被害者から「ナイフで脅した」と主張されるも否認
[事例 41] 暴力事件 脅迫
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・冤罪を証明したい ・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい |
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年齢 | 40代 | |||
職業 | 会社員 | |||
罪名 | 脅迫 | |||
弁護活動の結果 | 不起訴 |
背景
空港内で、Aさんと被害者とがぶつかったことにつき、Aさんが腹を立て、被害者に因縁を付けました。被害者は、「ナイフのようなものを使って脅された」と主張してきました。
そのため、警察からの聴取を受けましたが、逮捕はされていないという事案です。
弁護士対応 - そもそも犯罪不成立である点を検察官に主張した。
Aさんは、かなり強い口調で詰め寄ったことは認めていましたが、ナイフなどは所持しておらず、「事件当時手に持っていた車のキーがナイフと見間違えられたのではないか」と主張していました。
被害者と言い分が食い違っているうえ、Aさんの主張を前提とすれば、犯罪が成立せず無罪の可能性もあるため、被害者との示談交渉は行いませんでした。
そこで、弁護人から検察官に対し、ただ強い口調で詰め寄っただけでは脅迫としては弱いため、そもそも犯罪が成立していないのではないか、ナイフを持っていなかったことについてもきちんと捜査して欲しいと伝えました。
その後、検察官が再度Aさんから話を聞くなど、事件を精査し、犯罪が成立しないという弁護人の意見を受け入れました。
結果 - 不起訴処分を獲得。
結果として、脅迫罪を立件できないということで、不起訴処分となりました。
被害者が被害届を出し、警察が事件として立件していても、検察官が裁判所で有罪の立証ができないと考えれば、不起訴になる場合がありえます。
今回のような場合、犯罪が成立する要件をきちんと確認したうえで、依頼者の話をよく聞くことがまず大事です。また、検察官がどこまでの証拠を持っていて、どのような事実なら立証できると考えているか、ということを、検察官との会話の中から探っていくことも重要です。
そうして得た情報をもとに、こちらの主張をまとめ、検察官を説得することが、不起訴処分の獲得につながります。