暴力事件に関する質問
暴行罪で起訴された場合における刑事事件が終結するまでの流れについて教えてください。
A. 暴行罪の場合、法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。そして、被疑者・被告人が暴行の事実を認めている場合、略式起訴(正式には「略式命令請求」と言います)になることが多いと思われます。
略式起訴は検察官が罰金刑が相当と判断して略式起訴を選択した場合に問題となり、検察官が罰金刑ではなく懲役刑が望ましいと判断した場合には通常の起訴となります。
略式起訴になった場合、通常の起訴とは異なり、裁判所での正式な刑事裁判手続(「公判」と言います)は実施されず、裁判官が、検察官によって提出されて証拠に基づいて、略式命令(罰金刑)を出します。この手続きは、被疑者・被告人にとって、早期の事件の終結というメリットがあり、また、言い渡される刑罰が懲役刑ではなく罰金刑であるという点で特徴があります。もっとも、検察官が略式起訴をするには、被疑者がこの手続きに同意していることが要件となります。
B. 通常の起訴となった場合には、検察官が懲役刑が望ましい重大事件と判断したわけですから、在宅事件ではなく、逮捕されそれに続いて最長20日間勾留されて満期直前に起訴されるのが通常かと思います。
C. 保釈されなければ刑事裁判手続きで判決が言い渡され有罪ならば執行猶予付き懲役刑の有罪判決が出るか無罪判決がでるまで警察署か拘置所に勾留されることになります。実刑判決ならば判決確定まで勾留が継続します。
もっとも、被告人が保釈されれば勾留から解放されます。起訴されると保釈請求ができますので、弁護士に刑事弁護を依頼していれば弁護士(弁護人)が裁判所に対して保釈請求し、裁判所が検察官の意見も踏まえて逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れなどがないと判断すれば保釈金納付を条件に保釈決定することになります。起訴されて最短で東京地裁の場合には3日間(土日祝日を除く)で保釈決定されると思います。