薬物事件に関する質問

息子が海外で「このスーツケースを日本に運んでくれたら多額の謝礼を払う」と言われて、その指示通りに日本に運び込んだら、税関でスーツケースから10キログラムもの覚せい剤が発見され、逮捕されました。

覚せい剤輸入罪は重罪でしかも10キログラムと多量ですから、すぐに刑事弁護を弁護士に依頼すべきです。
今回のケースでは、スーツケースの中身についての息子さんの認識がどうであたったかが問題となります。そこで、捜査官は息子さんにスーツケースの中身が覚せい剤であることを知っていたと認めさせようとしてきます。そこで、取調べにどのように対応してもらうかが、非常に重要です。
取調べにあたって注意していただきたい点は次のとおりです。
取調べへの対応は原則黙秘です。以前は調書に署名押印しないようアドバイスすることもありましたが、現在、裁判員裁判対象事件の場合、取調べが録音録画されており、それでは不十分になりました。そこで、捜査機関の取り調べにはすべて黙秘をしてもらい、弁護士のほうで、息子さんの供述をまとめて証拠として残しておくという形になります。
このような事件では、取調べにどう対応するかが、致命傷になりかねません。早急に経験豊富な弁護士に弁護を依頼してください。

弁護活動としては、
・運ぶのを依頼してきた人物から本人がどういう説明を受けたか
・その説明を聞いて本人がどう思ったか
・謝礼が高額であったか
・何ら問題もない一般的なスーツケースを運ぶ対価として妥当な範囲の金額だったか
などの点を本人から詳細に聞き取ります。合わせて、取調べにあたっての注意点を本人へアドバイスしたり、違法薬物との認識(故意)がなかったとの無罪主張をしていきます。

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