バイクで夜間走行中、死亡事故を起こしてしまった→不起訴処分

[事例 240] 交通事故 人身、死亡事故
性別 男性相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・執行猶予にしてほしい
年齢 50代
職業 会社員
罪名過失運転致死
弁護活動の結果不起訴

背景

Aさんは、いつも使用している片側2車線の国道を走行していました。運転していたのは500ccの大型バイクで、夜の通勤時間帯ということもあり、現場は交通量も多く比較的混雑していました。

Aさんは、法定速度で走行しており、それなりに注意を払っていたつもりでした。しかし、突然、一人の男性が道路の横断を試みて、飛び出してきました。急ブレーキをかけましたが間に合わず、バイクは大破、被害者は救急搬送された先で、死亡が確認されました。

Aさんは現行犯逮捕され、現場検証や事情聴取を受けましたが、人命が失われたという結果が重大であるため、その後検察庁に送検されました。結果的に勾留請求は裁判官によって却下されたものの、しかるべく処分が下りるだろうと捜査機関から通告されていました。

Aさんは、自らの行為が被害者の死亡という重大な結果を招いたことと、このままでは自らに刑罰が下るであろうことを知り、弁護士に相談するに至りました。

弁護士対応 - 被害者のご遺族と交渉し、嘆願書の作成を得る

Aさんは、事故から1週間経過してから事務所に相談にいらっしゃいました。

過失運転致死の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金です。Aさんは、過去に軽微ながらスピード違反等を繰り返していたこともあり、自らがどのような刑罰に処せられるのか、大きな不安を抱いていました。

刑務所に入らずに今後も仕事を続けていきたい、不起訴であればベストだが、せめて罰金刑にしてほしいとのご希望があったため、被害者に対して金員を払い、今回の一件をお許しいただくことを目標としました。

まずその第一歩として、被害者は既にお亡くなりになっていますので、そのご遺族に対して、弁護士を通じて、謝罪と反省の態度を示すことから始めました。

弁護士は、受任後ただちに捜査機関に対して、被害者ご遺族の情報を問い合わせ、速やかに電話をしたうえで書面を送りました。その後、何度も交渉を重ね、最終的には宥恕(=許すこと)文言入りの嘆願書を作成いただけました。

結果 - 不起訴処分を獲得

嘆願書が決定打となり、刑罰は避けられないとしていた検察の態度が一変し、結果として、Aさんは不起訴となりました。

弁護士からのコメント

本件において、まずAさんがするべき行動は、自らの行為を謝罪し、反省の態度を示すことのはずでした。

しかし、Aさんの書いた反省文は、読み方によっては、被害者側の過失を指摘しているように読めるなど、遺族感情を逆なでしかねないものでした。
そこで、ご遺族が読んだ場合にどのような気持ちを抱かれるだろうか、といったところから懇切丁寧な助言を心掛けました。

また、最後の最後まで交渉を諦めない弁護士を選ぶことも大切です。今回の一件も、受任直後から交渉を始め、反省文を受け取っていただき、その後お見舞金を受け取っていただき、最終的にご遺族に嘆願書(被害者が、「Aさんの刑事処罰を求めない」とする文書)を作成していただくまで、約13か月かかりました。

あまり頻繁に催促しすぎないように気を付けつつも、定期的に、かつ、ご遺族が電話を取りやすい曜日・時間をうかがいながらお願いし続ける、そういった誠意を示しつづけたことが良い結果に結びつきました。

Aさんが弁護士を通じて、様々なノウハウで誠意を見せ続け、その気持ちがご遺族にも伝わったからこそ、今回の一件について許してもらえたのだと思います。