刑事弁護 [公開日]2017年11月27日[更新日]2021年2月5日

保釈請求を却下された!準抗告・抗告で不服申し立て

保釈」とは、金銭を担保として身体拘束から解放される制度を言います。
起訴された後も身体拘束が続く被告人は、この「保釈」を請求することができます。

もっとも、保釈請求は却下されるケースがあります。

「家族が起訴されてしまった。起訴後も勾留が続くので、弁護士に保釈申請を頼んでいたが却下されたらしい」
「保釈請求が却下されたらもう釈放されることはないのだろうか」

今回は、そのようなお悩みを持つ方々のために、保釈が認められないケースでの対応策などについてご説明いたします。

なお、保釈については以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

保釈に強い弁護士|弁護士に依頼する場合と依頼しない場合の違い

1.保釈請求却下の理由

それでは、保釈請求が却下されてしまうのは何故なのでしょうか。

刑訴法89条は、「必要的保釈」について定めています。これは、89条各号に該当する場合を除いては保釈を許さなければならないと規定しています。

1号被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
2号被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
3号被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
4号被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
5号被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
6号被告人の氏名又は住居が分からないとき。

そうすると、保釈請求が却下される理由は、同条各号に該当する事由があると判断されたことによるものです。

保釈請求の際に争われるのは主に4号と5号についてです。

具体的には、共犯者や事件関係者との間で口裏合わせをする、供述内容の変更を求める、嘘の目撃者を作り出す、証拠物を壊したり隠したりする、被害者や重要参考人に加害行為を加えるおそれがあると認められる場合には、保釈請求が却下されます。

2.保釈請求却下に対する不服申し立て(準抗告と抗告)

保釈の申し立ては裁判所に行います(もっとも、保釈をするか否かの判断に際して裁判所は、検察官に意見を聴かなければなりません)。

保釈請求が却下されてしまった場合、それだけで二度と釈放が望めないのかと言うとそのようなことはありません。

保釈請求が却下された場合には、不服申し立て(89条各号に該当しない、後述する職権保釈を認めるべき等の主張)を行うことができます。
不服申し立ての方法には、「準抗告」と「抗告」の2種類の方法があります。

準抗告は、第1回公判期日が行われる前に、裁判官が保釈請求を却下した場合に行う不服申し立ての方法です。
抗告は、第1回公判期日が行われた後に、裁判所が保釈請求を却下した場合に行う不服申し立ての方法です。

3.再度の保釈請求も可能

また、不服申し立てでなくても、再度保釈請求をすることができないというわけではありません。
一度保釈請求をして却下された後、新たな事情が生じれば、それを主張して新たに保釈請求をすることで保釈が認められることもあります。

具体例としては、例えば、一度保釈請求をして却下されたが、その後に被害者と示談ができた場合などです。

このような場合には、「被告人が罪を認めて反省し被害者に謝罪もしている以上、裁判までに罪証隠滅行為を働く可能性はない」と判断されたり、「被害者が被告人を許している以上、被告人が被害者に供述の変更を迫ったり、被害者に加害行為を加える可能性はない」と判断されることがあるため、再度の保釈請求が認められる場合があります(裁量保釈)。

[参考記事]

裁量保釈とは?裁判官の裁量により保釈を許される可能性

また、身体拘束が長引くことで被告人に過度に不利益が生じる場合(会社を解雇になったり、受験を控えていたりする場合など)にも、保釈が許可されるケースがあります(職権保釈)。

このように、事情が変われば再度の保釈請求も認められることがあるため、一度保釈請求が却下されたからといって諦める必要はありません

被害者と示談をするため、裁判所に再度の保釈請求を認めてもらうためにも、早急に弁護士にご相談ください。

4.保釈申請が通らない場合は泉総合法律事務所へ

これまでの説明で、保釈請求が却下された時には、不服申し立てや再度の保釈請求が可能であることについてご理解いただけたと思います。

一度保釈請求が却下されたからといって、それで釈放されることを諦める必要はないのです。

保釈のことでお悩みであれば、刑事弁護経験豊富な弁護士が多数在籍する泉総合法律事務所に是非一度ご相談ください。

刑事事件コラム一覧に戻る