自動車のタイヤをわざとパンクさせた
[事例 42] 暴力事件 器物損壊
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい ・示談したい |
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年齢 | 60代 | |||
職業 | 無職 | |||
罪名 | 器物損壊 | |||
弁護活動の結果 | 不起訴 |
背景
Aさんは、被害者所有の自動車のタイヤを複数回にわたって刃物でパンクさせました。
逮捕はされておらず、被害者との示談をしたいということで、Aさんから依頼を受けました。
弁護士対応 - 被害者と粘り強く示談交渉を進めた。
依頼直後から被害者と連絡を取り、示談交渉を進めました。
本件の器物損壊が複数回に上っていたことから、被害者はこれを“ストーカー的な犯行である”ととらえていました。そのため、被害者は相場よりもかなり高い示談金額を要求してきました。
しかし、Aさんと被害者が近所に住んでいるということもあり、Aさんとしては「何としてでも示談を成立させて穏便に終わらせたい」と強く希望していました。そのため、ある程度は被害者からの要求を受け入れる形で示談交渉を進めました。
ただ、被害者の要望が度々追加されるなど、交渉は難航しました。しかし、粘り強く交渉を進め、こちらで譲れる部分、譲れない部分を明確にしながら、なんとか合意を取り付けました。また本件について許していただく旨を盛り込んだ示談書を作成し、告訴を取り消してもらえました(器物損壊罪が親告罪なので、確実に不起訴処分を得るため)。
結果 - 告訴取り消し、不起訴処分に。
示談成立後、告訴が取り下げられ、その結果、不起訴処分となりました。
被害者からの要求が相場をはるかに超えて高い場合、示談の成立をあきらめ、検察官に対し、「こちらからは適切な金額を提示しているにも関わらず、示談を成立させることができない」と説明して、不起訴処分を得るという弁護方針もありえます。
しかし、今回はどうしても示談を成立させたいというAさんの強い意向があったため、粘り強く交渉を進め、何とか示談を成立させることに成功しました。
依頼者の意向に沿うよう、最善の努力を尽くすことが弁護人の役割だと考えます。