刑事事件弁護 [公開日]

刑務所の中の生活。家族・友人はどんな暮らしをしているの?

刑務所の中の生活。家族・友人はどんな暮らしをしているの?

【この記事を読んでわかる事】

  • 刑務所において、受刑者はどのような1日を過ごしているのか
  • 受刑者にできる差し入れや、面会について
  • 逮捕から収監、仮釈放までの流れ

 

刑務所に収監された人が、どのような生活を送っているのかご存知ない方も多いでしょう。

特に、ご家族や親しい友人が収監されてしまった方は、1日のスケジュールや、自由にできること、苦労すること、差し入れできるものなど知りたいことがたくさんあるはずです。

今回は、刑務所の生活について解説します。逮捕から収監、仮釈放までの流れも一緒に見ていきましょう。

1.刑務所での1日の生活

まずは、刑務所での生活を見ていきましょう。

1日のスケジュールから食事や自由時間、煙所内で苦労することなどをご説明します。

(1) 刑務所での1日の流れ

では、刑務所内の1日はどのような流れで進んでいくのでしょうか。

まず、刑務所のスケジュールは各施設によって異なります。以下でご紹介するのは、一例であるとご理解ください。

06:45 起床
部屋の掃除、洗面、人員点検

07:05 部屋での朝食(30分)
朝食後、部屋を出て作業場に向かいます。
更衣室で作業着に着替え、着衣・身体・携帯品の検査を行います。

08:00 刑務作業開始

12:00 昼食時間(40分)
作業中に面会や運動、診察が行われることがあります。

16:40 刑務作業終了
作業終了後は入浴時間です。
入浴後、着替え・身体検査が行われ、人員点検後に各自の部屋に移動します。

17:00 夕食

17:00〜21:00 自由時間
夕食後は自由時間となり、テレビを見たり、読書、手紙を書くなどができます。場合によっては、クラブ活動なども行われています。

21:00 就寝

 

以上が、刑務所での1日の流れとなります。朝は早く起き、夜は早く寝るという規則正しい生活のほか、懲役刑の場合は刑務作業があります。

自由時間もあるため、「思ったより厳しい環境ではない」と感じた方も多いかもしれません。

(2) 食事や自由時間について

次に、刑務所での食事や自由時間について詳しくみていきましょう。

①食事

食事は朝、昼、晩と三食きっちり出ます。

食事内容は栄養士が管理し、基本的にはヘルシーで健康的なメニューが出るそうです。和食が中心のようですが、洋食もでることがあります。栄養が偏らないようバランスのとれた食事が提供されます。

また、栄養バランスだけでなく四季に応じた食事も提供されています。

例えば、正月や誕生日、祝祭日などには特別の食事が用意されているようです。季節の変化を感じることで、刑務所での生活を実感させる目的があります。

②自由時間

基本的に、夕食後の余暇の時間には読書やテレビ鑑賞などが許されています。

この時間に家族に手紙を書いたりします。必要なものがあれば、自分でお金を出して購入することも可能です。

これを「自弁」といいますが、いつでも購入できるわけではなく、生活態度や作業の取り組み状況、賞罰の状況など総合的に判断した上で、必要な場合に趣向品の購入が許されるそうです。

購入できるものとしては、衣料品、食料品、飲料、室内装飾品、趣向品、日用品などがあります。

③運動時間、入浴

健康を維持するためには、運動をしたり体を清潔に保つことも大切です。刑期を全うするためにも、運動時間や入浴は必要となります。

運動時間については、入浴がない日に週4-5回程度、一回につき40分認められています。

運動内容としては、散歩やマラソン、野球やソフトボールなどを行います。年に一回は、運動会や球技大会などのイベントもあり、工場対抗戦などがあるそうです。
入浴時間は、夏季に週3回、これ以外の時期は週2回と決まっています。一回の入浴は15分という短い時間となっています。

使うことができるのはボディソープなどではなく、石鹸と限定されています。

以上が、刑務所での暮らしについての詳細です。必要があれば自分で物を購入することができるなど、自由な時間もあるようです。

もっとも、購入した物に関してはチェックが入った上で配布されるなどの制限もあります。

(3) 刑務所生活で苦労すること

では、刑務所生活で苦労することには、どのようなものがあるのでしょうか。

①共同室での窮屈な生活

最近では、多くの刑務所が定員オーバーといわれています。ほとんどの受刑者が共同室と呼ばれる部屋で共同生活を送っていますが、定員6名のところを7、8名で使用しているケースも増えているのです。

部屋の中では、食事をしたり、就寝をしたりするだけではなく、余暇の時間も過ごすことになるため、人が多いと窮屈に感じることもあるでしょう。

②独房での孤独感

共同室以外にも、単独室と呼ばれる場所があります。いわゆる独房です。

この部屋は、集団生活を送ることが難しいと判断された人や、規則に違反した場合に懲罰として収容される部屋となります。

単独室に収容された人は、工場で作業も許されず、部屋の中で作業を行うことになります。この場合は、孤独感を感じてしまうケースもあります。

③刑務所内でのいじめ

刑務所は閉鎖的な空間です。刑務所職員や受刑者間でのいじめが報告されることがあります。

いじめが発覚した場合、いじめをした加害者は、規則を守れなかったとして懲罰を受けることになります。

刑務所内の規則は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(刑事収容施設法)に記載されています。

同法律150条によると、「特別遵守事項を遵守せず…刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その被収容者に懲罰を科することができる。」と規定されています。

懲罰の内容としては、注意を受ける戒告だけでなく、作業の停止や自弁の使用の停止、報奨金の削減、単独室に収容されるなどがあります(同法151条参照)。

しかし、いじめを見つけてもらえない場合には、被害者は辛い思いをすることになります。

④コミュニケーションに苦労する

収監される受刑者は、日本語の話せる日本人だけではありません。外国人も収監されることがあります。

この場合、コミュニケーションで苦労するケースがあるのです。

日本語が話せない・理解できない人に対しては、通訳、翻訳、食事、娯楽、日本語教育などについて一定の配慮がなされています。

しかし、受刑者間でのコミュニケーションがとれないため、生活面で苦労することが多くなります。刑務所のルールさえ理解できない場合もあるのです。

このように、刑務所生活では苦労することもあります。規則や人権の観点から、配慮されている点もありますが、やはり避けられない問題も発生します。

2.受刑者との面会・差し入れ

受刑者との面会・差し入れ

次に、受刑者との面会、差し入れについて解説します。

(1) 受刑者との面会

では、受刑者と面会する場合、何か制限はあるのでしょうか。

受刑者との面会はいくつかの制限があります。具体的には、

①面会できる人と人数
②面会できる日時
③面会の回数
④面会の方法

などです。

①面会できる人と人数

原則として、家族は面会可能です。性別や年齢での制限もありませんので、お子さんも面会することが可能です。

ただし、年少であることから子どものショックなどを考え、短期の刑期の場合には面会を控える方もいらっしゃいます。

また、内縁の妻・夫であっても面会は可能です。

家族以外でも、仕事関連の方、立ち直るために面会すべき方、面会が必要な事情があり施設側が認めた方については面会が可能です。

人数については、3人以下で各施設が決める人数のみとなります。面会できるか心配な方は、事前に施設に確認してみると良いでしょう。

②面会できる日時

面会日は、平日の日中のみとなっています。原則として土日や祝日の面会は認められていません。

時間帯については、各施設により異なるため行く前に確認しておきましょう。

また、1回の面会時間は30分以上が多くなっています。できる限り、時間を確保するように各施設が努めていますが、面会者が多い場合などは短くなってしまうこともあります。

③面会の回数

面会の回数は、規則に定められた優遇区分というものに応じて変わります。受刑者によって月に面会できる回数は異なりますので、これについても確認が必要です。

生活態度などを考慮した上で、優遇区分が高い受刑者に関しては、7回以上の面会が認められています。

逆に、生活態度が悪いことや規則を破った場合などは、優遇区分が低くなってしまい月2回以上となります。

④面会の方法

面会の方法は、刑務所施設内が面会場所となります。

アクリル版を挟んで受刑者と話をするケースとアクリル板のない特別室で面会が行われるケースがあります。

面会については、カメラにより録画されている場合もありますが、音声は録音されていません。

もっとも、会話内容は、原則として同席する刑務官がすべて記録しているため、内密の会話が成立することはありません。

(2) 受刑者への差し入れ

では、面会時の差し入れになんらかの制限はあるのでしょうか。

差し入れにもいくつかの制限がありますので、①差し入れの時間帯、②差し入れできるもの、③喜ばれるものに分けてご説明します。

①差し入れの時間帯

差し入れを行う場合は、基本的に面会時に行うことになります。差し入れの時間帯は、面会可能時間に準じています。

しかし、各施設により異なることもあるため、確認するようにしてください。

また、差し入れは直接渡すことはできません。各施設にある差し入れ窓口に申し込みが必要となります。

この際、身分証明書、印鑑などが必要になるケースもあるようなので、面会時に持参してください。

さらに、差し入れしたものは、受刑者に渡されるまでに時間がかかることもあるようです。

検査を行うためということもありますが、手続きに時間がかかることもあります。

②差し入れできるもの

差し入れについては、どんなものでもできるわけではありません。基本的には、差し入れ業者から購入したもののみとなります。

施設にある売店では、本や日用品、書籍などが並んでいるため、この中から選んで差し入れます。

食べ物も売っていますが、食べ物は差し入れとしては禁止されているので、控えるようにしてください。

③喜ばれるもの

差し入れをする場合、相手が少しでも喜ぶものを渡したいですよね。

「手作りのお弁当を作ってあげたい」などの希望があるかもしれませんが、先にお話した通り、原則として食べ物は禁止です。

また、物についても差し入れ業者から購入した物となるため、施設が許した場合を除いては、形式的なものとなってしまいます。

そんな中で、受刑者が喜ぶのは現金です。受刑者は、自分で物を購入することができるため、差し入れされた現金で好きなものを購入することができます。

もちろん、こちらで購入した場合でも喜んでくれるはずですが、相手の欲しいものと考える場合は、現金の方が喜ばれるかもしれません。

このように、面会時には、差し入れを行うことも可能です。

遠くに住んでいるため、なかなか面会できないという方は、郵送での差し入れも可能のようですので、各施設に問い合わせてみてください。

【参考】留置場で喜ばれる6つの差し入れ

3.仮釈放はいつになるか

刑務所において模範的な生活を送ることで、早く仮釈放が認められる!

刑期を送っていくと、本人を含め家族が気になるのは、仮釈放です。仮釈放が認められれば、刑期満了前に刑務所から出ることができます。

では、仮釈放はいつ可能になるのでしょうか。

仮釈放は、社会復帰ができると判断された場合に、刑期満了前に刑務所から釈放される制度(刑法28条参照)です。仮釈放中は、保護観察が行われ、月に2回保護司との面会が義務付けられています。

仮釈放中はいくつか守らなければいけない条件があり、これに反すると刑務所に再び収監されてしまいます。

仮釈放の時期については、有期刑(刑期が定まっている場合)と無期刑(刑期が定まっていない場合)で異なります。有期刑の場合、刑期の1/3が経過し、改悛の状が認められる場合に仮釈放が認められます。

無期刑の場合は、10年以上の刑が経過し、改悛の状が認められる場合に可能となります。

改悛の状については、反省しているかどうかという意味ですが、本人の主観的感情だけでなく、生活態度や本人の状態、将来の生活計画、帰住後の環境などの客観的側面も考慮して判断されます。

このように、仮釈放が認められるためには、時間の経過も要件となっていますが、受刑者自身の生活態度なども影響します。

できる限り、模範的な生活を送ることで早く仮釈放が認められるでしょう。

4.刑務所に入るまでの流れ

次に、刑務所に収監されるまでの流れをご説明します。

(1) 逮捕と勾留

では、どのような手順で逮捕から収監まで進んでいくのでしょうか。

逮捕とは、被疑者の身柄を拘束することです。犯人を見つけたら必ず逮捕を行うと思われがちですが、起訴まで逮捕を行わないこともあります。

主に、事前に裁判所から逮捕状を受けて被疑者の身柄を確保する「通常逮捕」、犯罪を現認した場合に行う「現行犯逮捕」、一定の重い犯罪で緊急性があり、逮捕状なしに身柄確保を行う「緊急逮捕」があります。

逮捕後は、原則として48時間以内に釈放か、検察官に身柄を送らなければいけません。また、勾留請求は逮捕から72時間以内と決まっています(検察官が逮捕を行った場合は、24時間以内です)。

このような厳格な拘束期間が定められているのは、被疑者に対する人権侵害を最小限に抑えるためです。

逮捕から3日以内に釈放されなければ、勾留請求がなされているため、身体拘束が長くなる可能性が高くなります。

勾留請求を行うと、裁判官が、勾留が必要かどうかを判断します。

勾留されるかどうかについては、定まった住居があるか、証拠隠滅の恐れはあるか、逃亡のおそれがあるか、などの勾留要件を考慮した上で、被疑者と面談し判断します。

勾留が決定されたら、原則として10日間は勾留施設から出ることはできません。この間取り調べなどが行われます。勾留は延長することができ、最大で20日間続きます。

(2) 起訴から有罪判決まで

次に、起訴から有罪判決までの流れをご説明いたします。

勾留期間中に、検察官は起訴するかどうかを判断します。起訴自体は、検察官の専権事項といって、検察官に判断が委ねられています。

犯罪の重大性、被疑者の反省の程度、初犯かどうかなど、その他一切の事情を考慮した上で起訴・不起訴が決定されます。

不起訴となれば、無事釈放となりますが、起訴となれば被告人勾留といって、身体拘束が続く可能性が高くなります。

事件内容や前科の有無などによっては、保釈が認められるケースもあります。

被告人勾留も、被疑者勾留と同様に裁判所の許可が必要です。

罪証隠滅の恐れがある場合などに被告人勾留が認められます。原則として2ヶ月は勾留することが可能です。

もっとも、被告人勾留の場合は、必要があれば1ヶ月ずつ更新することができるため、殺人など重大犯罪である場合は拘束期間が長くなる可能性が高いでしょう。

起訴がなされると、裁判までは2ヶ月程度で開始されます。

裁判の期間は、事実に争いがなければ2週間程度で終結することもありますが、無実を主張するなど事実に争いがある場合には、裁判自体が長期化します。

そのため、一概にどれくらいで終結するかというのは言えないのが実情です。

判決は、無罪か有罪となります。有罪となった場合には、刑期とある場合は執行猶予が言い渡されます。

軽い犯罪かつ初犯の場合は、起訴段階で不起訴となる可能性もあります。起訴がなされても執行猶予判決が出る可能性は高いでしょう。

(3) 判決確定後、刑務所へ

判決により実刑が確定すると、被告人は拘置所から刑務所へ移されます。

判決が下った後は、控訴することができますが、これを行わない場合判決の翌日から14日後に確定します。その後、しばらく拘置所で面接などが行われ収監先が決定されます。

起訴前は被疑者、起訴後は被告人、判決確定後は受刑者と呼ばれることになります。

仮に、在宅起訴が行われた場合(起訴後保釈となり、身柄が拘束されていなかった場合)は、判決確定後約10日で検察庁に呼び出され拘置所に拘束、その後刑務所に収監という流れとなります。

刑務所とは、確定判決で有罪を受けた者が、実刑を受ける刑事施設のことです。

刑務所での刑としては、懲役刑、禁固刑がありますがそれぞれ言い渡しを受けた刑を受けることになります。

懲役刑の場合は、施設内で刑務作業を行う必要がありますが、禁固刑の場合はこれがありません(禁固刑と懲役刑の違いについては「禁固刑、懲役刑はどちらが重い?違いと刑務所での生活について解説」をご覧ください)。

刑務所は、判決で言い渡された刑罰を受ける施設です。

しかし、日本の刑罰には、犯罪者を罰する目的だけではなく更生させる目的もあります。そのため、受刑者を更生させ、社会復帰をさせるためのプログラムも実施されており、再犯防止のための取り組みが行われています。

以上のような流れで、逮捕から収監まで進んでいきます。

収監を避けるためには、早い段階で弁護士をつけ、不起訴・無罪獲得のための活動を行っていく必要があるでしょう。

5.家族が逮捕されたら、早めに弁護士に連絡を

家族が逮捕されてしまったら、誰もが動揺します。いきなりのことでどうしたらいいかわからないのは当然のことです。

しかし、逮捕されたら勾留請求までは3日しかありません。勾留が決定されると身体拘束が長くなってしまい、社会生活にも影響が出るため、これまでに釈放を目指すことが大切です。
また、勾留が決定した後でも、不起訴を勝ち取ることで裁判を避けることができます。

刑事裁判では、裁判になってしまった場合には、有罪判決が出る確率が圧倒的に高くなります。軽い犯罪でない限り、有罪で刑務所に収監される可能性も高くなるのです。

早いうちにご相談いただければ、裁判になってしまった場合でも執行猶予判決を目指すことができます。

刑事弁護はスピード勝負です。できるだけ早い段階で、刑事事件の弁護に精通した泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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