身近な法律の疑問 [公開日]2020年5月14日

露出で逮捕されたら|示談をすると不起訴になるか

公の場で自分の体を露出することは、社会の秩序を乱す行為であり、絶対にやってはいけません。

実際に露出を行ったことにより警察に逮捕されてしまったり、逮捕されないまでも取り調べを受けるなど捜査の対象となってしまったりしたら、事態は大ごとです。

すぐに弁護士に相談して、不起訴にしてもらえるように必要な活動を行う必要があります。

この記事では、露出について成立する可能性がある罪・示談の位置づけと示談金の相場などについて解説します。

1.公然と体を露出すると、どのような罪が成立するか?

まず、公の場で自分の体の一部を露出した場合に、成立する罪はどのようなものがあるかについて解説します。

(1) 迷惑防止条例違反

各都道府県は、公衆に著しく迷惑をかける行為を禁止し、市民生活の平穏を保持するために、「迷惑防止条例」をそれぞれ定めています。

迷惑防止条例においては、公然と体の一部を露出する行為が処罰の対象となっていることが多いです。

たとえば、東京都の迷惑防止条例5条1項3号では、
「人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること」が禁止されています。

この規定に違反した場合には、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます(同条例8条1項2号)。

(2) 軽犯罪法違反

公然と体の一部を露出する行為は、軽犯罪法違反にも該当する可能性があります。

軽犯罪法1条20号は、
「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者」
を拘留もしくは科料に処すことを規定しています。

なお、拘留と科料は併科されることもあります(同法2条)。

(3) 公然わいせつ罪

さらに、公然と体の一部を露出する行為は、刑法174条に規定される公然わいせつ罪にも該当する可能性があります。

同条は、「公然とわいせつな行為をした者」について、6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処すことを規定しています。

2.露出の刑罰の可能性

公然と体の一部を露出したことにより逮捕・起訴され、有罪判決が下された場合、法定刑の範囲で刑罰に処せられることになります。

[参考記事]

露出をしてしまった!現行犯以外では逮捕されない?

初犯の場合は、迷惑防止条例違反・軽犯罪法違反・公然わいせつ罪のいずれについても、よほど悪質なケースを除いて罰金刑以下になることがほとんどでしょう。

しかし、罰金刑(または拘留もしくは科料)という比較的軽い刑罰であっても、刑罰に処せられてしまえば前科が付くことになります。

前科が付いてしまうと、就職活動やローンを組むなどの際に不利に働いてしまう可能性があり、社会生活上の大きなデメリットになってしまいます。

そのため、被疑者としては、不起訴にしてもらえるようにできる限りの活動をすることが重要になります。

3.示談成立の重要性

公の場で自分の体の一部を露出したことにより逮捕されたり、捜査の対象となってしまったりした場合には、目撃者と示談をすることが不起訴になるためにプラスに働く可能性があります。

(1) 示談は有利な情状として考慮され得る

検察官が罪を犯した人を起訴するか、それとも起訴猶予(不起訴)にするかを判断する際には、罪の重大性や、その他の被疑者の情状も重要な考慮要素になります。

たとえば、公の場で自分の体の一部を露出したという場合に、目撃者が一人しかいないような状況だったとします。
この場合には、目撃者が露出行為を見て恥ずかしい思いをさせられたということが、その行為が悪質であることを決定づける大きな要素となります。

このようなケースでは、目撃者が実質的な被害者であるといえます。

そのため、目撃者との示談が成立すれば、被疑者を処罰する必要性は大きく減ることになります。

また、目撃者に対して真摯に謝罪し、示談をしたということは、被疑者が反省していることを事実としても評価されます。

検察官も、特に目撃者=実質的被害者といえるようなケースにおいては、目撃者との示談が成立したかどうかを重要視する傾向にあります。

したがって、被疑者が不起訴を勝ち取るためには、最大限の誠意をもって目撃者に対して謝罪し、示談の成立を目指すことが重要になります。

【示談が成立しても起訴されることはあり得る】
1点注意しなければならないのは、目撃者と示談が成立したからといって、必ず不起訴になるわけではないということです。
公の場で自分の体の一部を露出したことにより成立する罪は、だれか特定の人の権利を侵害したことを理由に成立するわけではなく、社会全体の風俗を害したことを理由に成立するものとされています。そのため、いずれも公訴提起(起訴)に目撃者の告訴は不要とされています(非親告罪)。
よって、目撃者が「この人を処罰してほしいという気持ちはありません」と言ってくれたとしても、検察官の判断により、起訴されてしまうことはあり得ます。

(2) 示談金の相場

示談金がどの程度の金額になるかは、具体的な事情により異なります。
かなり幅がありますが、おおよそ10万円から50万円程度の範囲に収まるケースが多いようです。

もちろん、示談が成立するかどうかは、目撃者が被疑者の謝罪を受け入れてくれるかどうか次第になります。

そのため、目撃者が高額の示談金を要求してくれば、必然的に示談成立のために必要な示談金も高額になる傾向にあります。

4.示談をするためには弁護士に相談

被疑者が目撃者との間で示談を行うためには、弁護士に依頼することが必須といえます。

一般的に、目撃者は被疑者と直接やり取りをすると犯行現場の様子などを思い出してしまうため、被疑者との直接のやり取りを拒否する可能性が高いです。

また、示談を成立させるためには目撃者に対して言葉を尽くして謝罪をする必要があります。
そのためには、事前に謝罪の仕方や内容について慎重に検討するべきです。

弁護士は、露出などを含む刑事事件の示談交渉を数多く担当した経験を持っていますので、適切な謝罪の仕方などについてアドバイスを受けることができます。

さらに、弁護士は検察官とのやり取りなどを通じて、被疑者を不起訴にしてもらうために最大限尽力します。

必要に応じて、被疑者が反省していることを示す書面などを作成した上で、検察官の説得を試みます。

これは、刑事手続についての知識と経験を持った、法律の専門家である弁護士にしかできないことです。

もし露出行為によって警察・検察の捜査の対象になってしまったら、すぐに弁護士に相談をしてください。

5.刑事事件の弁護は泉総合法律事務所へ

公然と自分の体の一部を露出する行為には、重い刑罰を課される可能性は比較的低いといえます。

しかし、罰金などであっても、刑罰が課されれば前科が付いてしまい、社会生活上不利に働きます。
そのため、被疑者は目撃者との示談交渉など、不起訴にしてもらうための最大限の努力をする必要があるでしょう。

刑事事件の被疑者になってしまった場合には、法律の専門家である弁護士に相談してください。
弁護士は、刑事事件に関する豊富なノウハウを活用して、被疑者を刑事手続から解放するために、全力で被疑者を弁護します。

ぜひ、お早めに泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

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