原付バイクで走行中、逆走してきた自転車とすれ違いひき逃げを疑われた
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい | |
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年齢 | 50代 | |||
職業 | 学生 | |||
罪名 | 道路交通法違反、過失運転致傷 | |||
弁護活動の結果 | 不起訴 |
背景
Aさんが原動機付自転車に乗って道路を走行していると、前方から自転車が逆走をしてきました。Aさんはその自転車をすれすれでかわし、衝突した感覚はありませんでした。ただ、万が一、衝突していたらまずいと考え、原動機付自転車を停車させ、自転車の運転手のところへ向かいました。
Aさんが相手の方に怪我がないかを尋ねたところ、相手の方は、怪我はしていないものの接触はしたので、警察を呼ぶと言いました。
Aさんは、接触した感覚もないし、相手の方が興奮状態にあったことから、その場を立ち去りました。
数日後、その現場を通りかかったところ、ひき逃げ事故があったという旨の警察署の看板が設置されており、自分が疑われているのではないかと考え、相談に来られました。
弁護士対応 - 供述調書の作成、警察署へ同行し示談交渉
まず、逮捕される可能性を低くするため、警察署へ任意で出頭することにしました。さらに、自身の言い分を正しく伝えるため、Aさんの言い分をまとめた供述調書を弁護士が作成しました。
本件では、Aさんの言い分は、相手に怪我をさせるような事故であったという認識がなく、故意を欠くため、犯罪が成立しないというものですが、捜査機関に供述調書を作成されると、犯罪の故意があると解釈されてしまう内容の調書が作成されるおそれがあります。
そこで、これを避けるため、弁護士側で調書を作りました。
この供述調書を持参し、警察署へ弁護士とともにAさんは出頭しました。
その後、相手の方が弁護士と話をしたいという申出があったと警察署から連絡があり、相手の方へ連絡をしました。相手の方は、Aさんがその場から立ち去ったことにお怒りであり、この点について謝罪してほしいとのことでした。そして、謝罪があれば、損害賠償請求や処罰を求めないとの意向も示されました。
相手の方との話の中で、刑事訴訟になった場合にAさんの言い分にとって、不利な事情があることもうかがわれたこともあり、Aさんの言い分に矛盾しない限りで、相手の方に謝罪をし、その事情を捜査機関に伝えることがよいと考えました。
その後、Aさんとともに相手の方にお会いし、謝罪をしたうえ、相手の方から損害賠償請求や処罰を求めないという書面に取得しました。
結果 - 不起訴処分に
結果として、書面を警察署に届けたところ、これ以上捜査は進めず、立件しないことで事件が終結いたしました。
本件では、Aさんが故意を否認し、相手の方の認識とも異なる認識を持っていたことや、利害が対立する当事者を直接会わせることのリスクがありました。他方で、このまま捜査が継続した場合、Aさんが起訴され、故意を否認するAさんの主張が認められずに、前科がつくというおそれもありました。
これらの事情を天秤にかけ、直接謝罪をし、宥恕を得たうえで、起訴を免れるという方針を選択しました。これが功を奏し、検察へ事件が送られることもなく、事件が終結し、Aさんにとっても最も負担のない方法で、解決をすることができました。