知らない女性にわいせつな行為をしてしまった

[事例 11] 性・風俗事件 強制わいせつ
性別 男性 相談に至った
経緯
・起訴された・釈放してほしい
・執行猶予にしてほしい
年齢 30代
職業 会社員
罪名 強制わいせつ
弁護活動の結果 執行猶予

背景

Aさんは、深夜の最寄り駅で、好みの女性を探していました。そして、女性が改札をくぐって出てきたところ、その女性の後ろを少し離れてついていきました。そして、人目のないところで、後ろから抱き着き、女性の体をまさぐりました。女性が抵抗したので、すぐに手を放し、走って逃げだしました。
しばらくした後、Aさんは警察官に逮捕されてしまいました。勾留された後、起訴され、その後、保釈が認められて釈放されました。
相談には、釈放されたAさん自らが来所されました。すでに国選弁護人がついているが、刑事弁護に不慣れな印象を受けている、自分だけでなく勾留中の家族とのやりとりもうまくいっておらず家族も弁護士を変えたほうがいいと言っている、ということでした。

弁護士対応 - 謝罪文の作成、カウンセリングの受診を指導した。

ご相談時、Aさんにはお金がありませんでした。家族からも借りられる状況ではありませんでした。そのため、被害者との示談金に充てるお金を用意することができない状況でした。Aさんの事件は強制わいせつ事件です。刑の重さに大きく影響するのは、被害者との示談です。しかし、Aさんにはその用意ができませんでした。
そのため、ご依頼をいただいても、最も効果のある活動が困難である以上、結果が大きく変わることは考えにくいことをAさんに伝えました。しかし、Aさんはそれでも今の弁護士では不安だから、と意思は変わりませんでした。
依頼を受けたとき、すでにAさんは起訴され裁判を待っている状態でした。そこで、しっかりと執行猶予が取れるよう、準備が必要でした。まず、Aさんは示談金こそ用意できないものの、自分のしたことをしっかりと反省し、被害者に対する謝罪文を作成し、また、二度と繰り返さないよう自分の性癖の問題と向き合うためにカウンセリングも受けていました。これらの事情を報告書にまとめ、そしてAさん自身に被告人質問でしっかりと話してもらう準備をしました。

結果 - 執行猶予付判決を獲得。

結果は、執行猶予付きの判決でした。

弁護士からのコメント

弁護士から見たら、わざわざ私選弁護人を頼みお金をかけなくても、結果は変わらない、という事件もあると思います。しかし、Aさんにとって、この事件は初めての事件であり、たった一つの事件でした。Aさんは、たとえ弁護士にそう言われても、今できることはできるかぎりのことはしたいと考えていました。ここで結果が変わらないからと言って断ってしまえば、Aさんのその思い、更生への一歩を妨げることになると思い受任しました。
なお、強制わいせつ事件は親告罪といって、起訴するために法律上「告訴」が条件となっています。つまり起訴される前に被害者にこの「告訴」を取り消してもらえれば、絶対に起訴されないのです。もしご自身が、そしてご家族が強制わいせつ事件を起こしてしまった場合には、一刻も早く弁護士を頼み、示談交渉のために動くことが重要です。