酒に寄って帰宅中、駅の改札付近で口論となり傷害⇒立件なし

[事例 345] 暴力事件 傷害、傷害致死
性別 男性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 40代
職業 会社員
罪名 傷害
弁護活動の結果 立件なし

背景

Aさんは、仕事が終わったその日の夜、お酒を飲んでから自宅へ帰る途中でした。

ふとしたことから、駅の改札口付近で被害者と口論になってしまいました。Aさんはお酒に酔っていたため詳細は憶えていませんが、被害者ともみあいになり押してしまったようでした。

しばらくして駅員と警察が来て、話を聞かれました。被害者の話によると、一方的にAさんに絡まれ、押された際にけがをした、とのことでしたが、その場では警察も事件としては取り扱わず、当事者間で話し合って解決することになりました。

すると、後日被害者から、Aさんの会社に電話があり、今回の件で怪我をしたので、治療費・慰謝料を払え、との要求がありました。また、警察に被害届を出すことも検討している、とも言っていたことから、今後の対応につき相談に来られました。

弁護士対応 - 被害者への示談交渉

Aさんとしては、押してしまったことは事実なので必要な賠償はする意向はあったものの、相手方の請求金額が妥当なのか、今後も請求され続けてしまうのではないかという点を不安視していました。

そこでまず、相手方に対して、診断書や診断を受けた際の領収書などの資料を提出してもらいました。

Aさんとしては、資料を元に今後見込まれる治療費等と慰謝料を先に払い、一度に解決することを望んでいましたが、被害者は、怪我が悪化する可能性があることや、後遺症が残る可能性があることなどを理由に、期間を区切って様子を見たいとの考えでした。

そこで、折衷案として、半年間は治療費等の支払いを行い、その支払いが行われた際には被害届を出さないこと、半年後に再度協議を行うことを内容とした中間合意を行いました。

その後半年が経ち、被害者の怪我の状況などを踏まえて再協議を行いました。

被害者は、怪我が治るまでの間治療費等を負担してもらいたいとの意向でしたが、Aさんとしてもそれは納得できず、こちら側の最終提案として慰謝料を含めた金額の一括支払いを提示しました。

結果 - 立件なし

被害者は当初難色を示していたものの、交渉の末、この内容で合意がなされました。

弁護士からのコメント

傷害事件においては、事件から時間が経つと、当初予想されなかった傷害結果が生じることがあります。

加害者側としては早く示談をしたいという気持ちがある一方で、被害者側は、予想より重い傷害となった際の補償がなされないことへの不安から、交渉が難航する原因となります。

本件でも、一時は交渉決裂寸前の状態まで行きましたが、両者の意向をすり合わせることで合意に至ったのだと思います。

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