スーパーで万引き、夫には秘密にしたい

[事例 50] 財産事件 窃盗
性別 女性 相談に至った
経緯
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい
・示談したい
年齢 40代
職業 主婦
罪名 窃盗
弁護活動の結果 不起訴

背景

Aさんは自宅近くのスーパーで万引きをしてしまいました。まず2階で商品を自分のカバンに入れて、1階へ降りました。そして、1階では食品をいくつか同じカバンに入れました。同時にカートに乗せたカゴに商品を入れ、そちらはレジでお金を払いました。
そして、店を出ようとしたところ、店員から「会計をしていないものがありますよね」と声をかけられました。Aさんはすぐに万引きを認めました。
そのあと警察署へ連れていかれましたが、その日はすくに釈放され、翌日にまた呼び出されました。そして、指紋や写真を撮られ、認める内容の供述調書が作成されました。
それから数日後、Aさんは泉総合へ相談に来られました。Aさんは夫には絶対知られたくないとのことで、Aさん本人からご相談、ご依頼いただきました。

弁護士対応 - 被害店舗との示談交渉

万引き事案ですので、被害店舗と示談ができるか否かが分かれ目となります。
通常、被害弁償(盗品の買い取り)はさせていただけることはあっても、それ以上の示談金は受け取ってはもらえないことが多いため、今回も示談金は受け取っていただけないだろうと踏んで、お金での賠償より、もっぱら本人の反省を前面に出して店長と交渉をしました。
店長はもちろんAさんに万引きされたこと自体には憤りを感じておられましたが、Aさんは他の万引き犯とは異なり、素直に犯行を認め、スーパーの事務所の段階で謝罪していたことから、許してもらうことができました。なお、店長から示談するにあたり、店内への出入り禁止の条項を入れて欲しいとの話があったため、後日Aさん本人の承諾のうえで、Aさんの顔写真をスーパーへ渡しました。

結果 - 不起訴処分、前科なし。家族にも事件を知られずに終了させられた。

検察官には意見書提出、示談が成立していることもあり、前科のつかない不起訴処分になりました。無事、Aさん本人の希望通りに、ご家族には知られることなく事件は終了しました。

弁護士からのコメント

万引きは簡単にできてしまうため、大した犯罪ではないと考えている人もいます。しかし、万引きも立派な窃盗です。罪を犯してしまったあと、しっかりとした対応をしなかったならば、その人の人生に大きな影響を及ぼす罰を受ける危険があります。
今回、Aさんは比較的早くに相談に来所されました。そのため、それほど日がたっていないうちに、スーパーへと謝罪に出向くことができました。被害者が個人であってもお店であっても、時間がたてばたつほど、示談はしてもらいにくくなります。ご自身が被害者の立場であれば、数か月後に謝りに来た人に対して、「今更か」という気持ちになることは分かるはずです。
そのため、示談交渉を行う必要がある事件では、すぐに行動することがとても重要です。そして、多くの場合示談交渉は弁護士をつけなければできません。なるべく早くご相談ください。