事件の方が例外的なケースと言えます。
被疑者・被告人の身体が拘束される一番の理由は、逃亡や証拠隠滅を図るリスクを回避するためです。しかし、逆にそのリスクが極めて低く、事件や被害程度が重度でなければ、むしろ在宅事件として捜査が進められます。
在宅事件は長期化する
身柄事件の場合、逮捕から起訴までの拘束期間には、最大23日間というタイムリミットが定められています。したがって、起訴もしくは不起訴処分の結論が出るまでに、最大で23日間を要する、という目安がつきます。
しかし、在宅事件の場合、このようなタイムリミットが定められていません。そのため、起訴もしくは不起訴処分の結論が出るまでに要する期間の目安がつきません。ちなみに、実際のところ、数か月を要するケースが多いです。
なお、身柄事件におけるタイムリミットを避けるために、当初は在宅事件として時間を十分確保しながら、取調べや証拠集めを行い、その後に供述や証拠が十分そろったら、すぐに身体を拘束して身柄事件に切り替える、といった捜査がなされる場合もあります。
身柄事件と在宅事件の違い
取調べなどの捜査において
在宅事件では、警察や検察から呼び出され、その都度、捜査機関に出頭して、取調べを受けます。
一方、身柄事件では、留置施設から取調室に移動させられて、取調べを受けます。
裁判所への出廷において
在宅事件では、裁判所から呼び出しがあり、その期日のたびに、刑事裁判に出廷することになります。
一方、身柄事件では、留置施設から裁判所へ移動させられて、刑事裁判に出廷します。
弁護人の選任
身柄事件でも在宅事件であっても、弁護人を選任することができる点で同じです。
ただ、身柄事件の場合、身体が拘束されていることもあり、弁護活動の報告や取調べ・供述のアドバイスをするためには、接見することが必要となり、機動的な対応が取りにくくなります。
しかし、在宅事件であれば、身体的にも時間的にも拘束されていないため、不起訴処分や執行猶予付判決の獲得に向けて、入念な準備活動が行えるというメリットがあります。
日常生活を送るうえで
身柄事件では、一人寂しく留置施設の中で、不安を抱えながら日々を送ることになります。一方、在宅事件では、普段通りの日常生活を送りながら、家族のもとで温かいサポートを受けながら、不起訴処分や執行猶予付判決の獲得に向けての活動を進められます。
以上のように、不起訴処分や執行猶予付判決の獲得に向けて、心を落ち着けて、入念に準備ができるという点では、身柄事件より在宅事件の方が好ましいのは明らかです。
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