イベント会場で盛り上がった拍子にぶつかり怪我をさせた→不起訴

[事例 369] 暴力事件 傷害、傷害致死
性別 男性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
年齢 30代
職業 会社員
罪名 傷害
弁護活動の結果 不起訴

背景

Aさんは、ある日、イベントに参加していました。

そのイベントは大変に盛り上がり、Aさんは興奮して他の参加者の体に接触してしまいました。このとき、はずみで他の参加者がけがをしてしまいました。

そのとき、けがをした被害者は、Aさんに、「大丈夫です。気にしないでください。」と言ってくださり、その日は何事もなく終わりました。

しかし、2カ月以上後になって、警察からAさんに電話があり、警察署で取調べが行われました。被害者は、骨折までされていたのです。

Aさんは心配になって、当事務所に法律相談に来られました。

弁護士対応 - 被害者との示談交渉

受任後、警察に被害者の連絡先を教えてもらい、被害者に連絡を入れました。

被害者は多忙な方で、日中は電源を切られており、なかなか連絡が付きませんでした。

ようやく連絡がついた後、弁護人限りで被害者とお会いすることになり、Aさんに書いていただいた謝罪文を持参しましたが、被害者からは検討させてくださいとご回答されました。

しかし、その後もほとんど被害者とは連絡がつかず、そうこうしているうちに事件が警察から検察に送られてしまいました。

そこで、担当検察官に、示談交渉中のため、(起訴するか不起訴にするか)処分を待ってほしいと申し入れました。

ある程度の期間、検察官は待ってくれましたが、そろそろ処分を決めるという段階まで時間が経ってしまいました。

ちょうどその頃、被害者と連絡がつきましたが、交渉時間は残されていませんでした。

また、Aさんの入っていた任意保険会社に確認したところ、保険が今回の事件に使えるので、治療費、通院交通費、慰謝料などは、任意保険会社がすべて払ってくれることになりました。

そこで急遽、保険金とは別に、お見舞金という形で被害者の口座にお振込みさせていただきました。

結果 - 不起訴処分

検察官に、保険が使えることやお見舞金を支払ったことなどを説明し、結果的に不起訴となりました。

弁護士からのコメント

まず、被害者と連絡がほとんどつかないにもかかわらず、時間はどんどん過ぎてしまうことには肝を冷やしました。

検察官はある程度処分を待ってくれることが多いですが、さすがに1年も待ってはくれません。そこで、何度も被害者に連絡を入れました。

本件では、Aさんは被害者に暴力をふるおうと思っておらず、まして、けがをさせようとも、けがをしてしまうかもしれないとも思っていませんでした。
そこで、不起訴意見書に、このあたりのことを丁寧に細かく説明しました。

こういったことは、ご自身で検察官に説明されるのは難しいのではないかと思います。

また、本件では、任意保険会社の担当者が保険の適用に好意的であったことも、不起訴になった要因の一つだったと思います。

示談金をご用意できる見込みがないと諦める前に、ご自身の任意保険会社に保険の適用をご確認されると良いと思われます。

以上のように、刑事事件では事情に応じて臨機応変に動くことが必要です。

刑事事件を多数取り扱っている泉総合法律事務所へご相談ください。