性犯罪 [公開日]2018年9月21日[更新日]2019年10月29日

児童ポルノの単純所持とは|意図せずダウンロードしても逮捕される?

「児童ポルノをダウンロードしてしまったのですが、これって逮捕されますか?」

最近では、日本にとどまらず、国際的に児童ポルノに関する取り締まりが厳しくなってきています。そのため、「児童ポルノ所持が警察にばれて逮捕されるかも」と不安になる方が多いようです。

また、誤ってダウンロードしてしまった人が「この場合も捕まるの?」「ファイルはどうすればいいの?」と悩むことも多々あります。

そこで今回は、児童ポルノに関する法律や罰則を解説します。

1.児童ポルノ法

(1) 児童ポルノ法とは

児童ポルノ法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)は、性的搾取・性的虐待などの問題から児童を保護するための法律です。

児童ポルノとは、具体的には以下のような写真や電子記録(視覚により認識できるもの)となります。

  • 児童との性交渉・性交類似行為にあたるもの
  • 児童が生殖器を触るなどの行為を撮影したもの(性的に刺激するもの)
  • 服の一部を着ていない状態で、性器や臀部・胸部などが強調されたもの(性的に刺激するもの)

児童ポルノというと、小学生などの子どもを想定しがちですが、法律上の「児童」は18歳未満と定義されています。

この法律では、児童買春や児童買春斡旋・勧誘などが規制されています。児童ポルノの販売・提供・そして所持をしていると、刑罰を科せられます。

中でも、これから説明する児童ポルノ単純所持罪は、皆さんに関わる可能性がある犯罪です。

(2) 児童ポルノ単純所持罪

児童ポルノ単純所持罪(平成27年、児童ポルノ法改正により新設)は、以下の場合をいいます。

行為刑罰公訴時効
児童ポルノを自己の性的好奇心を満たす目的で所持(7条1項)一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。3年
児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列(7条6項)五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。5年

児童ポルノは、作成・販売・提供するだけでなく、「持っているだけ」でも逮捕される可能性があることになります(一方、閲覧サイトなどで「見るだけ」は犯罪とはなりません)。

重要なのは、所持に「自己の性的好奇心を満たす目的」があることです。つまり、思い出のために子どもとのお風呂の写真を残していても、適用とはなりません。

また、知らずにダウンロードしてしまった、あるいはコンピューターウイルスにより勝手にダウンロードされた場合、「自己の性的好奇心を満たす目的」がないし、それ以前に故意がないため不可罰です。

このように、知らずに所持してしまっても逮捕されることはまずありません。万が一間違って逮捕されたことがあったとしても、説明すれば罰則を受けることはないでしょう。

【漫画などの創作物の場合】
法律の文言から考えて、現状は18歳未満と思われる児童を対象として性的な創造が記述されている漫画やアニメを鑑賞した場合は、処罰されるとは考えにくいでしょう。
ただし、インターネットなどで創作物を公開すれば、わいせつ物頒布罪(刑法175条1項)として問題になる可能性はあります。

2.児童ポルノ所持の捜査方法

児童ポルノ法違反が発覚するケースとしては、以下の3つが考えられます。

(1) サイバーパトロールによる発覚

インターネット上にはさまざまな違法ポルノが氾濫しています。これを取り締まるため、警察は違法サイトがないかどうかを定期的にチェックしています。

これをサイバーパトロールと言いますが、児童ポルノの提供元や掲示板などから個人の所持にたどり着くケースが想定できます。

時折、大規模なパトロールで提供者が逮捕されるのがニュースなどで報道されています。そのとき、所持者も逮捕される可能性があるのです。

(2) デートアプリやメールで発覚

最近では、デートアプリなどで簡単に会社員が未成年と知り合えます。18歳未満の児童と買春を行うようなことがあれば、その罪で逮捕されます。

そのとき、児童ポルノを所持していれば同様に立件される可能性はあるでしょう。

また、メールなどでわいせつ画像をやりとりしている場合は、保護者からの通報で発覚することもあります。

(3) 他の性犯罪で立件

学校の周辺を徘徊していると、不審者として通報されることがあるかもしれません。そのとき、所持品チェックで児童ポルノ画像などが見つかれば、逮捕の可能性もあります。

また、盗撮や痴漢など他の性犯罪で立件された際に、パソコンの中身を捜査され、発覚することもあるでしょう。

このように、児童ポルノそのものの捜査よりも、他の犯罪などで捕まってバレるケースが多いことが想定できます。

3.児童ポルノで逮捕された場合の弁護士相談

児童ポルノをダウンロードしたとしても、データ自体を処分してしまえば安心と思う方も多いでしょう。

しかし、一度ダウンロードをすると、提供先にもあなたがダウンロードを行ったデータが残ってしまうため、警察に発覚する可能性はゼロとはいえません。
(なお、「昔にダウンロードした記憶があるが削除して今は一切見ていない」というようなケースでは、逮捕される可能性は低くなります。)

そのため、ご自身やご家族が児童ポルノを所持している、あるいは警察に逮捕された場合には、できるだけ早い段階で弁護士にご連絡ください。

というのも、弁護士ならば、①実際に適用されるのかを判断できる、②逮捕されても早期釈放が期待できる、③生活への影響を最小限におさえられるためです。

これらのことは、法律、特に刑事事件に精通している弁護士でなければ困難です。弁護士ならば誰でも良いということはなく、刑事事件の解決実績豊富な弁護士にご相談することをおすすめします。

4.児童ポルノ違反の心配があるなら弁護士に相談を

上で述べたよう、児童ポルノ所持は、どのようなケースで逮捕されるのかについて見極めが難しい部分があります。そのため、少しでも不安がある場合は、専門家である弁護士にご相談いただくことをおすすめしています。

仮に逮捕されてしまった場合でも、できるだけ早い釈放と不起訴を目指しましょう。起訴されることが決まった場合でも、罰金刑・執行猶予付き判決で済むよう弁護士が全力でサポートいたします。将来への影響を最小限にすることが大切です。

泉総合法律事務所では、刑事弁護の知識と経験が豊富な弁護士が揃っています。性犯罪による立件はご自身や周囲にも影響を及ぼす可能性がありますので、まずはお早めにご相談ください。

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