性犯罪 [公開日]

児童ポルノの単純所持とは|意図せずダウンロードしても逮捕される?

児童ポルノの単純所持とは|意図せずダウンロードしても逮捕される?

「間違ってダウンロードした内容を見てみると、児童ポルノだった…。逮捕されてしまいますか?」

中身を確認せずにネットからダウンロードしてしまい、それが児童ポルノだった場合は当然焦ってしまうでしょう。最近では、児童ポルノに関する取り締まりが厳しくなっているため、「間違いでも逮捕されるかも」と不安になる方が多いようです。

そこで今回は、児童ポルノに関する法律や罰則を解説します。なぜ見つかるのか、逮捕されるとどうなるのか、児童ポルノだと知らなかった場合でも罰則の対象となるのか、詳しく見ていきましょう。

1.児童ポルノ単純所持罪とは

まずは、児童ポルノに関する法律やその内容を見ていきましょう。近年改正されどのように変わったのかについてもご説明します。

(1) 児童ポルノ禁止法の改正

単純所持でも逮捕可能に!

皆さんは、近年児童ポルノ関連の取り締まりが厳しくなっていることをご存知でしょうか?

ポルノに関しては、コンビニから成人誌が撤去される地域も増えるなど、制限が強化されつつあることはご存知だと思います。実は、児童ポルノに関しても、青少年を保護するために法律が改正され、取り締まりが厳しくなっているのです。

平成27年、児童ポルノ法が改正されました。改正の主な特徴としては、単純所持でも処罰の対象となった点などが挙げられます。

児童ポルノ法では、これまで児童ポルノ画像に関しては、販売や提供する側のみが処罰の対象となっていました。しかし、これだけでは青少年を保護することが難しいことから、単純所持も禁止されることになったのです。

つまり、「児童ポルノを持っているだけ」でも逮捕される可能性が出てきたということになります。わいせつな画像や動画、データなどを所持している場合は、処罰の対象です。

児童ポルノというと、小学生などの子どもを想定しがちですが、実際には高校生も対象となります。児童ポルノ法では、児童ポルノは18歳未満と定義されています(法2条1項)ので、この点も理解しておくべきでしょう。

(2) 児童ポルノ単純所持罪の処罰

児童ポルノ法では、性的搾取・性的虐待などの問題から児童を保護する目的のため、児童に対するさまざまな犯罪が規定されています。

代表的なものでは、児童買春や児童買春斡旋・勧誘などが挙げられます。これらは援助交際などを禁止する目的で設置されている規定です。

これ以外にも、児童買春等目的人身売買等や児童ポルノ提供なども規制されています。

そして、皆さんに一番身近だと思われる規定は、児童ポルノ単純所持罪です。

7条1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
7条6項
児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

ご覧の通り、児童ポルノを自身の性的目的のために所持した場合は、懲役刑が科せられる場合もあります。また、インターネット上に児童ポルノをアップした場合には刑が重くなります。

このように、児童ポルノを所持していると、罰金だけでなく懲役刑も課される可能性があるのです。

2.意図せずDLした場合でも捕まるのか

意図しない場合は対象外!

児童ポルノ所持罪で処罰するためには、まず「児童ポルノ」に該当する必要があります。

児童ポルノに関しては法3条に規定があります。具体的には以下のような写真や電子記録(資格により認識できるもの)となります。

  • 児童との性交渉・性交類似行為にあたるもの
  • 児童が生殖器を触るなどの行為を撮影したもの(性的に刺激するもの)
  • 服の一部を着ていない状態で、性器や臀部・胸部などが強調されたもの(性的に刺激するもの)

そして重要なのは、所持に「自己の性的好奇心を満たす目的」があることです。

つまり、思い出のために子どもとのお風呂の写真を残していても、適用とはなりません。また、知らずにダウンロードしてしまったものも性的欲求を満たす目的がないため、処罰の対象ではありません

これ以外でも、漫画などの創作物が問題になることがあります。

法律の文言から考えて、現状は18歳未満と思われる児童を対象として性的な創造が記述されている漫画やアニメである場合は、所持されると考えにくいでしょう。ただし、インターネットなどで創作物を公開すればわいせつ物頒布罪(刑法175条1項)として問題になる可能性はあります。

このように、知らずに所持してしまっても逮捕されることはまずありません。そもそも故意がないためです。

万が一間違って逮捕されたことがあったとしても、説明すれば罰則を受けることはないでしょう。

3.児童ポルノ所持の捜査方法

サイバーパトロール、児童買春摘発、他の性犯罪で逮捕

個人の所有する画像データなどを警察が見つけるのは大変です。個人の所有物を簡単にチェックできるわけではないので、個人の所持が見つかり逮捕というケースは少ない件数でしょう。

もっとも、必ずないとも言い切れません。捜査方法としては、以下のような手法が挙げられます。

(1) サイバーパトロールによる発覚

インターネット上にはさまざまな違法ポルノが氾濫しています。これを取り締まるため、警察は違法サイトがないかどうかを定期的にチェックしています。

これをサイバーパトロールと言いますが、提供元や掲示板などから個人の所持にたどり着くケースが想定できます。

時折、ニュースなどで大規模なパトロールで提供者が逮捕されるのが報道されています。そのとき、所持者も逮捕される可能性があります。

(2) デートアプリやメールで発覚

最近では、デートアプリなどで簡単に会社員が未成年と知り合えます。18歳未満の児童と買春を行うようなことがあれば、その罪で逮捕されます。

そのとき、児童ポルノを所持していれば同様に立件される可能性はあるでしょう。

また、メールなどでわいせつ画像をやりとりしている場合は、保護者からの通報で発覚することもあります。

(3) 他の性犯罪で立件

学校の周辺を徘徊していると、不審者として通報されることがあるかもしれません。そのとき、所持品チェックで児童ポルノ画像などが見つかれば、逮捕の可能性もあります。

また、盗撮や痴漢など他の性犯罪で立件された際に、パソコンの中身を捜査され、発覚することもあるでしょう。

このように、児童ポルノそのものの捜査よりも、他の犯罪などで捕まってバレるケースが多いことが想定できます。

4.児童ポルノで逮捕された場合の弁護士相談

(1) 画像データを処分した場合

データ自体を処分してしまえば安心と思う方も多いでしょう。

しかし、一度ダウンロードをすると、提供先にもあなたがダウンロードを行ったデータが残ってしまうため、警察に発覚する可能性はゼロとはいえません。

もっとも、「昔にダウンロードした記憶があるが削除して今は一切見ていない」というケースもあるでしょう。このようなケースでは、逮捕される可能性は非常に低くなります。

というのも、単純所持が処罰されるようになったのは平成27年7月15日から。これまでにデータを処分していれば、その画像やデータに関して罪に問われることはありません。

刑法の大原則として、法の不遡及の原則というものがあります。法律として施行される前に行った行為については、施行後違法となっても処罰されないということです。

(2) 児童ポルノ法違反を弁護士に依頼するメリット

もし、ご自身やご家族が児童ポルノ法違反で捕まった場合には、できるだけ早い段階で弁護士にご連絡ください。早めの対処が肝心です。

逮捕されていなくとも、心配がある場合は一度ご相談されることをおすすめします。

弁護士に相談するメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

①実際に適用されるのかを判断できる

ご自身で調べても、本当に適用されるのか不安ということもあるでしょう。以前利用したことのあるサイトの管理人が逮捕されてしまった場合など、「自分も逮捕されるのでは?」と不安になることもあるかもしれません。

そんなときこそ、弁護士にご相談ください。実際に法律が適用される事案なのか、逮捕される可能性があるのか、処罰を受ける可能性があるのかなどをご説明することができます。

②逮捕されても早期釈放が期待できる

仮に逮捕されたとしても、事前に弁護士に相談していればその後の対処も素早くできます。

刑事弁護はスピードが勝負といわれています。できるだけ早い段階で弁護士が動くことにより、早期釈放を叶えることができます。

③生活への影響を最小限におさえられる

性犯罪はセンセーショナルに報道される傾向にあります。単純所持で報道されることはないとは言い切れません。

弁護士なら、報道しないように捜査機関に意見書を送付することもできます。報道がなければ、周囲にもばれず家族や友人に迷惑をかけずに済みます。

生活への影響を最小限に抑えるという点でも、弁護士に対応を任せるメリットはあります。

このように、児童ポルノ違反を弁護士にご相談いただくことにはメリットがあります。逮捕等に不安がある方はご検討ください。

5.児童ポルノ違反の心配があるなら弁護士に相談を

児童ポルノ所持は、どのようなケースで逮捕されるのかについて見極めが難しい部分があります。そのため、少しでも不安がある場合は、専門家である弁護士にご相談いただくことをおすすめしています。

仮に逮捕されてしまった場合でも、できるだけ早い釈放と不起訴を目指しましょう。起訴されることが決まった場合でも、罰金刑・執行猶予付き判決で済むよう弁護士が全力でサポートいたします。将来への影響を最小限にすることが大切です。

泉総合法律事務所では、刑事弁護の知識と経験が豊富な弁護士が揃っています。性犯罪による立件はご自身や周囲にも影響を及ぼす可能性がありますので、まずはお早めにご相談ください。

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