駅のホームでスマホを使って盗撮、余罪あり→示談成立、被害者に許してもらい不起訴処分

[事例 19] 性・風俗事件 盗撮
性別 男性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 20代
職業 会社員
罪名 神奈川県迷惑行為防止条例違反
弁護活動の結果 不起訴

背景

Aさんは、仕事が終わり、電車で帰宅しました。自宅の最寄り駅で降りると、駅のホームを歩いている女性に気付き、そのスカートの中を盗撮したいとの衝動にかられました。Aさんは女性の後ろからエスカレーターに乗り、スマートフォンをスカートの中に差し入れました。
その時突然、後ろから男性に腕をつかまれました。驚いたAさんは逃げ出しましたが、追ってきた男性につかまりました。Aさんは警察署へと連れていかれ、取調べを受け、正直に全てを認めました。
その夜、両親が迎えに来て、釈放されました。押収されたスマートフォンの中には、別の盗撮事件の画像もいくつか残されていました。

弁護士対応 - 被害者が未成年であったため、その父親と示談交渉をした。

Aさんは盗撮したことを認めていたので、示談交渉をメインに活動しました。
被害者は未成年でしたので、その父親と話し合いました。当初より冷静に話をしていただけましたが、Aさんによる盗撮被害に複数回、遭っていることもあり、もう二度と繰り返さないためにも、示談書に厳しい条文を入れてもらいたいとの要望でした。
そこで、Aさん本人の再犯防止のための行動(公共の場所で盗撮を疑われる行動をしないという内容)を示談条項として加えることを提案しました。その結果、宥恕文言(「Aさんを許します」という文言)ありで、示談を成立させることができました。
余罪については、(1)盗撮の事案で余罪がないケースの方が珍しいため、余罪として別件化されることはまずないこと、(2)Aさんの携帯電話に残されていた余罪もそれほどの量でないことから特段の心配は不要であること、をAさん本人へ説明することで、安心していただきました。

結果 - 不起訴処分、余罪については不問。

示談の結果、不起訴となりました。また、余罪については予想通り、不問とされました。

弁護士からのコメント

Aさんの行為は迷惑行為防止条例違反、いわゆる盗撮に当たります。携帯電話カメラの高性能化により誰でも気軽にできてしまうようになりましたが、当然、立派な犯罪です。
この事件のように、被害者のいる事件で検察官が起訴するかしないかを決める大きなポイントの一つが、被害者と示談ができているかどうかです。盗撮事件の場合、Aさんのように押収されたスマートフォンの中などに別の盗撮画像が残っているケースは少なくありません。
しかしそれでも、多くの場合、発覚した直近の事件の被害者と示談ができていれば、不起訴となります。ですので、「どうせ、たくさんやっているから」と投げやりにならず、最後の被害者に対しては誠意をもって謝罪をしましょう。