酔った勢いで自宅とは別のドアを開け部屋に入ってしまい通報→不送致

[事例 264] 暴力事件 住居侵入
性別 男性相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 30代
職業 会社員
罪名住居侵入
弁護活動の結果不送致

背景

Aさんは、都内の会社に勤務する会社員でした。事件当日、Aさんは、職場の同僚と酒を飲み、終電近い時間に帰宅しました。

Aさんは、酔っていたせいもあり、誤って、自宅(アパート)とは別の部屋のドアを開けて、その家に入ってしまいました。玄関を入って自分の家ではないことに気が付いたAさんでしたが、どんな人が住んでいるのかを確認してみたくなり、奥の部屋まで足を踏み入れてしまいました。

そこで、その部屋の住人であるBさん(女性)と鉢合わせとなり、Bさんは突然見知らぬ男が入ってきたので、悲鳴をあげました。Aさんは、すぐにその場から逃げ去り、自宅に戻りました。

すぐさまBさんが110番通報をして、警察に被害届を提出したため、刑事事件となりました。

AさんがBさん宅に入ったことは付近の防犯カメラに収められていたので、警察もすぐにAさんが犯人であると割り出せました。奇跡的にAさんは逮捕・勾留まではされませんでしたが、Aさんとしては、何とか被害者であるBさんと示談をしたいと考え、当事務所に示談交渉等の弁護活動を依頼することになりました。

弁護士対応 - 被害者への示談交渉を行う

本件の依頼を受けた段階では、まだ警察から検察への送致はされていませんでした。そのため、受任後、弁護士がすぐさま警察署に連絡し、加害者側は弁護人を通じての示談を希望しており、被害女性(Bさん)の連絡先を教えてもらいたい旨を伝えました。

警察官を通じてBさんに連絡を取ってもらったところ、Bさんは弁護士になら連絡先を教えてもよいとのことで、弁護士とBさんとの間で示談交渉が始まりました。

弁護士がBさんと直接会って示談の説明をし、示談金を提示しました。Bさんとしては「少し考えさせてほしい」との回答でした。

しばらくして、Bさんから連絡があり「提示された示談金では示談できない。示談金額の増額を希望する」とのことでした。そのため、弁護士とAさんが協議して、示談金額の再提案という形での示談を提案しました。

すると、しぶしぶながら、Bさんは再提案した示談金で示談に応じてくれました。もっとも、Bさんは、示談書にAさんを許す旨の文言も入れることについては拒否しました。

結果 - 不送致となり解決

その後、弁護士の方から担当警察官に対して、被害者との示談書を提出したところ、後日、警察から連絡があり、「本件は既に被害者側との示談が成立しているので検察への送致はしない」とのことで、不送致という形で無事に解決することができたのでした。

弁護士からのコメント

本件は住居侵入という事案ですが、住居侵入罪での示談金として、比較的高額であると思われます。しかしながら、それだけの金額を支払ったとしても、被害者側が「許す」と言ってくれるかどうかはわかりません。

本件では、やはり被害者であるBさんの恐怖は相当のものであったと考えられますので、Bさんが加害者を許す旨の文言に拒絶反応を示すのも無理はないと思います。

しかし、本件では、たとえ被害者側の許す旨の文言がない示談書であっても、加害者が支払った示談金が比較的高額であったため、警察の方でも不送致としたのではないかと思われます。