傷害の因縁をつけられて警察で事情聴取→被害届が取り下げられ不起訴
[事例 245] 暴力事件 傷害、傷害致死
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい | |
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年齢 | 50代 | |||
職業 | 会社員 | |||
罪名 | 傷害 | |||
弁護活動の結果 | 不起訴 |
背景
Aさんが自動車を運転していると、すぐ前を走行している自動車が他の自動車の流れを止めるような遅い速度で走行していたので、クラクションを鳴らしたところ、その自動車が道路の真ん中で停車しました。すると、中から男性が出てきて、Aさんの自動車に近づいてきました。
相手の男性は、Aさんがクラクションを鳴らしたことに立腹しているようであり、何度もAさんに対して、自動車から降りることを求めてきました。
Aさんがこれを拒否していると、相手の男性が、無理やりAさんの自動車のキーを奪おうと手を伸ばしてきました。Aさんがとっさにキーを奪われまいと手を伸ばした時に、Aさんの手が相手の男性の手のあたりに触れました。
相手の男性は傷害であると因縁をつけ、警察に電話をしました。そして、後日、Aさんは警察署から事情聴取のために呼び出しを受け、当事務所に相談に来られました。
弁護士対応 - 正当防衛を立証する意見書を作成し警察署へ提出
Aさんから聞いた事情からすると、Aさんの行為で相手の男性が傷害を負うことは考え難いと考えました。また、相手の男性の行為自体、犯罪にあたる可能性があるものであり、それに対応したAさんの行為には正当防衛により、違法性が認められないと考えられました。
そこで、Aさんの言い分をまとめた供述調書を作成したうえ、弁護士が意見書を作成し、警察署に提出しました。
結果 - 被害届が取り下げられ、不起訴処分に
その後、警察署に今後の捜査方針を尋ねたところ、被害届が取り下げられ、これ以上捜査は進めず、立件しないことで事件が終結いたしました。
Aさんの自動車に搭載されていたドライブレコーダーには、Aさんと相手の方の会話が記録されておりましたが、車内の映像は映っておらず、Aさんの行為を客観的に証明する資料はありませんでした。
他方で、相手の男性がAさんに触れられた場面で、大げさに痛みを訴える声がドライブレコーダーに録音されていました。
これは、Aさんが相手の男性に傷害を加えたともとられかねない不利な証拠になり得るものでしたので、Aさん側の事情を伝えるべく、その時の詳細を弁護士が聴き取り、供述調書にまとめました。
捜査機関により供述調書を作成されると、Aさんに有利な事情が記載されない恐れがあるため、Aさんの言い分は弁護士から伝えることにしました。
その結果、Aさんの言い分が警察に正確に伝わり、Aさんは立件されずに事件終結になりました。