偽装した健康保険書でSIMカードを詐取しようとした→執行猶予3年

[事例 374] 財産事件 詐欺
性別 男性 相談に至った
経緯
・家族が逮捕された
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
・執行猶予にしてほしい
・接見・差入れしたい
年齢 20代
職業 無職
罪名 詐欺
弁護活動の結果 執行猶予

背景

Aさんの親御様は、同居していたAさんが警察に逮捕されたとの連絡を受け、息子様の弁護活動を依頼したいとのご意向で相談にご来所されました。

Aさんは、偽造した健康保険証や他人の筆跡を真似た申込書を用いて、携帯電話のSIMカードを詐取しようとしたものの、店頭で見破られ目的を遂げなかったとのことです。

携帯電話のSIMカードは、振り込め詐欺などでもよく使われるため、SIMカードを詐取しようとするのは悪質な行為であり、Aさんは逮捕されるに至ってしまいました。

弁護士対応 - 取り調べに対する対応の仕方を指導

受任後すぐに接見に向かい、Aさんから事件の概要を聞くとともに、現在不安なことを詳細に聴取しました。

SIMカードの詐取については、同種余罪を疑われることが多いため、不当に過大な罪に問われないよう、取り調べに対する対応の仕方は綿密に打ち合わせを行いました。

その後、取り調べに適切に対応して頂いた結果、今回のSIMカードの詐取に関する一連の犯罪行為のみ起訴となりました。
弁護人は起訴後すぐに保釈請求を行い、適切な保釈請求書面の提出および迅速に保釈金の納付を行った結果、ご本人をGWの連休に入る前に釈放することができました。

その後、執行猶予判決を獲得するために、謝罪や示談活動を行い、並行して、Aさんとご家族で、再発防止のための方法を十分に検討していただきました。

公判当日には、監督者としてご家族に出廷いただき、監督方法について述べていただいたほか、Aさんから真摯な反省の言葉と二度と犯罪行為を行わないことを述べていただきました。

結果 - 執行猶予判決を獲得

結果として、裁判所は最大限有利に斟酌し、執行猶予判決となりました。

弁護士からのコメント

社会問題となっている振り込め詐欺に関係するSIMカードの詐取という事案で、重い罪になる可能性がある事件でした。また、余罪の取り調べが避けられない事案であり、取り調べに対しては適切に対応する必要があり、かつ頻繁に接見する必要がありました。

熱心な弁護活動の結果、捜査機関の取り調べによって、Aさんが不利に扱われるのを防ぐことができました。

また、公判においても、最大限有利な証拠を集め主張することで、社会的に問題がある事件ではあったものの執行猶予判決を取得することができました。早期に保釈ができたことも大きかったと思われます。