電車内での未成年者に対する強制わいせつ→被害者側との示談交渉の末、不起訴処分

[事例 108] 性・風俗事件 強制わいせつ
性別 男性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 10代
職業 会社員
罪名 痴漢・強制わいせつ
弁護活動の結果 不起訴

背景

本件は、依頼者Aさんが、電車内で未成年の女性に対して、スカートの中に手を入れて、さらには下着の中にも手を入れるなどの痴漢行為をしたという事件です。その後、Aさんは、駅で降ろされ、警察署に行って取調べを受けました。そして、Aさんは、自分の罪を素直に認めたため、その翌日に父親に迎えに来てもらって釈放となりました。そこで、Aさんは、自分はとんでもないことをしてしまったことに気づき、何とか被害者の女性と示談をして、不起訴にしてもらうために、当事務所を訪れ、自分の弁護を依頼しました。

弁護士対応 - 被害者(未成年)の父親と示談交渉

Aさんから依頼を受けた後、速やかに警察に対して弁護人選任届を出しました。その後、事件が警察から検察に送致されると、弁護士から担当検察官に連絡を入れ、弁護人を通じて、被害者の女性に対して謝罪と賠償をしたいということを伝えました。そして、幸い、当方からの申し出は被害者に拒否されることはなく、被害者の父親と示談の交渉をすることになりました。さっそく弁護士が父親と面会し、Aさんに書いてもらっていた謝罪文を渡すとともに、示談金額として50万円を提示しました。被害者の父親は謝罪文を受け取ってくれましたが、示談金額には難色を示していました。

結果 - 示談金額で折り合いが付く、無事に不起訴処分

その後、数度の交渉を経て、示談金額は70万円ということで被害者側と合意できました。そして、取り交わした示談書を検察庁に提出したところ、Aさんは無事に不起訴になりました。

弁護士からのコメント

本件は電車内での痴漢行為の事件でしたが、加害者が被害者の下着の中まで手を入れているという点で悪質性の強いものでした。そのため、謝罪や示談の申し入れを被害者側に拒否される可能性も十分あったと思います。しかしながら、幸いにも、被害者側は当方からの申し出に応じてくださったため、何とか示談ができました。本件は、結果的には70万円で示談できましたが、先ほど述べたとおり痴漢事件の中でも悪質性の高いものであったため、示談金をもっと要求されてもおかしくなかったと言えるでしょう。