女性の体に触れて強制わいせつ罪→示談交渉の末、告訴取消で不起訴処分
[事例 97] 性・風俗事件 強制わいせつ
性別 | 男性 | 相談に至った 経緯 |
・前科をつけたくない・不起訴にしてほしい | |
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年齢 | 30代 | |||
職業 | 会社員 | |||
罪名 | 強制わいせつ | |||
弁護活動の結果 | 不起訴 |
背景
Aさんは、会社で働いていました。そこには一人の女性の同僚がいました。Aさんは、悪ふざけで、その女性の体に触れることがありました。その日も、同じようにふざけているつもりで、後ろから抱き着いてしまいました。
数日後、Aさんは上司から突然呼び出されました。その女性から会社に連絡があったとのことでした。Aさんはその時に初めて、自分の行為が女性をそこまで苦しめていたということを知ったのでした。
Aさんはその日に自宅謹慎を言い渡され、その後しばらくして、会社を解雇されてしまいました。
そして、その後警察からも呼び出しを受けました。女性は強制わいせつの被害届を出していたのでした。
弁護士対応 - 被害者に対して賠償金支払い、被害者の代理人弁護士との示談交渉
Aさんは、警察に呼び出されたのちにしばらくして、事務所に相談に来られました。
女性は警察に対して、後ろから抱き着かれて胸を触られた、という被害を届け出ていました。これは刑法における強制わいせつ罪でした。いくら悪ふざけのつもりでも、わかってやったのであれば犯罪になってしまいます。そこで、被害者に対して賠償金を払い、示談をしてもらうおうと、受任後ただちに担当の警察官に示談の申し入れをしました。すると、女性も代理人の弁護士の方を依頼しているとのことでしたので、私が先方の事務所へ出向いて交渉を始めました。
結果 - 何度か示談交渉を重ねた結果、告訴が取り消され不起訴処分
その後、何度か交渉を重ね、最終的には示談を受け入れてもらうことができました。
女性の代理人弁護士の方より検察官に告訴取消書が提出され、Aさんは不起訴となりました。
やってしまっている側は大したことだと考えていないことでも、被害者側からすればとても苦痛なことであった、というケースは、強制わいせつ事件に限らず少なくありません。そのような場合、トラブルになったあとも、すぐに対応をしない方がいらっしゃいます。
お気持ちはわかりますが、それはとても危険です。一般論ではありますが、時間がたてばたつほど、被害者の方は示談に応じてくれにくくなります。「これまで連絡もなかったのに、今更謝られても許す気にはなれない」という気持ちになるからです。
今回のAさんは、幸いにも事件が警察沙汰になったあと、すぐに相談に来られました。そのため、すぐに交渉を開始することができました。Aさんのその行動が、その気持ちが女性にも伝わったからこそ、示談をしてもらえたのだと思います。